MiwaRock (Burlesque Dancer) MINORITY ISSUE
皆さんバーレスクダンスというSHOWを観た事がありますか?バーレスクダンサー”MiwaRock”。ステージ上を妖々しく歩き、時にキュートな色気で客席を誘惑。その豊かで華麗な動きや表情の一つ一つのヒントは、きっと彼女のLIFE STYLEに隠されているのではないだろうか?そんな彼女にお話を聞いてみました!
MiwaRock (Burlesque Dancer) インタヴュー
—–まずは知らない人も多いと思うのでバーレスクとは何かを教えて貰ってもいいですか?
簡単に言うと、なんだろ。チラリズムを楽しむ大人の娯楽ですね。元々は1920年代にヨーロッパの方で、コーラスガールが歌ってる際にメンバーの肩紐がちょっと取れちゃったんですけど、それを、あっ!って押さえたのがお客様にウケて。支配人かバンドメンバーか分からないですけど、これ面白いんじゃないか?ってなって始まったという説もあります。昔はサーカスの中とかでやったりキャバレーとかが多かったみたいで。根本的な所で風刺とかも入っていて、コメディーチックにやっててショウの大半をトークで盛り上げて最後の最後でしか脱がない人もいたりしたんです。
—–そうだったんですね。
全部脱いじゃうストリップが流行りだして、バーレスクは一回廃れたんですけど、90年代位からアメリカの方でネオバーレスクとして、ロカビリーとかロックンロールのシーンでやんちゃな女の子とかがライブで脱ぎ始めたりとかして注目を集め始め、そこからどんどんアメリカの有名なバーレスクのレジェンド的な人達がまた注目され始めてるって感じですね。マリリン・モンローのLIVEのパフォーマンスなんかも、実はバーレスクダンサーに実際にレッスンを受けたりしてまして。
—–なるほど。要するにネオバーレスクがいままた流行ってきてて、それに付随して昔のバーレスクも注目され始めてるわけですね?
うんうん。そうなんです。ラスベガスでも毎年コンペティションもやっていて。レジェンド オブ バーレスクの80歳になるような方とかも踊ってたりして。ベティ・ペイジとかと一緒にポートレートになっている赤毛の髪の長い女性がいるんですけど、彼女がテンペスト・ストームって言って、バーレスク界の女王で未だに80歳超えてもまだ現役でやってますね。
—–基本MIWAさんがやっているのは、脱ぐけど大事な局部は見せないっていうチラリズムを楽しむわけですね?
そうなんです。胸が小さいバーレスクダンサーさんとかもいるんですけど、大きく見えるように衣装を作って脱いでもチラッとしか見せないから本当の胸の大きさが分からないっていう(笑)。
—–結構日本人が好きなチラリズムですよね?
イマジネーションを掻き立てるパフォーマンスですね。
—–AVなんかも、日本の場合は乳首は見せますけど基本局部は出さないじゃないですか?見たいけど見れないみたいな(笑)。
いつか事故(ミスして)って見せちゃうんじゃないかみたいな(笑)。
—–もう3回見させて頂いたんですけど、女性のお客さんが物凄く多いですけど、何か理由があるんですかね?
う~ん、なんだろ?衣装が煌びやかだっていうのと、表現が下世話じゃない?っていうか下品じゃないっていうか。
—–あ~なるほど。結構アート的要素もあったりしますしね?ただ踊ればいいわけでもないし、服を脱げばいいわけじゃないですし、タイミングとか空気感が物凄く面白くて。若い子とかも出てましたけど、やはりまだまだ”間”っていうんですかね?焦らしが甘いというか(笑)。
まだ勉強中レベルなので、これからですね。
—–で、MIWAさんがパーン!と出てきたらやっぱり凄く華があって。溜めといい、焦らしといい、目線といい、どんどん見てるこっち側がドキドキしてしまうという。最高ですね。
ありがとうございます!
—–元々何をしていたんですか?
元々はクラブでGO GO ダンサーとかをやったりしていて。札幌出身なんですけど、レズビアンナイトでイメージガール的な事をやらないかって事で、女の子3人で組んで踊ったりしてたんですけど、東京に出て来てカナダ人の女の子にポールダンスを習ったんですね。それで、バーレスクって知ってる?って話になりまして。ディタフォンティースていうのは知ってたんですけど、その彼女のパフォーマンスがバーレスクなんだって事を知ってからどんどん掘り下げていって。で、ロカビリーとかロックンロールで踊ってるダンサーさんが海外にいて。これカッコいい!これなら私出来るって思って翌日からバーレスクダンサーになってました(笑)。
—–すごいですね(笑)。元々ロカビリーとかロックンロールは好きだったんですか?
