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DJ Doppelgenger – INTERVIEW

[2014/03/23]

DJ Doppelgenger  - INTERVIEW

Profile of |DJ Doppelgenger|


音を作り旅をして。そして人と出会いまた音を作り旅をする。自らの足で日本全国各地を渡り歩き、音楽という最強の自己表現方法で自らの人間力に磨きをかけ続けるDJ DOPPELGENGER。新作『Accept』を来月リリースするそんな彼にお話を伺いました!旅をするDJの持つ独自の感性と思想を少しでも感じて頂きたい!やはりどの世界でも人間力は必至です!


DJ Doppelgenger Interview

—–今回初登場という事で!出身はどちらになるんですか?

僕は大宮ですね。

—–元々音楽に興味を持ったきっかけっていうのは?

中学の頃に友達の兄貴がターンテーブルを持ってて。それでその友達の兄貴の部屋に侵入して遊んでるウチにその兄貴も帰って来たら教えてくれたりして。

—–いきなりレコードですか?

ですね。ターンテーブルを触りましたね。

—–その前ってどんな音楽を聴いてたとか覚えてますか?

当初はJPOPとか普通に聴いてましたね。あとスキャットマンとかユーロビートとか(笑)。近所のCD屋にあるもんなら色々買って聴いてましたよ。あとは地元の不良の煽りでGANGSTA RAPとか。

その頃にDJ HONDAがNHKの番組に出てて、ルーティン披露してて。『こんな事出来るんだ』って思ってた流れでその友達の兄貴が所有するターンテーブルに出会って。で、自分でターンテーブル買って、それからずっとスクラッチばかり練習してました。

—–という事は最初はHIPHOPから入った感じ?

そうですね。さんピンCAMPとかBUDDHA BRANDとかSHAKKAZOMBIEなんかの日本のHIPHOP辺りを聴いてましたね。あとはHIP HOP全般、新旧関係無く色々掘ってました。

—–ロックとかはあまり?

高校過ぎた辺りから王道になっちゃいますけど、メタリカとかセパルトゥラとかパンテラとか聴いたりはしましたね。いわゆるメタルを。あと打ち込みのロックとかも。prodigyからministry、skinny puppyとか。
本当、垣根無く何でも聴いてみてましたね。

それ位の頃にはDJはやってましたけど、色んな音楽がある事を知り始めてなんかもうジャンルが自分の中で良く分らなくなってきて(笑)ホント好きな音ばかりかけてました。その果てにDUBSTEPに落ち着いたんです。

DJ Doppelgenger

—–人前でDJをやり始めたのはいつ位になりますか?

高校一年の頃ですかね。自分達でクラブ借りて夕方から夜までのパーティーなんかでPLAYしてました。その当時はHIPHOPだったんですけど、十代後半位からですかね、DJ SHADOWとかDJ KRUSHあたりを聞き始めた流れで今度はABSTRACTにドップリはまって。それから新宿のリキッドルームとか良く遊びに行ってました。

—–元々HIPHOPからこうしてDUBSTEPというジャンルに辿り着いたわけですが、共通点ももちろんあるとは思うんだけど、どこに魅力を感じたんですか?

実はHIPHOPを経て、二十歳位にRAVEカルチャーに興味を持ち始めてTRANCEイベントに良く遊びに行く様になったんです。そこで結構音楽的な観点が変わって来て、インドとかタイとか海外に遊びに行ってみたりして。それで海外のパーティーで更に色々な音楽があるんだって事を知って。それまでHIPHOPしか知らなかったのが、いきなり枠がすっ飛んじゃったんですよね。

—–HIPHOPから4つ打ちだとまたDJ的なアプローチの仕方が変わってきますよね?

