CULTURE.ART.MUSIC.LOCAL.EGO = SCENE

筋肉少女帯 「ザ・シサ」リリース・ツアーファイナル @ 東京・マイナビBLITZ赤坂(2018.12.09) ~ REPORT~

[2018/12/12]

筋肉少女帯 「ザ・シサ」リリース・ツアーファイナル@ 東京・マイナビBLITZ赤坂(2018.12.09) ~ REPORT~

筋肉少女帯「ザ・シサ」リリース・ツアーファイナル赤坂で示したメジャーデビュー30年の境地。来年6月の中野サンプラザも決定!

12月9日、メジャーデビュー30周年イヤーに突入中の筋肉少女帯が、東京・マイナビBLITZ赤坂にて〈メジャーデビュー30周年記念オリジナルNew Album「ザ・シサ」リリース・ツアー〉の最終夜をド派手に締め括った。

10月31日にリリースされた最新アルバム『ザ・シサ』は、頭から尻尾まで筋少らしさ全開の名盤。このタイトルに掲げられた「シサ」は、同じ対象でも見る位置の違いでまったく異なるものに映るという“視差”を意味するのだという。11月より東名阪で繰り広げられた本ツアーの最終地・赤坂も当然のようにソールドアウト。満杯の場内でキラキラと輝く観客の表情が印象的だった。なお、本公演の模様はニコ生で生中継された。

SE「セレブレーション」が高らかに鳴ると、大きな拍手と声援に迎えられて、大槻ケンヂ(Vo)、橘高文彦(G)、本城聡章(G)、内田雄一郎(B)が登場し、配置につく。この日の1発目は大槻ケンヂも出演の映画「緊急検証!THE MOVIE ネッシーvsノストラダムスvsユリ・ ゲラー」の主題歌になっており個性的なMVも話題となった「オカルト」。中東風のエキゾチックなフレーズと物語性豊かな歌詞が溶け合ったこの名曲を合図に、オーディエンスの気分は高まってゆく。続く「暴いておやりよドルバッキー」で、フロアの熱気は最高潮に上昇。この冒頭の流れだけで、今夜の楽しさは保証されたようなものである。

「赤坂ウェンブリー・スタジアム!」と映画『ボヘミアン・ラプソディ』になぞらえて観客を扇動する大槻。彼のMCは今宵も健在で、次々と披露されるおもしろエピソードや時事ネタの数々に、この場にいる人は皆、ニコニコしっぱなしだ。特に、大槻がフレディ・マーキュリーばりに「デ~オ!」と観衆とのコール・アンド・レスポンスを楽しむ姿が爆笑を生んでいた。最新作『ザ・シサ』から、ファンキーな「I,頭屋
」、緻密な構築美の「衝撃のアウトサイダー・アート」、どこか甘酸っぱい気持ちになる「ネクスト・ジェネレーション」が奏でられると、フロアからは惜しみない拍手が送られる。

大人の男のムードたっぷりの「マリリン・モンロー・リターンズ」、メンバー4人の掛け合いも楽しい疾走曲「ゾンビリバー~Row your boat」に続き、必殺の「イワンのばか」が炸裂すると、ショウの中盤にして、すでにお腹いっぱい。この満足感こそが筋少の醍醐味だ。新旧の楽曲が程よく調和し、彼らの30年の活動の重みが伝わってくる。

本編も中盤へと差し掛かると、筋少のライヴ史上初の光景が目の前に広がった。ステージ後方のスクリーンを使って、先頃実施された〈筋肉少女帯メジャーデビュー30周年記念!投票企画~あなたの好きな筋少楽曲に清き1票をお願いします~〉の結果発表が行われたのだ。ここではまず、アンケート結果の第10位から第5位までが2曲ずつ発表されるという趣向。曲名がスクリーンに現れるたびに、感嘆や共感の声がフロア
のあちこちから上がるのが興味深い。

このサプライズ的な演出を開始するにあたって、大槻がワンコーラスのみ口ずさんだレア曲「人間のバラード」も印象的だった。ワンフレーズだけの披露とはいえ、筋少の30年の歩みを想い、感傷に浸った観客も多いことだろう。第6位「夜歩く」の発表から導かれた「夜歩くプラネタリウム人間」のインストゥルメンタル・ヴァージョンも、内田の「この曲をコーラスしてくれた久保田安紀さんに捧げます」の一言と相まって、情感たっぷりの仕上がり。ここから「なぜ人を殺しちゃいけないのだろうか?」「宇宙の法則」と続いたブロックは、ミステリアスでポップで哀愁漂う筋少の魅力を堪能できる時間帯だった。30年のさまざまな出来事を振り返るとともに、これか
ら先のことを想うロマンティックな空気が場内を支配していた。

