RUDE GALLERY 13TH ANNIVERSARY PARTY 『BLACK RUDE NIGHT』 REPORT
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“音の匂い”がする服作りをモットーとしたアパレルブランド”RUDE GALLERY”が先日、13周年記念PARTYを恵比寿のリキッドルームで開催した。
13回目に開催するあたりがさすがはロックをイメージとしたブランド。
更にはその夜はドレスコードがALL BLACK。久しぶりのドレスコードという事もあり、取材で会場入りした僕自身も、先日ライブ会場で買ったばかりの”CRYSTAL CASTLES”のお気に入りTシャツをこの日の為に初着用。下は黒のジーンズ上は黒のジャケットに黒の帽子に身を纏い、いざ会場へ。自分自身着飾り、思いっきりカッコウ付けてイベントに遊びに行ったのは久しぶりだった為、いつもは慣れてるはずのイベント会場への道ノリもなんだか物凄く気分が弾んでいました。
会場に到着したのが1バンド目が始まる前のDJタイムにも関わらず、ここに来る道中、きっと僕と同じ様な気持ちであったであろう全身黒に身を包んだ最高にかっこう付けた大人達が、既にお酒を片手に体を揺らし談笑。
そのバックで流れていた”Janis Joplin”をかけていたが今回のゲストDJ”村上純”氏。JanisからBob Dylanへ。“音の匂い”がする服作りというのがなんだか妙に納得出来た瞬間でした。
そして今夜のMCを担当するのはマツコDX?(本人談)いえいえ、MTVの最強MC”BOO”氏。
相変わらずの絶妙なトークと貫録ある風貌で会場を和ませる。
そんな和やかな雰囲気の中登場したのが1バンド目の”MO’SOME TONEBENDER”。
ドラムのリズムで劇的に始まった彼らのライブは、パンクでロックンロールでエレクトロなロックでグイグイと人々を惹きつけ、時に大胆なディレイを多様に扱い会場中を飛ばしまくる。特に6曲目、会場のお客さんが光の棒を持って振りエレクトロパレードの様に光の残像を多用した”24 hours fighting people”はエレクトロな要素とロックな要素のバランスが絶妙で幻想的。
真剣かつ冗談にも見えるコミカルなダンスと真っすぐなワンコードを多用した骨のあるロック。見ごたえ十分でした。
そしてJAZZYな曲を中心とした村上氏のDJ。
その中でもLily Allenの”Fuck You”は物凄く意外で思わず顔がニヤけてしまいましたね。僕自身大好きな曲ですから。
続いて登場したのが”a flood of circle”。
『新宿は歌舞伎町からロックンロールしに来たぜ!』という彼らはグランジでガレージで渋いロックンロールなステージを披露。
とにかくギターの音が物凄くベーシック過ぎるかっこ良さで、そのギターの音に乗って投げ捨て語り吐きかけるボーカル”佐々木亮介”の言葉がフロアーに突き刺さっていた。今回彼らのライブを始めて見たのですが、小さなライブハウスでどんなテンションで演奏してるか想像出来るような、物凄く良い意味で”暑苦しい”テンションのステージは圧巻でした。
まだ2バンドしか終わっていないのに、もう後1バンドしか残っていないというこの何とも言えない満足感。
何十バンドと出演するイベントがたくさん存在する中、今回RUDE GALLEYは3バンドという少ないバンド数で攻めた。
シンプルな構成且つ、ブランドとの関わりの純度が高いアーティスト達。そしてその最後に登場したアーティストが、昨年の自身のツアー”VISON”のファイナルat武道館でもRUDE GALLEYとのダブルネームアイテムをコラボレーションした”The Birthday”。
スネアの連打で勢い良く始まった”泥棒サンタ天国”。
会場にいた全ての黒に身を包んだ”ワルい”大人達が、彼らのライブを見ようと子供の様により近くへよりステージの見える方へ移動していたのが印象的だった。
『夢の様な時間が来たのさ。。。』の歌い出しで始まる2曲目は最高に8ビートが”イカシタ”ロックンロールで、そのリズム合わせて跳ねまわるフロアー。硬派で老舗なロックでいて、それと同時に派手で楽しく踊ってしまうこのパーティー感。男子だったら必ず一度は憧れを持つんじゃないかな?むしろ持たなかったら男子じゃない!って言い切れるこのカッコ良さは、やっぱりアーティストの持つ生き様だったり経験だったりがバイブスとなりステージ上での説得力を増す。
アンコールを含む10曲はあっという間でしたが、この心が満たされた感は音が鳴り止んでもずっと続いていました。
ブランドが持ち伝えたいイメージと理想は、着用する人が増えれば増える程ブレて薄れていく事が多々ある。しかしこの夜、RUDE GALLERYは一歩も譲らなかった。敢えて黒というドレスコードで、一見統一させた様にみせかけて、これはあくまでも彼らのほんの遊び心。なぜなら、白を着用していこうがピンクを着ようが、誰もがこの夜彼らの思う黒色に染められていたからである。それ位内容に隙がなかったpaint it blackされた会場は、長く着古された革ジャンの様にまどろっこしく、どんなに褪せて褪せて褪せても、寄り濃く深く純粋な擦り切れたロックなブレない黒に染まっていた。
そして、彼らなりのエイトビートがまた15年20年後、この先もずっと刻まれて、その黒とそのリズムを街で感じた時、その都度とこの会場にいた人々はRUDE GALLERYをイメージするはずである。
RUDE GALLERYの持つ“音の匂い”のイメージと理想は、また今夜黒く塗り重ねられたのである。
Photo by YUKI SHIMBO
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