僕の場合4つ打ちといってもTECHNOとかHOUSEとかを通り越していきなりTRANCEだったんで(笑)といってもTRANCEのDJはやらなかったですけど。

ABSTRACTのイベントに遊びに行きながらもTRANCEのイベントにも行ってたり。まだ何も知らなかったから何でも足運んで、遊びの中で色々学んでいった感じですね。

—–その流れで今の音に繋がっていくのがなんか面白いですよね。

そうですね。結局TRANCEからサイケな音を掘り下げて行くと、昔のプログレロックだったりミニマルミュージックだったり。そういう所まで掘り下げていって。

—–そこに辿り着くDJって多いですよね。PINK FLOYDとか。

元祖PSYCHEDELIC的な感じですよね。

—–どんなジャンルスタートでも音楽好きな人ってPINK FLOYDに辿り着く感じはありますね。

やっぱり革新的ですよねあれは。で、PINK FLOYDのDUBカバーアルバムがリリースされて。あれ凄く良いアルバムでしたね。そのぐらいの頃、DRY&HEAVYだったりON Uだったり、DUBも聴き始めて。それからGOTH TRADと知り合ったんです。確かまだDEEP MEDi MUSIKからバイナル出す前で、当時の音源聴かせて貰ったんですけど、純粋に『こんな事も出来るんだ』って思って。DUBSTEPのアプローチってBPM140前後でTRANCEやDUBやTECHNOの要素を全部取り入れてどう遊ぶかっていう世界で。だし、先のON Uとかに比べて、よりエッジの効いたぶっといサウンドが衝撃で。これだけ雑多で自由にやれるって凄く僕にも合ってるなって思ったんですよね。

—–結構BPM70と140と210辺りっていろいろ遊べますよね。

そうなんですよね。
今まで明確にBPM70と140で遊べるジャンルって無かったと思うんで。

—–それって何歳頃の話ですか?

GOTH TRADと知り合ったのが今から5〜6年前ですかね。なもんで25〜6歳ぐらいかな。そこから一気に自分の中で意識が変わってDUBSTEP面白いってなって。当時音楽系SNSだとmyspaceが盛んだったんですけど、もう隅々までチェックしてました。だし、当時まだそこまでDUBSTEPのリリースも無かったですし、myspaceでの音源が一番最先端だったと思います。

—–その頃から今のDJ名になったんですかね?ちなみに意味は?

そうですね。DJ Doppelgengerとして活動し始めました。意味は簡単に言えば「もう一人の自分」っていう意味です。と言っても、その意味とか最初知らなくて。笑

あだなが「ゲン」なんで、その文字が含まれてて、なんか語呂も面白いしでたまたまその単語拾って。当時はDJ GENで活動してて、ある日作ったMIXの題名を「Doppelgenger Times」って名付けて、それ友達に配ってたら、ある人からDJ Doppelgengerでいいじゃんって話になって、じゃそれにしようっていう適当な流れだったんですけど。それであとで意味調べたら、うわー凄い意味だな…ってなって、けど既にその名を名乗ってるし、これはカルマなんだなって事で。それからずっとこのDJ名で活動してます。

—–ちなみに海外経験って遊びも含め結構あるんですか?

ヨーロッパはまだなんですけど、アメリカとアジアは色々フラフラしてましたね。

—–音を聴くと凄くアジアな匂いがしますよね?

やっぱり自分が好きな国がインドなんで。これまで3回行ってるし、インドの意味不明さってインドにしかないし、アジアの極みがあの国にはあると思います。

—–インドって言われてなんかピンと来ます。空気感が凄く近いかも。アメリカって感じは全然しないですね(笑)

アメリカ行ってむしろ衝撃を受けましたよ。同じDUBSTEPでもSkrillexの様なBrostepが全盛で、当時自分は知らないDUBSTEPが向こうでは大流行してて。『こんなにハイブリッドでうるさいのか』って感じで、それに比べて自分の音はディープな感じなんで全然向こうの人に理解して貰えなかったりで、かなり修行でしたね。2ヶ月アメリカ旅してたので、色々葛藤はありましたね。けど日本帰って安心したというか、やっぱ自分は自分でいいよなってとこに着地したんですけどね。

—–という事はアメリカでもDJをやってるんですね?

ニューヨークで数か所回して、後はバーニングマンフェスティバルでも回しました。

—–え!バーニングマンで?僕凄く行きたいイベントの一つなんですよ。実際どうでしたか?