本編もいよいよ終盤へ。ここで再び“スクリーン様”が降臨し、2019年6月30日、東京・中野サンプラザホールでの30周年記念イヤーを締めくくるファイナル公演の開催が告知される。喜びを爆発させるオーディエンスたちに向けて、先ほどの投票企画のベスト4が1曲ずつ発表されていく。個性豊かな筋少の楽曲群のなかから選ばれた第4位は「サーチライト」、第3位は「釈迦」、第2位は「機械」、そして栄えある第1位は「サンフランシスコ」だった。この発表と同時にイントロのドラムが鳴り響き、華やかな「サンフランシスコ」に突入。続いて「バトル野郎~100万人の兄貴~」「再殺部隊」「釈迦」といった攻撃的チューンで畳みかけると、悲鳴にも似た歓声とヘッド・バンギングがフロアじゅうに広がっていく。圧巻の華麗な光景で本編は幕を閉じた。

まだまだ帰路につきたくないオーディエンスの熱いアンコールに応えて、筋肉少女帯の面々が再びステージに姿を現す。まずは『ザ・シサ』より「パララックスの視差」が披露されると、プログレッシヴな楽曲構成と大槻の描く歌詞世界に観客は放心状態。続いて、筋少特有のダークなきらめきが詰まった「機械」がオーディエンスを陶酔させると、ラストは妖美なアンセム「ディオネア・フューチャー」が咲き乱れる。この曲が着地点に至ると、SE「セレブレーションの視差」の流れる場内には、身も心も吸い尽くされたような観衆の笑顔が広がっていた。

筋肉少女帯メジャーデビュー30周年記念の名盤『ザ・シサ』は、この先も、筋少と彼らを見守る人々を鮮やかに照らしていくことだろう。ロックの歴史のなかでも、これほどまでにユニークで中毒性の高いバンドはあまり見られない。奇抜な着想を次々と実現していくメンバーの技量に感嘆するとともに、常にファンの心に寄り添ってくれる優しさを改めて感じたライヴだった。30周年イヤー真っ只中にして、ますます絶好調。来年6月30日の中野サンプラザホール公演までに、さまざまな企画も考えられている模様。今後も他の誰にも真似できない歴史を描き、何世代にもわたってオーディエンスを虜にしてほしい。


筋肉少女帯 「ザ・シサ」リリース・ツアーファイナル@ 東京・マイナビBLITZ赤坂(2018.12.09) ~ REPORT~筋肉少女帯 「ザ・シサ」リリース・ツアーファイナル@ 東京・マイナビBLITZ赤坂(2018.12.09) ~ REPORT~筋肉少女帯 「ザ・シサ」リリース・ツアーファイナル@ 東京・マイナビBLITZ赤坂(2018.12.09) ~ REPORT~筋肉少女帯 「ザ・シサ」リリース・ツアーファイナル@ 東京・マイナビBLITZ赤坂(2018.12.09) ~ REPORT~筋肉少女帯 「ザ・シサ」リリース・ツアーファイナル@ 東京・マイナビBLITZ赤坂(2018.12.09) ~ REPORT~筋肉少女帯 「ザ・シサ」リリース・ツアーファイナル@ 東京・マイナビBLITZ赤坂(2018.12.09) ~ REPORT~筋肉少女帯 「ザ・シサ」リリース・ツアーファイナル@ 東京・マイナビBLITZ赤坂(2018.12.09) ~ REPORT~筋肉少女帯 「ザ・シサ」リリース・ツアーファイナル@ 東京・マイナビBLITZ赤坂(2018.12.09) ~ REPORT~筋肉少女帯 「ザ・シサ」リリース・ツアーファイナル@ 東京・マイナビBLITZ赤坂(2018.12.09) ~ REPORT~筋肉少女帯 「ザ・シサ」リリース・ツアーファイナル@ 東京・マイナビBLITZ赤坂(2018.12.09) ~ REPORT~筋肉少女帯 「ザ・シサ」リリース・ツアーファイナル@ 東京・マイナビBLITZ赤坂(2018.12.09) ~ REPORT~


2018年12月9日(日)東京・マイナビBLITZ赤坂公演
〈メジャーデビュー30周年記念オリジナルNew Album「ザ・シサ」リリース・ツアー〉
-セットリスト-

01. オカルト
02. 暴いておやりよドルバッキー
03. I,頭屋
04. 衝撃のアウトサイダー・アート
05. ネクスト・ジェネレーション
06. マリリン・モンロー・リターンズ
07. ゾンビリバー~Row your boat
08. イワンのばか
09. 人間のバラード
10. 夜歩くプラネタリウム人間(Istrumental)
11. なぜ人を殺しちゃいけないのだろうか?
12. 宇宙の法則
13. サンフランシスコ
14. バトル野郎~100万人の兄貴~
15. 再殺部隊
16. 釈迦
EN
01. パララックスの視差
02. 機械
03. ディオネア・フューチャー