うん。そういう音は大好きで。
—–という事は別々に好きだった物が混ざった感じなんですね?
そうなんです!
—–でもあまりヨーロッパの文化の匂いはしないですよね。アメリカの匂いがプンプンする。
そうですね、アメリカに渡ってネオバーレスクになったっぽいですね。
—–今はMIWAさんはネオバーレスクダンサーさんって事になるんですね?日本人ダンサーも多いのでしょうか?
そうですね。今日本でも代表的なダンサーさんでミス・キャバレッタ。とか、エロチカバンブーさんとかタマヨさんって方がいて。タマヨさんはネオバーレスクですね。エロチカバンブーさんはネオクラシカルな感じで伝統的な部分も持ったちゃんとしたバーレスクをする方です。
—–その方達は一緒のステージに立ったりはするんですか?
そうですね。一緒にイベントやったりとかはしますね。エロチカ・バンブーさんはまだご一緒したことはないのですが、キャバレッタさんは私がバーレスク始めたてのころから良くアドバイスいただいたりしていて、タマヨさんが主催で月1で開催されるバーレスクショーイベントにレギュラー出演させていただいてます。
—–なんか教室とかスクールもあるみたいですね?
タマヨさんなんかはスクール開いて主婦の方にも教えたりしてるので、脱ぎ要素も少なかったりしますね。最近バーレスクは脱ぐものなんだって事が浸透してきたので、これからちゃんとしたのも教えていくそうですね。
あと、不定期開催ですけど東京バーレスクアカデミーというエロチカ・バンブーさんが立ち上げたバーレスクレッスンもあります。エロチカさんはいまベルリン在住なので、キャバレッタさんが講師を引き継いで開催しています。こちらはペイスティのタッセル回しとか、本格的な技のレッスンなども教えてくれています。
—–二つあってもいいですよね。脱がないけど体験的な。
ただし、「私バーレスクダンサーです」って言うなよってゆー(笑)
—–結構衣裳って派手じゃないですか?あれは何かイメージとかあったりするんですか?
そうですね~。映画見たりして、マリリンモンローのこのシーンのこんな感じのイメージでここを短くして~とか、あとはシャンデリアみたいなのが欲しいとか?(笑)。
—–完全イメージですね(笑)。
そうですね(笑)。後は材料とかを買いに行って、途中でイメージが変わったりとか。
—–それは全部自分で作るんですか?この間のピンクのも?
だいたい自分で作っちゃいますね!
—–基本自分で縫って着てみたいな感じなんですね。
で、脱ぎやすいように既製の物をを改造したりとかやってます。結構細かい作業が好きなので。引きこもり(笑)。
—–まー自分に合った物が出来ますしね?
探すより作ってしまった方が早いかなって思って。日本で売ってるのは少しイメージと違うので。。
—–確かにオリジナル感もないですしね。それは自分以外でも提供したりもするんですか?
お蔭さまで最近は作って~って言って貰える様になって。
—–販売もしてるんですね。
そうですね。後、乳首に着けてるペイスティっていうのは、BabyDollTokyoっていうSMの衣装とか置いてるお店があるんですけど、そこに置いて貰ってますね。
—–え?あの乳首のもオリジナルなんですか?(笑)
オリジナルです(笑)。結構衣裳は皆自前で作ってる方が多いみたいですね。なかなか売っていないので。
—–でも、あの乳首のペイスティはなかなかバーレスク以外で需要もないんじゃないんですか?
でも、結構売れてるみたいですね。外人のダンサーさんとかが買っていったりするみたいですね。
—–そうだったんですね。話が少し変わりますけど、さっき、ロカビリーやロックンロールが好きって言ってましたが、音楽は結構聴きます?
なんでも聴きますね。小さい頃からマイケルジャクソンが好きだったりなのでソウル系も聴くし。あとは、聴かないの挙げた方が早いかな?JPOPはあまり聴かないですけど。。
—–ダンスって元々幼い頃からやってたんですか?