いやー凄まじかったですよ。あるチームにくっ付いて行ったんですけど、仕込みに1週間で本番のパーティーが1週間の合計2週間の行程でして。
炎天下に晒され続けて真っ黒焦げでしたね。帰る頃には。

—–うわ。それはかなり長いですね。毎日バカ騒ぎな感じ?

いやそれが結構設営も大変だし皆真剣ですよ(笑)皆で役割分担してって感じで。空いた時間は勿論遊んでましたけどね。やっぱ世界最高峰、何かとビックリなパーティでしたよ。場所によってはデコの規模とか、宇宙船でも作るんですか?ぐらい本気でしたから。

—–実際DJはプレイ的にどうだったんですか?

とにかくブースが無数にあるんで、時間帯とかタイミングによりますね。偶然人が集まる時もあれば、全然いない時もあるし。その時々かな。 ただ音云々よりも、トータルしてとんでも無い時間だった事は確かですし、あの場所で自分のプレイをした事は良い経験でしたね。

—–やっぱりアメリカって派手でナンボじゃないですけど、インパクト勝負みたいな所があって(笑)

そうですね。ストーリー云々じゃなくて一曲毎に爆発していく感じですよね(笑)。けどそれってやっぱ国毎に違いってあるだろうし、ワールドクラスのDJってそういうさじ加減も解ってるんだろうなって、この経験から感じましたね。

—–数年前にCoachellaに行った時もまったりしたくなってそういうブース探したんですけど、無かったですね。どこもイケイケでアメリカっぽいですけど(笑)

それはそれで凄く勉強になりました。こんなざっくりでいいんだって(笑)それでアメリカで凄く象徴的だったのが、NYのどこか、自由の女神の近くに島があって。そこでBROSTEPのDJでBassnectarがメインアクトの1000人規模ぐらいのまあまあ大きなパーティーがあったんですね。その前座がなぜかPrefuse 73だったんですけどPrefuse 73が全然盛り上がってなくて。会場が割りとシーンとしてたんですね。それでBassnectarが始まった瞬間オーディエンスが『オオオオ!』ってなって。つまり、あのパーティの客には深みなんか無用だった訳で。とにかくラウドでアッパーな音を求めている人が集まってたんでしょうね。

アメリカは分りやすいなって改めて思いました(笑)

—–DJからしてみたらそこはもう仕方がないですよね。ジャンルを変えるわけにはいかないし。でも実際NYとかにもっとアンダーグラウンドなイベントとか無いもんなんですかね?

僕の知ってる限り一応あるにはあるんですけど、先のBROSTEP界隈に比べると規模は小さいですよ。けど、その中でGOTH TRADのレーベルのDEEP MEDi MUSIK周辺のアーティスト呼んだり、硬派にやってる良質なイベントも勿論ありましたよ。

—–アメリカはアメリカ!って感じでそれはそれで面白いですよね(笑)ちなみにインドでもDJは?

インドのムンバイのクラブで回しました。インドに行く前の旅の準備中にクラブ調べてメールしたら結構すんなりブッキングしてくれて。行ったら東京でいうUNITみたいな設備のめっちゃ良い箱で、フランスのバンドの前座でやりました。人もそこそこいて、インド人めっちゃ踊るんですよ(笑)

—–そうなんですか(笑)

こんな踊るとは思わなくて。結構ぶったまげましたね。
アンコールまでやってきましたよ。

—–どんな人種がいるんですか?

白人もいたりインド人だとやっぱりちょっと富裕層だったりするのかな。インドにはDUBSTEP自体皆無に等しくて、そんな環境でもヨーロッパとかのDUBSTEPをラジオで聴いたりしてチェックしてる奴らも居て、それでクラブのマンスリーに俺の名前とDUBSTEP from JAPANって書いてあるの見て、キッズが10人位で遊びに来てたり。多分彼らもクラブでDUBSTEP聴けたのが相当楽しかったんでしょうね。プレイ中もずっと騒いでたし、終わったら凄い話しかけられましたね。未だに彼らからFACEBOOKでメール来ますよ。次いつ来るんだ?って。

—–情報が少ない分やっぱり新しい音楽に飢えてるのかもしれないですね。

そうですね。でもインドってBollywood Musicってジャンルがあってそれはクオリティー高いし面白いですよ。いわゆる向こうのポップミュージックですね。

—–そうそう!インドカレー屋さんで前に物凄い独特なダンス音楽を聴いて店員に聞いたらそれがBollywood Musicでした!

