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小津 航/表 良樹/増田 将大 グループ展「Anthropocene」2020年1月20日(月)~2月24日(月) at 銀座 蔦屋書店 アートウォールギャラリー

[2020/01/13]

小津 航/表 良樹/増田 将大  グループ展「Anthropocene」2020年1月20日(月)~2月24日(月) at  銀座 蔦屋書店 アートウォールギャラリー

日本の現代アートシーンで活躍する気鋭アーティストによるグループ展「Anthropocene」1月20日(月)から開催。

日本の現代アートシーンで活躍する気鋭アーティストによるグループ展となる本展では。 共に90年代生まれの3名のアーティストに焦点を当て、彼らの新作とこれまでの作品をご紹介します。
本展の出展作家は、小津 航、表 良樹、増田将大の3名。 彼らは現在、茨城県取手市に構えた共同アトリエ「スタジオ航大」で制作を行っています。

東洋的絵画空間を再考しながら絵画とモチーフの関係を模索し、アトリエの床に置かれたリンゴを油彩で描く小津 航。
日用品の容器内に様々な色彩の樹脂を流し込み、何層にも積層させた樹脂の塊を落下させ破壊することで、色鮮やかな断面を露わにし、その破片を空間に配置した作品を制作する表 良樹。
撮影した風景の画層を同じ場所に投影し、それをまた撮影するという行為を繰り返すことで生まれたイメージを、シルクスクリーンによってキャンバスに刷り重ねた重層的な作品を制作する増田将大。

それぞれ表現方法の異なる3名の多様な作品群を一堂に展示した本展では、日常に存在する見慣れた事物、事象、風景を、アーティストの独特の視点により可視化した作品を通じて、現代の私たちを取り巻く環境や時代を見ることができます。
本展のタイトルとなるAnthropocene(アントロポセン)は、日本語の「人新世(じんしんせい)」を表す地質学の用語であり、「人類の時代」という意味をもつ新たな地質年代の新造語です。
地質学において、地層のできた順序を研究する学問である「層序学」による地質年代区分では、現在は「新生代第四紀完新世」の時代とされていますが、その完新世が終わり、新たな地質時代区分とされるのが、Anthropocene/人新世です。
地質学の見地から「新たな時代」を意味するAnthropoceneと、文化(アート)の新たな時代という意味を重ね合わせ、「現代」という時代の表層を、3名のアーティストの作品を通じて提案します。


小津 航/表 良樹/増田 将大 グループ展
「Anthropocene」(アントロポセン)

【日程】
2020年1月20日(月)~2月24日(月)
10:00 ~ 22:30

【出展作家】
小津 航 / Wataru OZU
表 良樹/Yoshiki OMOTE
増田 将大/Masahiro MASUDA

【会場】
銀座 蔦屋書店 アートウォールギャラリー(スターバックス前展示スペース)
東京都中央区銀座6丁目10-1 GINZA SIX 6F

【ウェブサイト】
https://store.tsite.jp/ginza/blog/art/12083-1021420106.html


小津 航 / Wataru OZU

クラーナハの「ルクレティア」、シャルダンの「赤エイ」など美術史上の西洋絵画や、歌川広重の浮世絵などを参照してドローイングを描き、自身が描いたドローイングそのものをモチーフとした油彩画や、下層の白を透過させて描写をするフランドル絵画から着想を得て、地塗りをせずに油を引いたキャンバスの透けた状態を利用した絵画作品を制作してきた小津 航。
昨今、小津が制作を続けている静物画は、机の上にモチーフを組むのではなく、アトリエの床に置いたベニヤ板の上にリンゴを配置し、それらをモチーフとした油彩画です。 モチーフのリンゴを机ではなく床に置くことで、キャンバス内の「上部と下部」を「遠景と近景」とした東洋的絵画空間を再考しながら絵画とモチーフの関係を模索しています。 モチーフとなるリンゴは、普段から見慣れた果物であり、近代日本の静物画において頻繁にモチーフとして使用され描き続けられているイメージとしてのモチーフとして描かれています。

Orion 2019 Oil on Canvas H1170×W1170×D25mm

Orion 2019 Oil on Canvas H1170×W1170×D25mm


表 良樹/Yoshiki OMOTE

表 良樹は、大きな運動や成り立ちを、日常的なスケールに転換させる作品群をこれまでに制作してきました。 地殻変動や大気など、生活者の視点では捉えづらいより大きな周辺の現象を、彫刻作品などに投影し、身体的に実感し得るものとして提示しています。
例えば「Tectonics」では、プラスチック製の日用品の内部に、様々な色相のポリエステル製樹脂を流し込み、攪拌させ、それを積層させた後、落下などの衝撃を与えて断面を露わにさせることで作品を完成させています。 彫刻作品といえば、通常は表面の形状や様相で造形を判断されるものですが、表の作品は、内側の造形に至るまでの過程や時間をも織り込んでおり、固有の広がりを内在させています。 メディウムとしては人工物であるプラスチックを起用しつつも、その造形は自然現象にプロセスの多くを委ねることで、人工物と自然現象をないまぜにしながら、鑑賞者の身体性に訴えうる作品と言えます。

Tectonics 2015 ポリエステル樹脂、 油絵の具、 ウレタン塗料 可変

Tectonics 2015 ポリエステル樹脂、 油絵の具、 ウレタン塗料 可変


増田 将大/Masahiro MASUDA

増田将大の作品は、対象となる何気ない風景を撮影し、その画像をプロジェクターで同じ場所に投影。 再び同じ視点で撮影するというプロセスを複数回くり返し、さらにそれをキャンバスの上にシルクスクリーンで刷ることで、多数の図像と絵の具の重なり、掠れを孕んだイメージを映し出します。
増田は、幼少期に鑑賞した SF やホラー映画での体験を下地に、現実と虚構を画面に定着させ、時間を視覚化した作品を生みだしてきました。 我々の生きている時間は、一瞬一瞬が連続する映画フィルムのように連なり、形づくっているのではと想起しています。
このカメラとプロジェクターを用いたイメージの重なりとズレは、絶対的な一つの視点など存在せず複数の客体が存在し、多くの瞳に多様な写り方をするように、一つのイメージもまた複数存在していることを示唆しています。

Interval of time#14 2017 Silkscreen Acrylic, Canvas, and Wood Panel  H1400×W2332×D50 mm

Interval of time#14 2017 Silkscreen Acrylic, Canvas, and Wood Panel  H1400×W2332×D50 mm


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