小さい頃はちょっとだけクラシックバレーを習って、私の家族が転勤族だったので、続けれなかったり、でもその転勤先でジャズダンスをやってみたりとか。
—–それでGOGOやったりポールダンスやったりで最終形がバーレスクなわけですね。でも、バーレスクってもっとダンスがあった上での表現というか、女優でなければいけなかったり、一つ一つの表情だったり。
ダンスとポージングを合わせた感じですね。お客さんを弄りながら(笑)。
—–MIWAさんからはなんともいえない昭和の香というか、キュンとする懐かしい部分と言うか。。。バランスが最高ですよね。昭和の良きアメリカ的な。
横須賀的なそっち系の。バター臭い感じだけどバターではないみたいな(笑)。
—–バター醤油というか(笑)。あの時代に生きていないですけど、こんなおかしな人いたんじゃないかな?みたいな(笑)。
アメリカ被れ的なね(笑)。私が目指す所はアメリカ兵が入って来た頃に、その人達を相手にしていた日本人みたいな(笑)。
—–まさしくそのイメージですね(笑)。
外国人に憧れて、髪染めちゃったみたいなね(笑)。
—–豹柄着て(笑)。
アバズレみたいな感じの(笑)。
—–ちなみにバーレスクに限らず、憧れの女性像というか、そういうアイコン的な存在っています?
やっぱりマリリン・モンローはカッコいいと思う。髪型一つとってもそれだけでアイコンになるし、彼女のスタイルは好きですね。それと、ベティー・ページ。この2人はやっぱり好きです。後は、60年代のブリジット・バルドー。彼女は可愛いと思う。やっぱり50年代60年代の女優さんとかは好きですね。最近の女優さんでもクラシカルな格好してる人は好きですね。映画のバーレスクのアギレラも可愛かった。
—–あの映画はどんな感じなんですか?
実際あの映画は正しくはバーレスクではなくて。最初バーレスクが映画化するって聴いて、あら!あのアギレラが脱ぐの?って思って。R指定なんじゃないの?って思ってドキドキしてたら、なんてことは無い。普通の楽しいハリウッド映画でしたね(笑)。私は嫌いじゃないし、むしろ好きな流れなので。内容が無い楽しい感じの。バーレスクダンサーからしてみたら、あれ?バーレスクって名前じゃなくても良かったのでは?みたいな(笑)。
—–でもあの映画でだいぶ名前はかなり浸透したと思うし、間違って捉えてる人もいるかもしれないですけどそこは後修正で(笑)。ちなみに他にそういう映画ってあります?
最近だとさすらいの女神(ディーバ)たちっていう映画があって。それはちゃんとしたバーレスクダンサーさん達を扱ったフランスの監督さんのロードムービー。
—–それは観ました?
うん。観ましたよ。それは本当にロードムービーなので大した事件も起こらず淡々としたフランス映画みたいな。
—–そういうの僕好きですね。
あれ?終わっちゃったみたいな(笑)。
—–なんだったんだろ?って(笑)。
後はキャバレーっていう映画は雰囲気的に近いのかな?
—–日本人女性でもいますか?映画とかでも。
カルメン故郷に帰るっていう昭和初期の映画があるんですけど。高峰秀子さんっていう女優さんがバーレスクダンサーの役で、カルメンって役でサーカス団じゃないですけど興業演劇みたいな所でバーレスクをやるっていう。この間亡くなってしまったのですがカッコいいですね。後は美空ひばりさんしか出てこないですね。
—–あ、でも分かります。美空ひばりさんが思い浮かびましたね。
私のお母さんが大好きですね。
—–今こういう流れでバーレスクが注目されてますけど、MIWAさん個人的にはもっと表に出て華やかなシーンになって欲しいか、もっとアンダーグランドでいたいかっていう部分で。。
そうですね~。どうしてもメジャー所になると規制が厳しくなってしまうので。グレーな部分がいいかもしれないですね(笑)。元々グレーって言えばグレーな世界なのでバーレスクって。後はDITAのような存在が日本にもいてくれたら、個々のバーレスクダンサーのギャラも上がると思うし。やっぱり私はバーレスクに関わった部分で生活していきたいので、シーンが上がってくれれば可能性は増えていきますよね。
—–ある程度ピラミッドの様にシーンが出来てくればいいですよね。憧れ的な存在になれば。
後、最近の若い子は細い子ばかりじゃないですか?もう少し肉付いてても可愛いいんだよ?っていうのは女の子に分かってほしいかな。テレビもそうだし、みんな細い子ばかりだし。直ぐ太ってるからって叩かれたり、痩せていってしまう。
—–確かにぽっちゃり美人はテレビにあまりいませんね。ぼっちゃりというかムッチリというんですかね。
そうそう。バーレスクダンサーは割と肉付いてる子多いので。だから肉付いてても可愛いんですよ。表現出来るんですよっていうのも見せたいですね。
—–今はダンサーをしながらアパレルの方も手伝ってるんですよね?