結構DUBSTEP的なアプローチの曲もあったりで面白いんですよ。まあ、今風にいえばEDMみたいなアプローチですよね。何でもあり。しかし、どれ聴いてもインド感全開で(笑)。俗感バリバリなんですけど、インドが備え持つスピリチュアル感がどうにも隠せてなくて。結局下地がカレーだから、何乗っけてもカレー臭い感じなのが面白いですね。

—–それで国内でももちろんDJ活動はしてるわけですが、音源も出してますよね?

そうですね。1stと1stの時のリリースパーティーのライブ盤と日本人DUBSTEPのコンピレーションと今度が2ndです。

—–そのコンピは自分のレーベルから出してるんですか?

そうですね。日本各地をツアーで回ってると全然名前が知られてないけど凄い音を作ってるクリエーターやDJに知り合う機会があったりして。それで、各地で交換した曲とか集まってきて、それを発表したいなって思ったんですよね。その集大成が1st Ascensionです。

—–DJで音源出す人は色々いると思うんですけど、音は一から自分で創ってるんですか?

はい。基本macbook一つで作ってますね。ソフトはlogicです。
楽器が一切弾けないので、鍵盤も全部ピアノロールで置いていくみたいな。DTMをやるまでは、音階ってモノすら知らなくて(笑)

GOTH TRADに知り合った時に、DUBSTEPって言うのは自分達で音を作って交換してっていう話を聞いて。自分にも何か武器が無いと誰とも曲を交換出来ないって思って作り出しましたね。まあそれ以前に、曲を作るってのが面白かったというのもありますけどね。

—–と言う事は基本全部独学ですか?

ですね。作り始めた当初なんて、ベースってモノさえ何なのか分かって無くて(笑)その当初、作った音を人に聴いて貰ったら『なんでこれベース無いの?』って言われて『え?ベースって何?』ってそのレベルでしたからね。

—–まじっすか?(笑)曲中で何が鳴ってるかも分って無い状態ですね(笑)音楽の原始人的な(笑)

もう聴いたままなんとなくですね(笑)いやけど、DJとして音楽聴いてるだけの耳と、製作する耳って全く別物ですよ。特に知識の無かった自分からしたら。

それでいろんな人にアドバイスを貰ったりして勉強しましたね。最初の頃はもうめちゃくちゃに作ってましたから。無知だけど人に聞いて欲しいからいろんな人に音渡して、絶対『何なんだコイツは』って思われたと思います。

—–それ凄まじいですね(笑)

なので5〜6年前の自分とか本当にビックリする位無知で素人ですよ。作っては色々な人に聴いて貰って直してはの繰り返しでした。とにかく作りまくってました。

—–でもあれって完成ラインって難しくないですか?

きっと自分の耳のレベルの向上に寄ると思うんですね。あと知識も比例するかと。最初はざっくり作って、こんなもんでしょって完成させてクラブで鳴らしても良い音は鳴らない。なんでなんだろって考えて一つ一つの音にフォーカスしていって、色々勉強して、音を追求していって最終系に持っていくという感じですね。今もまだ、完全なる正解は解らないですし、多分これは一生到達しないものではないでしょうか。知れば知るほど、その先がまた出てくるもんですね。

—–やっぱり実際クラブで鳴らして微調整みたいなのは必要ですよね。

当初はもう微調整どころの話じゃないですよ(笑)もう何もかも違いすぎて、すべてがおかしいって。今でさえまだ模索してる事は多々あるし、良い音の概念も経験値増す毎にアップデートされていってますからね。尽きない話ですよ。毎回リハでその感触確かめて、自分なりの正解を手探りしてる感じです。
特に自分の曲ですから、既成の売ってる曲みたいに既に良い音が鳴る訳じゃないですからね。そこは人一倍慎重っていうか、いつも神経尖らせてますよ。

—–基本DJする時もほぼ自分の曲をPLAYしてるんですか?

