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青空CAMP music & camp festival インタビュー

[2014/05/06]

青空CAMP music & camp festival インタビュー

野外音楽フェスが日本に定着され始めてから、現在日本全国各地で大小様々な思考と工夫をこらしたフェスが開催されている。そんなややカオス状態ともいえる現状の中、決して背伸びをせずに非商業的なスタンスで3年目を迎える青空camp。フェスを開催する理由は主催者の目的と考え方それぞれであるのだけれども、こういうフェスがもっともっと地域に密着して開催されていけば、音楽と人と自然との関わり方が少しづつ変わるような気がする。そんな野外フェス『青空camp』の主催のお二人にお話をお聞きしました!


青空CAMP Interview

—–まずは自己紹介からお願いします。

マサキ(以下 M) : 青空campを主催していますマサキです。

ジュンジ(以下 J) : 同じく主催のジュンジです。

—–青空campは基本2人で過去2回主催しているという事ですが、始めたきっかけなどを教えて頂けますか?

J : 震災後なんですけど、福島の子ども達への支援の為に何か出来ないかなって考えてたんですね。それでお金を集めるよりはまずは人を集めてそこから何かに繋がればなって漠然と思ってて。人を集めるのであれば音楽である必要性は無いんですけど、単純に音楽が好きっていうのもあって。それで2011年の5月位から障害を持った人や子供達が野外でライブペイントをする様なイベントにウチの子供が参加したんですね。それでその時に主催していたのがちょっと音楽好きのどこにでもいそうなお兄ちゃんお姉ちゃんだったんです。実際は音楽イベント等行っている団体でしたが。

—–要するに音楽業界とかそういう人達では無いって事ですね?

J : そうです。そういうのの影響もあってフェスをやってみたいなっていうのもありつつ、自分のやりたい事や好きな事で少しでも支援に繋がるのであればって想いが芽生え始めたんですね。ただ支援をしたいのであれば、街頭で募金すれば良い話なんですけど、やっぱり好きな事をしながらであれば続けられるんじゃないかなと。

—–色々な支援の方法がありますしね。

J : はい。それで高校の頃の友達だったマサキとFACEBOOKで繋がってて。マサキがイベントを主催してたり、音楽フェスに行ったりしてるのをFACEBOOKの投稿なんかで見てたので、メールして再び繋がって。

M : 当時一緒にジャミロクアイのライブとか行ってました(笑)

J : 行ってた行ってた(笑)

—–地元はどちらなんですか?

J : 僕が市原市でマサキが千葉市で。

—–当時音楽繋がりで遊んで感じ?

M : ですね。でも高校出てから実際一度も会ってなくて(笑)

—–あ、そんな疎遠だったんですね(笑)

J : 昔は家の電話しか無かったから、なかなか連絡手段が無くて(笑)

M : そんな感じで話を持って来てくれて最初は居酒屋で会って色んな話をしたんですけど、僕も地元千葉でクラブイベントをやっていて、しばらくはイベント自体お休みしていたんですけど。野外とかもやってみたいなって思ったりしてたので、『やっちゃう?』っていう居酒屋ノリでスタートしたという(笑)

—–なるほど(笑)マサキ君はイベント主催経験有りでジュンジ君は?

J : 全くないですね(笑)バンドをやってたわけでも無いし、主催した事があるわけでもないし。純粋にさっき話した子供達のイベントの主催者に触発されたのと、福島の支援をしてる人達がいて影響を受けたんです。

—–という事は2人とも基本野外イベントのノウハウも支援のノウハウも無い状態だったわけですよね?

J : ほとんど素人でした(笑)

M : 1回目の時はフェス・音楽関係の知り合いも多くなかったですし、なかなかボランティアで協力してくれる人達もいない中ほぼ2人だったんで、前日の仕込とか本当に大変で。

J : むしろ仕込めていないっていう(笑)

M : 前日の夜とかジュンジが一度、家に帰ったのでオレ一人で出演者の前乗り組を待ってたし (笑)

—–(笑)ちなみに1回目の出演者は?

M : 光風&GREEN MASSIVE、ハンサム判治さん。三宅洋平君などです。

—–結構濃いメンバーですね!元々繋がってたとかなんですか?

M : いや、ブッコミですね(笑)ライブに行って直接話しをしてとか、知り合いを辿ったりとか。

—–そうなると元々知ってたというよりはこの青空campを開催するに当たって繋がっていったって事なんですね?

M : SARATOGAなんかもそうですね。イベントを通して知り合っていきました。

青空CAMP music & camp festival

—–1回目はやはり結構大変だったのでは?

