山崎由紀子「崩壊する絵画」curated by Kotaro Hosono – 2020年10月16日(金)~11月1日(日)at OIL by 美術手帖
OIL by 美術手帖ギャラリーにて、デジタル由来の素材をコラージュし、ペインティング作品へと昇華する画家、山崎由紀子の個展を10月16日(金)~11月1日(日)に開催。
このたび「OIL by 美術手帖」ギャラリーでは、10月16日(金)~11月1日(日)にかけて、1988年生まれの画家、山崎由紀子の個展「崩壊する絵画」を開催いたします。 京都出身の山崎は、学生時代にイラストレーター・デザイナーのヒロ杉山のもとでデザインを学び、現在は東京を拠点に作品を発表しています。
山崎はデジタルネイティブとアナログ世代の間に生まれ、ガラケー、スマートフォン、ロースペックなPC、そしてMacBookとあらゆるデジタルガジェットの進化、それに伴う情報取集におけるスピードの変化を体感した世代の作家です。
山崎の制作プロセスは、PCで画像を検索することから始まります。 彼女はPCやスマホで集めた画像をコンピュータ上で再構築し、それをペインティングという形で作品に落とし込みます。 すなわち、彼女の作品の中に描かれているモチーフは必ずどこかに存在するもの、もしくはデジタルの世界の中で見つけることのできるものです。 そんな既視感を抱かせる平面的な世界はいわゆる“センス”(物事の微妙な感じや機微を感じとる能力判断力、感覚)によって再構築されたビジュアルであり情報でもあります。
その過程で集められる画像や動画、GIFは、時代とともに刻一刻と変化し、彼女のモチーフは、ファッション、音楽、アニメーションなどのサブカルチャーから政治的な要素まで様々です。 山崎は、三次元の世界から二次元のフラットな世界へ、その年代の象徴を閉じ込めていきます。 現代人の日常風景とも言えるスクリーンの中の景色。 それを山崎は切り貼りし作品を制作しているのです。
本展では、BAF STUDIO TOKYOディレクターの細野晃太朗がキュレーションを行い、新作のペインティングやプリント作品を発表します。 山崎がその独自のセンスを使い、今という時代を切り出した唯一無二の表現をぜひ会場でご覧ください。
山崎由紀子「崩壊する絵画」curated by Kotaro Hosono
【日程】
2020年10月16日(金)~11月1日(日)
会期中無休
開場時間 11:00~21:00
【料金】
観覧料無料
【会場】
OIL by 美術手帖
(東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコ2階)
http://oil-gallery.bijutsutecho.com
【作品販売について】
本展出品作品の販売は、渋谷パルコ2F店舗「OIL by 美術手帖」では10月16日(金)11:00から、ECサイト「OIL by 美術手帖」(oil.bijutsutecho.com)では10月17日(土)16:00からとなります。
私の作品はPhotoshop上で一度デジタルコラージュを作り、それをキャンバスにペイントして描きあげるというプロセスを踏んでいます。 でも、今より少し昔はネットからではなく、雑誌やチラシ広告といった印刷物などから素材を集めることが多くありました。
それが徐々にネットの流れの速度も変わってきて、⾝の回りの印刷物よりも、よりコンビニエンスで膨大な資料が見つかる手軽さから、自然とネット上から素材を集めるようになりました。 しかし、SNSなどに流れる画像を集めていると、時代感やトレンドがなんとなく自然と混ざりこんでくる部分があり、今はそういう部分も興味深く感じながら作品を作っています。 今回の展示もまた、今の時代の空気をはらんだものになるのではないかと思っています。
山崎さんの作品は彼女が学生の頃からずーっと見てきた、かれこれ10年以上。
山崎さんの絵の中には見慣れた風景、人物、静物等がごくあたり前のように写実的に描かれている。 モチーフは具象であるにもかかわらず、その絵は見ていると抽象絵画を見せられているような錯覚に陥る。 それぞれのモチーフが絡み合い、そのモチーフが持つ意味をお互いが打ち消し合い、意味を無くし壊れていく絵画。
その関係性を見つけようと、必死に左脳が回転するが、時既に遅し、彼女の絵の迷路に吸い込まれ、思考はストップさせられる。 そして壊れた絵画は右脳に語りかけ始める。
「意味など考えずに感じなさ」いと。 ここ数年彼女の「壊れていく絵画」は、加速度をまして走り続けている。 これからが更に楽しみなアーチストである。 彼女の絵をもっと見たい。
そして、彼女の迷路の中で思考をストップさせられたい。
〔アーティスト〕山崎由紀子 Yukiko Yamasaki
1988年京都府生まれ。 京都造形芸術大学卒業。 東京都在住。 主な展覧会に、2017年「グラビア」(タンバリンギャラリー、東京)、19年「PAINT(ing)COMPLEX」(トーキョーカルチャートbyビームス、東京)、20年「NEWEN」(BAF STUDIO TOKYO、東京)など。
〔キュレーター〕細野晃太朗 Kotaro Hosono
1986年東京都生まれ。 日本大学芸術学部卒業後、2013年、半蔵門にオルタナティブスペース「ANAGRA」を創立。 東京のアンダーグラウンドカルチャーに根ざしながら「生活の中の選択肢にアートを取り入れること」をモットーに、音楽からアート、そしてファッションをクロスオーバーさせた企画を展開。 手がけたエキシビションは100を超え、カルチャーからコンテンポラリーアートまで幅広いフィールドで活躍するアーティストを数多く輩出。 Supremeとのコラボレーションが記憶に新しいオートモアイや、SIDE COREのDIEGO、FELIPE PANTONEなど国内外のアーティストを発掘した。 現在はBAF STUDIO TOKYOのディレクターを務める。
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