ですね。今は自分の曲と仲間の曲を使ってます。
作り始めた当初はそんな持ち曲もないので、勿論その当時流行ってた曲とか好きな曲もプレイしてましたけど、だんだんそういうのは頼らず、自分の範疇の曲でっていう風になっていきました。

—–そういうDUBSTEP DJって結構います?要は自分で音を作ってそれをDJとしてPLAYする様な?

いや、あまりいないですね。けど自分はやっぱりオリジナルの音を作って尚且つミックスするっていう事に感化されたので。そこに嘘は無いと言うか、オリジナル思考ってやっぱ良いじゃないですか。誰にも真似出来ない、自分だけが持ってる曲で盛り上げるとか。それこそ本当の実力だって思えるし。そう思うと、GOTH TRADとの出会い無しでは、今こういうDJになってないと思いますね。

—–やっぱりGOTH TRAD氏の影響は大きいんですね。

そうですね。後はDJ KRUSHの影響も大きいです。

双方共にオリジナルの音で世界を言わしてきてますし、そういう人等と言葉を交わす機会があったのは、今となっては大きな糧になってます。

—–それでですね今回お聞きしたかった事の一つで、結構全国ツアーを回ってますよね?バンドでツアーを回るっていうのは良く聞く話なんですが、細かく各地を回るDJってあまり聞かないので色々とお聞きしたかったのですが。

初めて行ったツアーっていうのが2012年の時で。去年はツアーというよりは、ブッキングのスケジュールを組んでいったら結果的にツアーみたいになったって感じで。

—–そもそもツアーに行こうと思った理由みたいなのはあるんですか?

元々旅は凄く好きで知らない場所に行くだけでテンション上がりますからね。それで、DJを通じてツアーとかしてみたいなってずっと思い描いてたんですよね。ゲーム感覚って言ったらあれですけど、例えば大阪が繋がったら大阪の人にその周辺を紹介して貰って、その土地が繋がったらまた同じ様にしてドンドン広げていくような感覚ですね。そうやっていったら出来た、みたいな。バンドもそういう感じですよね?

—–パズルみたいな感じ。まずは週末を埋めていって、その合間をどう回るかみたいな感じで。どう点と点を繋ぐかみたいな。

結構同じ感覚かもしれないですね。

—–ただやっぱり平日が結構大変で。なかなか地元の対バンがいなかったり、組めてもお客さんが2人とかそんな日もあって(笑)

DJでもやっぱり基本平日は厳しいですよ。

—–確かに。平日のどこか地方都市でDJイベントとかちょっと想像がつかないですね(笑)でもツアーは苦労はたくさんあるけどなんだかんだ楽しいですよね?

ですね!年齢とか関係無くヤバイ人達に出会えますよね。ふとした瞬間にそういう凄い人達が現れて(笑)

—–その土地の仙人的なレジェンド的な(笑)基本一人で回るんですか?

バスとか電車を使って、基本一人で回ってます。隣の県とかだったら、車で送って貰ったり。そこは臨機応変に、なんとかしてきましたね。

—–ちなみにDUBSTEP自体がそこまで全国各地に普及してるわけでは無いと思うんですね。実際地方都市ではどんな感じなんですか?