M : いや〜散々でしたね。。色々と至らない部分があったり、プロモーションの仕方なんかも分からなかったりで。

J : 色々大変な部分はあったんですけど、ああいう経験をしながらも2回目に繋ぐ事が出来たので。

—–2回目も直ぐに次の年に開催してますが、どんなモチベーションだったんですか?

M : 1回目が終わった後はちょっと大人しくしてましたね(笑)まず1年目の反省として、勢いだけだったのもあるので動き出しが遅すぎたと。

—–だってロケハンだって何度か行くわけですよね?

M : 最初はそうですね。本当は地元の千葉でやろうとしてんですけど、場所の条件が合わなくて。それでこの開催地のハートランドの責任者とフェスで会ったりしてて知り合いだったんですね。その繋がりもあってそこのオッサン、通称監督に相談をしたら『カモーンだze!』って事でハートランドに決めました(笑)

—–それで2回目からは福島の子供達を無料で招待するっていう支援を行ったわけですが。

M : 福島のご家族の避難移住に協力している団体などと多少の繋がりがあって、そういう団体に1回目は売り上げから支援金をいただいて渡したんですね。ただ、それもちょっと違うかなって。

J : その団体自体も活動が止まってしまってるっていうのもあったんですけど、なんか自分達で出来る事無いかなって思って。みんなから預かったお金をまた更に他の団体に預けるのでは無くて、そのお金で何か有効的な事が出来ないかなって思って。

—–色々な支援方法があるとは思うんですけど、子供達を招待するっていうのは?

J : あの311の原発の事故があって、あそこで発電されている電力は福島の人達の為のモノでは無くて、我々の為に造られているモノだって事を改めて思い知らされたし震災前は意識なんて一切してなくて。それであの事故で、たくさんの子供達が放射能によって被害にあっていて、大人はまだ選択肢があるとは思うんですけど、子供には一切選択肢がないと思うんですね。例えば、大人が移動しようって言えば色々な経済的な問題はたくさんあるとは思うんですけど、可能ではあると。でも子供だけの力ではなかなか移動出来ない。そんな簡単に移住とかは出来ない事だけど、ほんの短い時間でもいいから親子で少し離れた場所で楽しんで貰えたらなって思ってこういう支援方法で2回目からはやりましたね。

—–実際どうでした?

J : 大型バスで40人満載の予定だったんですけど、実際にはキャンセルなどもあったりで人数は減りました。20人くらいでした。運動会と日にちが同じだったりして。運動会を外でしているって事も実際はどうなんだろうってのはありますけどね。

—–当日はどんな流れなんですか?

M : 内容としては、金曜の朝に出て貰って夕方に到着して、ハートランドの近くの屋内宿泊施設に泊まって貰って、土曜日目一杯遊んで、もう一泊して日曜に帰るっていう行程です。

—–それって結構コストもかかると思うんですけどその辺を支援金でまかなってるって事ですか?

M : ですね。クラウドファンディングっていうサイトがあって、要するに支援の趣旨に賛同してくれた人達がベットしていく様な支援サイトがあるんですね。昨年2013年はそこで支援金を集めさせていただきました。

—–あーなるほど!という事は、青空campのこの子供達をイベントに招待するっていう概要に対してそれを見た人々が支援していくっていう形かな?

J : そうですそうです!ですのでそのサイトは我々だけじゃなくて色々な趣旨で支援を求めてる人達が集まってるわけなんです。そこに登録してそこを通して支援金が入って来るわけです。

—–なるほどなるほど。それで2回目にその支援金で子供達を招待したわけですけど、アーティストはどんな感じだったんですか?

M : 光風&GREEN MASSIVE、KINGDOM AFROCKS、ハンサム判治さんやLIKKLE MAI、SARATOGAと元ビバッチェの堤さんや地元のバンドさんなどで。

青空CAMP music & camp festival

—–メンツはかなり豪華ですね!イベントはどうでした?

M : 手応えはありましたね。確実に広がりは出来たと思います。集客的にはもっとがんばらないとって感じでしたがそれなりに形になったので。

J : 後は手伝ってくれた人達もいたんですけど、まだまだやっぱり2人過ぎて(笑)色々仕込みなんかが大変でしたね。

M : 去年は結構スタッフも増えたんですけど、終わった後の打ち上げでみんなが来年はどうする?みたいな雰囲気が出来上がってて(笑)
僕がそこで「来年やります!」と酔っぱらって宣言して今に至ると・・・

J : そうそう(笑)それで割と早い段階から今回の3回目に着手出来たっていうのはありますね。手伝ってくれる人も凄く増えたので。

M : 物凄くありがたいですね。

—–開催地の地元との関係は?