川村カオリさんのブランドの”ROYAL PUSSY”のお手伝いしてますね。
あと、PinUpLoverという50年代のピンナップガールやバーレスクダンサーをイメージしたブランドをプロデュースしています。
—–特にデザインとかをしてるわけではないんですか?
ROYAL PUSSYではほんとにお手伝い程度です。川村カオリさんは憧れの人の1人ですので、関わらせていただけて嬉しいです。
PinUpLoverはアイコン兼デザイナー的な。
—–そうなんですね。創作活動が好きなんですね?
基本黙って作業してるのが好き。人生の6割ずっと何かしてて後の4割を遊ぶっていう(笑)。
—–なんか家で猫を撫でてるイメージなんですけど(笑)。
お腹空いた~って?(笑)
—–なんか何もしてないイメージですね(笑)。
でも確かに物作ってる以外は本当に何もしてないかもしれないですね。部屋とか誰か掃除してくれないかなー?みたいなね(笑)。
—–生きてる事を確認するには何か作っていないとダメなんですね?
踊ってるか作ってるかみたいな。か、酒飲んでるか(笑)。
—–(笑)。元々世界発信ではじまったこういうバーレスクっていう文化なんですけど、こうして日本に入ってきて、やはり海外で踊りたいとかはありますか?
やりたいですね~。
—–まだないんですか?
あ、一回台湾で、ミス・キャバレッタが台湾ツアーをするっていう時について行って、無理やり踊らせて貰った事はありますね(笑)。
—–どうでしたか?
楽しかったですね~。しかも台湾人主催ではなくて、台湾に住んでるイギリス人の方が主催だったので客層も割と欧米人が多くて、やっぱり彼らの方がバーレスクの楽しみ方を知ってるので、歓声のあげ方なんかも違って、やってる側も凄く気分が良いという。
—–割と日本での場合は、凄く静かに皆さん観てますよね?
シャイだからどう反応していいか分からないのかな~。男子にも照れないで観て欲しいですね。
—–ああいう例えばロカビリーなどのライブの現場でお酒が入ってると、盛り上がり過ぎてストリップと勘違いしてしまうお客さんとかいるんじゃないんですか?
意外にないんですよ!意外にみんな優しい感じです。たまに、飲み屋さんで営業的な事する時があるんですけど、そんな時はおじさんとかが脱げー!なんて言われますけど、黙れ~って軽くあしらってますね(笑)。もう一万って(笑)。
—–色々な場所でやったら必ずそれなりの反応ってあると思うんですけど、どこでやりたいっていうのはありますか?
やっぱりバーレスクの本場でラスベガスでやりたいですね。年に1回やってるミスエキゾチックワールドっていうコンペティションがあるんですけど、それに今年から応募して、今年はダメだったので、来年またがんばって。あと、ビバ・ラスベガスでもコンペティションがあって。それはロカビリーのイベントで、四日間位ホテルを貸し切ってやってるイベントがあって。それもバーレスクコンテストがあって。そっちにも応募して、どっちか出れればって。
—–それは楽しみですね!
今年はよく一緒のイベントで踊ってるバイオレット・エバさんっていう方がいるんですけど、2008年そのラスベガスで新人賞を貰ってって、今年も出るっていうのでくっついて行こうかなって思ってます。
—–来年出場出来たらいいですね!
スタッフに今年顔覚えて貰って、顔パスで(笑)。
—–よろしく!って言って(笑)。
そこの欄に名前書いといて!って(笑)。
—–全然いけそうですけどね!
でも今やっぱりバーレスクも流行ってきて本気のダンサーさんが増えてるみたいなので、競争率は正直高いですね。
—–期待しておりますので!がんばってくださいね!今日はありがとうございました!
ありがとうございました~!
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