やっぱり東京より更に認知度は低いと思いますね。ただその土地土地の箱のスタイルってあるし。純粋に音楽が好きで人が集まるバーだったりライブハウスみたいな所って、やっぱ探せばあるんですよね。そういう場所はやっぱり良いお客さん集まるし、しっかり音を聴いてくれますね。共演するDJはジャンル問わずと、そういう環境を渡り歩いているので、自分の音も自然とクロスオーバーするのかなとは思います。

—–あーなるほどね。DUBSTEPだけで固まってずっと活動するよりは色々な刺激になりますよね。

そうですね。例えば硬派にUK DUBSTEPだけをやって日本を回っても大して広がらないと思う。既存のスタイルで全国を回るなんて、そんな生易しくないですよ。だから、DUBSTEPを広げるって言うよりは自分を突き詰める事にフォーカスしてるのでクロスオーバーは必然というか、究極は音楽としてどうかっていう話になってくると思います。

—–意外と大都市よりも地方都市の方がいきなり人が集まる爆発力だったり、カッコいいアーティストが居たりしますよね。

意外な場所で素晴らしいシーンとかあったりしますよね。
全国各地、好きな場所は色々ありますね。
最近だと岐阜は凄く硬派で濃い街でした。

—–岐阜のどこ?

岐阜ANTSですね。

—–あー亀さんのところですね!って事はDub 4 Reason?

そうです。年末にANTSに誘って頂いて。その時はHEAVY MANNERSとDUB 4 REASONが出て。そのANTSは良かった。ハードコアで濃い人達がたくさん集まってきて、音も然り、デコとか物販とか、皆のクオリティが高いし、純粋にパーティも面白かったし。小さな街でああやってライブハウスを建ててローカル同士で表現できる環境を設けて、あれは一つの理想的な形ですね。

—–確かに!

俺はああいうのが世界レベルなんじゃないかなって思います。
ドメスティックの極みって、何処にも属さない完全オリジナルだと思うし。
他にも地方にそういう、その箇所だけでの盛り上がりを作ってる箱ってやっぱ面白いし、自分はそういう場所は重視してます。

—–亀さん率いるReason兄弟は最強ですよね(笑)

こんな人達がいるんだって純粋にビックリしました。ANTSも雰囲気や音も良いしあれを亀さんが作ったって尋常じゃないなって。スタジオも完備してるみたいだし、レコーディングも出来てライブも出来て。あのビル自体がもう理想郷ですよ。

—–ぶっ飛んでますよね(笑)東京や大きな都市じゃなくてもああやってシーンを作って発信をしっかり出来て、でもそれってツアーなどしないと繋がれないシーンだったりするからそれがツアーの醍醐味だったりしますよね。

結構一昨年や去年は東京じゃない外の遠い土地から誘われてDJをする事が多くて。外を知って中を知る感じで、やっぱり色々と見えたりはしますね。東京は東京で面白いとは思いますけど、例えば良質なパーティーが海外アーティストありきだったりで、それに付随する他のDJも割と毎回同じ様な感じだったりするので。常に豪華な感じなんですけど、その豪華さにマンネリするんですよね。贅沢な話ですけど。

そうじゃない新しいアプローチや可能性っていうのは、もっと外側にあるんじゃないかなっていうのは凄く感じてますね。純粋に音楽だけやってて、SNSもやってないようなストイックな人とか居ますからね。そういう出会いって都会より地方の方が多いですね。そうやって、外と中の循環って成長する上で凄い大事な事だと思います。

—–多分DUBSTEPからのアプローチで地方をしっかりと見てるアーティストも居ないと思うし色々チャンスとか可能性は有りそうですよね。

やっぱり日本が好きですからね。海外へ行けば行く程日本が好きだなって思いますしね。言葉が通じてご飯が美味しくて人も優しくて、日本最高です。

東京に比べると地方って日本の香りがたくさん残ってて。古い家屋だったり方言だったり。そういうものからまた日本を知るって事も多々あります。

—–ツアーって結構行き当たりばったり?

一応行程は組んでますけど、振り返ってみると『良く出来たなコレ』って自分でも思う事はあります(笑)。しかしまあ、そういう導きって面白いし、それこそツアーの醍醐味だったりしますしね。

北があまり行った事無くて、次のツアーでようやくオファー頂きました。仙台と北海道2箇所とやっと北に行けるので楽しみです。

—–今回のツアーについての情報を教えて貰えますか?

4月5日からスタートで今の所20箇所位決まってて、北は北海道から南は沖縄まで回りますね。ざっくりと全国巡ってきます。

—–それは4月9日にリリースされる2nd Album『Accept』のツアーですよね。最近音源をこうやってしっかりとリリースするDJも減っている様に思うんですけどこうして盤にするこだわりは何かあるんですか?