【筋肉少女帯メジャーデビュー30周年記念!投票企画 ~あなたの好きな筋少楽曲に清き1票をお願いします~ 結果発表ベスト10】
01位 サンフランシスコ
02位 機械
03位 釈迦
04位 サーチライト
05位 僕の歌を総て君にやる
06位 夜歩く
07位 再殺部隊
08位 いくじなし
09位 詩人オウムの世界
10位 くるくる少女


TEXT BY 志村つくね
PHOTO BY 齋藤明


ライブ情報

【筋肉少女帯ライブ情報】
2018年12月23日(日・祝)
東京・恵比寿 LIQUIDROOM

2019年6月30日(日)
東京・中野サンプラザホール


【大槻ケンヂライブ情報】
大槻ケンヂミステリ文庫 2019年ツアー決定!
2019年01月13日(日)
大阪・Music Club JANUS

2019年01月14日(祝・月)
岡山・Desperado

2019年01月25日(金)
名古屋・ELL(Electric Lady Land)

2019年02月6日(水)
東京・duo MUSIC EXCHANGE

※2月6日 ゲストにNARASAKI 氏(COALTAR OF THE DEEPERS・特撮)出演決定!

<Tour Member>
Vo.大槻ケンヂ、G.友森昭一、B. 高橋竜、Dr. 長谷川浩二、Key. おおくぼ けい


リリース情報

筋肉少女帯 メジャーデビュー30周年記念オリジナルNew Album『ザ・シサ』

■初回限定盤A(CD+BD)TKCA-74724 ¥5,400(税込)

[収録曲]
01. セレブレーション
02. I,頭屋
03. 衝撃のアウトサイダー・アート
04. オカルト
05. ゾンビリバー ~ Row your boat
06. なぜ人を殺しちゃいけないのだろうか?
07. 宇宙の法則
08. マリリン・モンロー・リターンズ
09. ケンヂのズンドコ節

10. ネクスト・ジェネレーション
11. セレブレーションの視差
12. パララックスの視差
BD:「筋少動画02」
[月光蟲レコーディング風景や、MV撮影時のオフショット、さらには移動時やステージ
裏でのシーン満載のライヴ映像など“レア映像流しっぱなし!90年代の記録”を収録] ・大槻ケンヂによる「筋少動画02」ライナーノーツ封入
・トレーディングカード1枚封入 *全10種のうち1種ランダム

■初回限定盤B(CD+DVD)TKCA-74725 ¥4,860(税込)
CD:初回限定盤Aと同一内容
DVD:初回限定盤Aと同一内容
・大槻ケンヂによる「筋少動画02」ライナーノーツ封入
・トレーディングカード1枚封入 *全10種のうち1種ランダム

■通常盤(CD) TKCA-74726 ¥3,240(税込)
CD:初回限定盤Aと同一内容
・トレーディングカード1枚封入 *全10種のうち1種ランダム


大槻ケンヂ 新プロジェクト「大槻ケンヂミステリ文庫」(略称:オケミス)
ライブレコーディングアルバム『アウトサイダー・アート』

2018年12月5日(水)発売 TKCA-74739 ¥3,240(税込)

ファンキーでジャジーでブルージーなオーケンの超世界観
大槻ケンヂ新プロジェクト、略称 オケミス オワリカラ、髙橋 竜 プロデュースによ
るライブレコーディングアルバム

<収録曲>
01.探偵はBARにいてGHOSTはブレインにいる
02.退行催眠の夢
03.オーケンファイト
04.ぽえむ
05.去り時
06.美老人
07.スポンティニアス・コンバッション
08.タカトビ
09.奇妙に過ぎるケース
10.企画物AVの女


MORE INFORMATION

筋肉少女帯オフィシャルサイト
http://eplus.jp/king-show

徳間ジャパンコミュニケーションズ 筋肉少女帯 INFORMATION
http://www.tkma.co.jp/j_pop/King-Show/

徳間ジャパンコミュニケーションズ 大槻ケンヂミステリ文庫 INFORMATION
http://www.tkma.co.jp/jpop_top/okemys.html

緊急検証!THE MOVIE ネッシーvsノストラダムスvsユリ・ゲラー オフィシャルサイト
https://www.fami-geki.com/kinkyu/themovie/


Posted in ALL ENTRY, RECOMMEND, REPORT, 筋肉少女帯 |