M : 開催地は住所としては富士宮市になるんですけど、お店を出店してくれる人達や後は地元のバンドなどにも出演して貰ってますね。Oi-SKALLMATESのギターのkenさんが地元で向こうに住んでいるので、色々協力して頂いて貰ってます。

—–そうなんですね。実際そのイベントの中身なんですけど、初日がライブのみですよね?

M : ですね。初日はバンドだけやって夜は音出しはしないので、21時位に音を止めてそれからはキャンプタイムでまったりですね。それで2日目の朝もまったりしながらワークショップをやって貰ってみんなで遊ぶ感じです。ハンサム判治さんやSARATOGAの哲也クンにもワークショップをやって貰って交流する様な感じです。それで昼位には解散みたいな。

—–そうなると良くあるフェスみたいに常にDJが音を流してるとかそういうわけでは無いんですね?

M : 主旨としてあるのが、音楽半分+キャンプ半分なんですね。

J : 単純にキャンプしたいよね?みたいな(笑)

—–朝早く起きたいよね?みたいな感じですね?(笑)音が止まって出演者も混じったりしてお酒飲んで、雑談して、テントで寝て朝起きてゆっくり帰るっていう感じが正解ですかね?(笑)

M : 正解ですね(笑)

—–子供達は?

M : 結構気温が夜は低いので、昼間遊んで早めに宿に戻る感じでしたね。そして朝起きてちょっと遊んで帰るという。日曜日はワークシップで遊んだり牧場体験なども出来ますね。

—–バーベキューは?

J : 直火をしなければ大丈夫です。コンロとかでやれば。後はお風呂が無いので、2日目に帰りにどこかでお風呂に入ってみたいな感じが最高です。ほうとうも美味しいですよ。

—–割とみんなそうなるとバーベキューとかしてる感じなんですね?

M : むしろそれがメインみたいな(笑)
一昨年で終了してしまっているのですが、僕の好きなイベントで木曽鼓動っていう野外フェスがあって。800人?位の規模なんですけど、それも持ち込み自由なイベントで。そのイベントをもっとキャンプよりにしたいなっていうイメージがありました。

—–“より”キャンプよりは年寄りには嬉しいですね(笑)ちなみに今まで何か面白い事とかありますか?

M : 事件的な?

—–事件的な(笑)

M : う〜ん。。そうですね〜何が凄いかってそのハートランドの監督がもうぶっ飛んでて。そのオッサンが事件みたいなモノですね(笑)イベントのコンテンツの一つにはなってますね(笑)

J : 出演者の人達もみんなビックリして帰りますよ(笑)あ、自転車乗って侵入して来た外国人がいた(笑)

M : いたいた!あれはなんだったんだろ?(笑)あとはロケーションが最高なので、デコいらないっていう。富士山がドーンって。

—–それって最高ですよね。富士山がデコなわけだし(笑)

J : 後はデコも多少はあってもとは思うけど、ゴミが出たりしてしまうものはやっぱり、どうなのかなと。自然のロケーションを楽しんで貰いたいですね。

M : そういう自然な感じなので出演者・お客さん・出店者・スタッフ・それから監督(笑)全体の距離感はものすごく近いです。出演者さんもそういう遊びを知ってる人が多いので楽しんで貰ってます。

—–ちょっと僕も泊まりで参戦する予定なので、最後に意気込みをお願いします!

M : 一年目が終わった時に光風さんが言ってくれた『楽しむ事を忘れずに!』って言う言葉があって。今は自分の言葉の様に周りやスタッフに言ってるんですけど(笑)やっぱり自分が楽しめなくなってしまったらやる意味も無いしって思いますね。
それから一つ誤解しないでいただきたいのは、青空campは復興支援のイベントでは無いという事です。僕等、ジュンジはともかく特に僕はそんなに良い人間でもないですし(笑)一年に二日間だけですけど、楽しいことやって福島のお子ちゃま・ご家族とも単純に楽しく一緒に遊びたいだけなんですよね。

J : 舞台監督の人も言ってたんですけど主催者が楽しんでるイベントはやっぱり面白いって。やっぱそこなんだなって思います。

M : 笑えてないと現場の雰囲気も悪くなりますしね!

J : 顔では笑いながら胃は痛いみたいな(笑)

—–まー蓋を開いてしまえば後はやる事やって開き直るしかないので(笑)とにかく楽しみにしてますのでがんばって下さいね!


青空CAMP music & camp festival Web site
http://aozoracamp.com/


青空CAMP music & camp festival

Photo by 青空camp自慢の美人photographer ”Akiko Sato”
Interviewed By Kenichi Kono


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