例えば今はフリーダウンロードとかでネット上ですぐに音源をまけるような時代で、レスポンスは凄く早いとは思うんですけど、それって”いいね”を押して一瞬で流れていってしまうというか。ずっと残っていかない。そこをより遠くに本気で伝えて行くっていうのはCDとか形にしないとって言うのはあります。手間暇かけて物にするって完成した時やっぱ嬉しいですしね。

—–今ってどのレーベルから出せば売れるとかそういうのって前に比べて少なくなって来てて、やろうと思えば個人で全然出来たりするから。結局は個々の力次第みたいなところはありますよね。

そうなんです。実際、国内のインディレーベルってアーティストが運営してる事が多い。そういう時代なんですよね。言うとおり個人の力次第で、そこに色々な可能性があると思うし。自分でリリースすれば、地方でプレイする事もやろうと思えば絶対に出来る事だと思うし。最初はお金にならなくても一歩踏み出して人と繋がっていかないと先が無いと思うし、本当にDJやりたいならやっぱ外行かないとラチあかないし。

要するにバイブスがあるかどうかなのかなって。

—–確かに!

今はネットで簡単に繋がれる時代だけど、それがネットの罠で。人と繋がった感じはするんだけど本当の意味で繋がれて無いから。

—–そうなんですよね。しっかりと会ってアナログで繋がって、その後にネットというデジタルで更に交流を深めるのがベストですよね。

ネットの恩恵も勿論ありますけど、それだけじゃ広がりには欠けますよね。やっぱその人と顔合わせて同じ時間を過ごさないと、本当の意味での繋がりには成りにくいし。仰る通り、アナログとデジタルの併用あってこそですね。

—–でも純粋にツアーって楽しいからもっとみんなに経験して貰いたいですよね。特に人との出会いはやっぱり刺激になるし、各土地のお侍さんと出会うのが楽しみみたいな(笑)

そうですよね。その土地ごとに重鎮はいるわけで。その出会いは貴重ですよね。
それに、シンドイ経験も後々思い返せば笑い話なんですよ。
場数こなせば確実に経験値になりますしね。音楽を通して自分が成長出来るなら、どんな事でもやってのけたいですね。

DJ Doppelgenger

—–そうやってDJとして旅をする真髄は何かありますか?

自分の世界観を伝えたいっていう自己表現がまずあって。そして好きな旅と自己表現とDJっていう、自分の中でそういう一つの輪が出来てます。良いDJが出来て評価されれば旅が出来るし、その為に曲作りにも身が入るし。その積み重ねが更なるステージに繋がっていくんですよ。

それで、色々回ってて思ったのが、結局一番何が重要かって、人間力なのかなって。人として面白くないと続かないっていうか。音楽を作るだけじゃ駄目で、というかそれは前提で、自分の人間性も磨かないと。もちろん現場でのDJプレイも大事だけど、終わって帰るまでが現場だから。そこまで各地の呼んでくれた人達と楽しい時間を共有して、貰った分、何かを残すって意識は常にありますね。結局人ありきですから。その人達を受け入れ、受け入れて貰うって事を成すには、やはり人間力が重要な部分ですよね。

—–僕は人間力って言葉が最近凄くキーワードで、今その言葉が出てきたのでビックリしました(笑)しかもそこまで考えてるDJってなかなか出会わないかも。

なんていうか、修行僧っていうか伝道師というか。そういう感覚はあるかもしれないですね。全国回るってやっぱ容易じゃないし、それ相応の人としての面白みだったり魅力だったり。意識して備わるものじゃないかもしれないですけど、そこって大事な部分だと思いますよ。至らないとこは正したいし、1年2年って周期で自分も然り、ある1つの地方が成長していったらお互い嬉しいし。

だからその土地土地で意見交わして向上に繋げていけたら幸いですよね。

この先もDJをずっと続けていくと心に決めてますし、その為に自分も各現場もレベルアップしていきたいから、やっぱスキルも精神も鍛える事は怠れないですよね。完璧は無いですけど、成長はしていきたい。

