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焼來肉ロックフェス @ 飯田文化会館(2015.09.19) – REPORT

[2015/12/13]

焼來肉ロックフェス @ 飯田文化会館(2015.09.19) – REPORT


中央自動車道を東京から名古屋方面へ進み諏訪湖の美しい景色を通過し少し経ったころ、高速道路と平行してそびえ立つ緑の山々に囲まれた梨園やりんご園や水田を中心とした田園風景が見えてくる。なんとなく見覚えのある風景やなんとなく聞き覚えのある地名。でも決してそこに足を踏み入れた事のない街。旅や移動の時に必ずそういう場所ってありますよね。きっとこの飯田市もその一つで、高速道路を走らせる車や新幹線のスピードで見える景色だけでは、その街の本質や空気感というもの決して分かりえない。その土地を訪れるのには何か理由やきっかけがいるのだ。そんな飯田市で精力的に活動する地元の人々や仲間が立ち上がり「地域に根付くロックフェスを!」
「南信州・飯田地域を沢山の方に知ってもらいたい!」という想いから今年2015年に新たなイベント”焼來肉ロックフェス”が開催されました。

そもそもなぜここ飯田で焼き肉?って思う方の為に補足をしておきましょう。実は、ここ飯田市は人口1万人当りの 焼肉店舗数が
日本一の「焼肉の街」なのです。要するに、街中にコンビニの店舗数以上に焼き肉屋さんが至る所にあり、食文化としてこの街では定着しているのですね。どおりで高速道路のインターを降り周辺をドライブしているとチェーン店だけではなくたくさんの”焼き肉”の看板を目にしたわけです。

詳しくはこちらを参照→http://www.yakifes.jp/iida-yakiniku/

東京から電車やバスや車で3時間~4時間。なかなか交通の便も良い方とは言えないこの街で、焼き肉+ロックというキーワードにより行われた地域密着型のフェスティバルは、会場が無料野外スペースと、肉にちなんで2,900円 で入場可能な屋内スペースの主に2つに分かれていて、入場無料の外のスペースでは、野外ライブとして普段はバンドセットで大音量でライブをするGOOD 4 NOTHINGやHAKAIHAYABUSAなどのバンドを中心に、飯田出身のシンガーソングライターのタテタカコや、セカイイチの岩崎慧などがアコースティックなライブを披露。無料で入れるスペースという事もあって、バンドのTシャツを着たロックが好きなキッズから小さな子供達やもう70歳近いお年寄りまで地元ならではの客層でほのぼのとした雰囲気に包まれていました。やはり普段バンド編成でライブをやっているアーティストの違った側面をこういう場所で観る事が出来るのは特別な気持ちになれますよね。ちょっと建物の裏へ回ると、地面に座る形でお客さんも実際に焼き肉を食べる事の出来る設備が整ったスペースが!お肉があればお肉をすぐに食べれるイベントって他にあります?(笑)なかなか面白い光景でした。

屋内では、朝一番でロックバンドを題材にしたあの人気漫画”BECK”の劇場版アニメ監督であります小林治氏の無料トークライブとアニメの上映。ロックな漫画と言えば”BECK”という位中高生を中心に人気を誇っている漫画なだけに、たくさんの人達が朝から入場待ち。小林氏本人も、他のバンドを観たりお肉を食べたりとイベントを自ら楽しんでいるのが印象的でした。

そう、このイベントのもう一つの特徴は、アーティストも楽しめるという事。お客さんが入ることの出来ない、いわゆる関係者エリアでは、鉄板とガスコンロが8つ用意され、そこで出演待ちの間や、ライブ終わりに鉄板を囲みお肉とお酒と共に仲間のアーティストや関係者と談笑。なんとお肉食べ放題!なので、代わる代わるアーティストが訪れ、普段食べる事の出来ない高級食材でもあるお肉の部位をモリモリと食べておりました。ただお酒を飲むだけじゃなくて、こうしてお肉を焼きながら弾む会話っていつも以上にリラックスして腹を割って話せたりしますよね。それと、率先してお肉を焼くのを仕切ったり、その人達の性格が見えてなんだか更にアーティストの素が見えた気がしました(笑)。

こうしてお肉を食べている間にも、RADIOTSやGOOD 4 NOTHINGやLAST ALLIANCEやBOMB FACTORYなどなかなか飯田では見る機会が少ないアーティストが、東京や大阪から集結しお肉で精をしっかりと付け屋内ステージで代わる代わるライブを披露。お肉を食べれば体に力が漲る。まさしくその通りで、外のアコースティックエリアとは全く対照的な熱気が会場内に漂っていました。肉汁がこう会場中に飛び散るようなね。

そしてイベントの大トリを勤めたのが、地元飯田出身のタテタカコ&足田メロウの野外ステージでのライブ。普段は飯田文化会館としてさまざまな催し物が行われてるこの建物の上部に、足田メロウの独特な映像作品が映し出され、タテタカコのピアノと歌声が夜空に美しく響き渡っていました。と、ライブも終わりに差し掛かった辺りで偶然にも花火が何発も何発も打ちあがり、夏の終わりとイベントの終わりを告げるような切なさと温かさが会場に残りイベントは大成功に終わりました。

最近のフェスの流れとして、こうして地元の活性化を目的とした動きが各地で見られるように思います。それぞれの土地の特徴や特産物などを利用し、そこにアーティストを迎える事で、外の地域からも人が集まりその街を知ってもらうきっかけになるわけです。この焼來肉ロックフェスも来年再来年と続ける事で、もっともっと飯田という街の良さを知って貰うと同時に、地元の方々に新たな刺激を与える事でありましょう。そしていよいよ2027年開業予定でリニアモーターカーが飯田にも開通!それまでに、しっかりとしたロックと焼き肉の基盤を作り、更なる人がこの土地を訪れる事を期待しております!


焼來肉ロックフェス
2015年9月19日 (土)
at 飯田人形劇場&会場前広場

【出演】
-LIVE-
GOOD 4 NOTHING
SECRET 7 LINE(出演キャンセル)
タテタカコ
THE CHINA WIFE MOTORS
HAKAIHAYABUSA
PINKLOOP
HOTSQUALL
BOMB FACTORY
RADIOTS
LAST ALLIANCE
岩崎 慧 (セカイイチ)
8T1ʼs (eight-tones / VIBEDRED)
ko-suke (THE CHARLOTS)
サトウリュースケ
亀濱 貴士
安斉龍介(LAST ALLIANCE)
SHINJI(SECRET 7 LINE)(出演キャンセル)
GAZZLELE

-総合MC-
LION HEAD

オープニングイベント (屋内/無料)
屋内LIVE (有料) / 屋外アコースティックLIVE (無料)
物販 / 飲食ブース / 焼肉エリア
9:00 ゲートオープン
9:30 オープニングイベント
11:15 LIVE (屋内・外 )
20:00 終演



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Text by Kenichi Kono

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