—–やっぱり旅をしてる人の感性は凄く共感出来ますね。色々違った人々や景色を見てますし。

基本旅をしてる時は助けて貰う立場じゃないですか。だから凄く毎回各地で各人には感謝するし、それに対してどう恩返しをするかって言ったら自分は音なりDJしか出来ないし。そこに付随して、上で言う人間力だったり、精神を磨く事もかかさず。各地の仲間とそういう循環はしっかりとしていきたいですね。

—–その音源のリリースが4月にあってツアーに行ってその後は?

その後は幾つかリリースの話も来てるのでそれを実現させる感じです。
まだ発表は出来ないんですけど、今年面白い事が出来そうです。

—–もっと先のちょっとした夢なんかはありますか?

とりあえず今のサイクルは続けて行きたいっていうのはあって。
それと全都道府県を回りたいとは思いますね。

—–DJで全都道府県回ったらインパクト有りますよね(笑)ちなみに現時点で何箇所?

県でいうと20チョイかな。

—–あ、でももう半分は行ってるんですね?

まだ半分もあるの?って感じですよ(笑)日本狭しとは言いますけど、結構広いですよ。

—–確かに(笑)

それと活動の幅はどんどん広げて行きたいですね。もちろん海外も含め、色々な現場で活動して行きたいです。生きてるからには、とことん自分を試したいですね。

—–ツアーも楽しみですね!気をつけて行って来て下さい!今日はありがとうございました!


Interviewd By Kenichi Kono

DJ Doppelgenger – New Album 『Accept』 Release

DJ Doppelgenger 2年の時を経て、待望の2nd Albumリリース決定!

全国各地のパーティーにてプレイを重ね、そして新たなる経験を元に生み出された今作は、DUBSTEPが主軸とする140BPMの可能性を最大限に模索した集大成である。

変拍子やテンポチェンジ等、数学的なタイムコードを把握した複雑な曲構成に加え、前作より更に洗練された自由度の高い楽曲群、そして継承されるサイケデリック感。ビートはより硬質に、そしてベースは更に増強された全てのトラックに、新たなる進化を感じるであろう。

Accept=受け入れる。論理に沿う事無く、自ずと辿り着いた境地を受け入れる事で達した新次元。
今ここで、日本クラブミュージック界に前人未到の問題作が投下された。

あらゆる既成概念をことごとく破壊し再構築された今作には、【DJ Doppelgenger】という確かな立ち位置が刻印されている。


DJ Doppelgenger - New Album 『Accept』 Release

DJ Doppelgenger
『Accept』
2014.04.09 Release

01.Flare
02.Holy Elefant
03.Flip Flap
04.Chakra Energy
05.Usmasa Sensation
06.After Life
07.Guidance
08.My Blood
09.Spiritual Experience
10.Accept

GRZCD003 ¥2,300(tax in)


DJ Doppelgeger / Accept


DJ Doppelgenger 2nd Album『Accept』CM



〜TOUR〜日程

2014/04/05 那覇 NEKKE2
2014/04/12 姫路 Fab Space
2014/04/14 岡山 Pepperland
2014/04/25 札幌 ACIDROOM
2014/05/02 長野 FAME
2014/05/03 名古屋 Kalakuta Disco
2014/05/04 周南 People
2014/05/05 広島 AGIT
2014/05/06 大阪 CIRCUS
2014/05/10 福岡 Dark Room
2014/05/17 渋谷 NEO
2014/05/23 富山 JUNGAL
2014/05/24 金沢 DJANGO
2014/05/30 仙台 Add
2014/06/06 伊豆 Jajah
2014/06/07 静岡 Rajishan
2014/06/08 東京 TBA
2014/06/14 千葉 RAVER’S CAFE
2014/06/21 沖縄 OTOBOLA 
2014/07/04 札幌 TBA
2014/07/05 函館 TBA
2014/07/19 小倉 Megahertz
2014/07/20 鳥取 DNA


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