朝霧JAM 2018 @ 富士山麓 朝霧アリーナ・ふもとっぱら(2018.10.06,07) ~ REPORT~
雨にも負けず、風にも負けず、夏のような暑さにも負けず…
ほとばしる雨と吹き荒れる風、濃霧も混じる中で開催された初日。対照的に強い日差しと高い気温、絶景とも言える富士山の周りを踊るように取り囲む雲を眺めながら過ごした2日目。
今年の朝霧JAMは台風25号の接近に伴う中で開催が危ぶまれる形相もあった。開催まで一週間を切った月曜日から金曜日までの間になんどもなんども週末の天気予報と台風の進路予想を確認するというのが完全に日課となり、その動向に一喜一憂するというほど、不安定な予報が続いていた。結果的に台風は北にそれていき無事に開催される事になったのだが、自然の脅威と晴れ晴れしさの両方を存分に感じる事ができた。この時期はどうしても台風が多くなるし、雨も多くなるから、なんだかんだ毎年同じような感じで騒いでいるような気もするけど、もはやそれも含めての朝霧なんだと思う。
ライブの方は、NHK- Eテレでお馴染みのムジカ・ピッコリーノ「ベルカント号の仲間たち」のライブで幕が開ける。様々なカバー曲なども披露し、親子連れも多く訪れる朝霧JAMならではの老若男女が楽しめるステージを披露したかと思えば、一際雨が強さを増す夕暮れ時には「BOREDOMS」が怒涛のパフォーマンスで会場中を沸かす。その裏では新鋭アーティストの「CHAI」が多くの注目を集めていた。その他、「BIGYUKI」や「GOGO PENGUIN」など国内外のネオ・ソウルとも言えるジャズトリオも会場に溶け込むとともに個性を浮かび上がらせていた。
朝霧JAMのライナップはその年ならではの傾向は若干あるものの、毎年実に多彩なジャンルをバランス良く、新旧かつ良質なアーティストのみがラインナップされるので、正直音疲れする事はほぼないし、キャンプフェスという特性上ほぼみんながテントなどのなんらかの基地を持っているので、肉体的な疲労もそれほど感じない。会場内移動に伴う渋滞やトイレの行列といったストレスも皆無。およそ5分程で行き来ができるRAINBOW STAGEとMOON SHINE STAGEというふたつのステージ。その奥にもキャンプサイトエリアが広がり、最奥にはCARNIVAL STARという小さなテントながら独特な盛り上がりをみせるDJブースが良い空気感を醸し出している。さらに、出店ブースには、飲食、雑貨、服飾などをはじめ、移動式図書館やワークショップなども繰り広げられるていた。さらにペット同伴Okなので、小さいながらもドックパークも完備。コンパクトの中に様々なアクティビティ、そしてなにより富士のたもとという事での自然の恵み、飲料水なども水道の水をそのまま使用することができるなど抜群の環境、その居心地の良さは実に癖になる。
今年は例年以上に風が強かった事もあり、初日のヘッドライナー「YO LA TENGO」のライブが終わると、会場内アナウンスで『テントのペグをもう一度確認ししっかり打ち付けてください』というアナウンスが流れるなど危機意識を持ちつつ、夜中はたしかに風が強くバッサバッサとテントが音を立てていたけど、幸い大事に至ることはなかったようだ。そして台風一過のおかげで、朝霧名物「夜中の寒さ」が無かったというのも怪我の功名であった。
2日目の朝は快晴の中、絶景とも言える富士山を眺めながら昨夜の雨で濡れた衣服などを乾かす事からスタート。強い日差しにあっという間に乾き快調に一日が幕を開ける。周りから漂う朝食の香りと何気ない会話が平和を実感させてくれると共に、広大なエリアでのラジオ体操で全身の血流を促し、ライブは「本門寺重須孝行太鼓保存会」の躍動感あるパフォーマンスで熱量は高まって行く。
この日も多岐にわたるアーティストがそれぞれの個性を光らせる中、MOON SHINE STAGEではタイのREGGAE、SKAシーンのオリジネイター「GA-PI」や、LAをベースに活動する新世代ビートメーカー「KNXWLEDGE」、南カリフォリニアのレジェンド「J.ROCC」といったDJ達も我の強さと心地よい音を響かせていた。
この環境下でこの天気でこの音楽。踊ろうが陶酔しようが、心地よさしか感じない。
ソフトクリームを買うために並ぶ列だけが、異常な長さを見せていたのはご愛嬌。ソフトクリーム大人気でしたね。
そして、日差しがより一層強くなる時間帯、RAINBOW STAGEでは「never young beach」が衆望の高さを示し、「mabanua」が洒落た音楽で会場を彩る。「SNAIL MAIL」はディスクユニオンのTシャツに身を包み、物憂ないで立ちでオルタナティヴに妖艶に存在感を魅せた。さらに、夕暮れに差し掛かる頃には「clammbon」が繊細かつ温かい世界観で柔らかい雰囲気を作り出していた。
夕方になると会場内は徐々にテントも畳まれ、帰り支度を整える者も多く現れる。それぞれお目当てのアーティストは異なっているのと思うが、やはり最後のヘッドライナー「JOHN BUTLER TRIO +」を万全の状態で観たいと思うのが多くの真意。そのサウンドにはすべての感情が凝縮されているような、プレイ面での視覚、バンドとしてのグルーヴ、激しさの中にうるささはなく、ストレスを受けない聴覚。スっと脳が受け入れていく感覚はこの環境、この時間など様々な状況もプラスに働いたと思うけど、本当に類稀なるものであった。
『朝霧JAM 2018』天候面での心配は色々あったけど、それも含めてやっぱり良い気分にさせてくれるフェスである。外で飲むお酒や日差しを浴びてのうたた寝、たわいもない会話やいつもより少し多めに歩く事、荷造りや移動も含めアウトドアがより好きになる動機、きっかけとなり、素晴らしい環境下で良質な音楽を身体に注ぎ込む。日本の誇り、みんなの心のふるさと『富士山』の存在も僕らの気持ちを清々しい方向に導いてくれる。帰りの荷物を運ぶ駐車場までの道のりで脳裏をフラッシュバックする様々な場面の中で、純粋なる想いとして、また来年この場所でこの情景を見てみたいと深厚に想うのであった。
『It’s a beautiful day~Camp in 朝霧JAM 2018』
【日程】
2018年10月6日(土)~ 7日(日)
【出演アーティスト】
BIGYUKI
BOREDOMS
CHAI
clammbon
GA-PI
GOGO PENGUIN
本門寺重須孝行太鼓保存会
J.ROCC (DISCO/HOUSE SET)
Jay Daniel
JOHN BUTLER TRIO +
KENTA MAENO
KID FRESINO
KNXWLEDGE
mabanua
mouse on the keys
ムジカ・ピッコリーノ
NAO KAWAMURA
never young beach
SAKURA FUJIWARA
SNAIL MAIL
Tempalay
TENNYSON
YO LA TENGO
YOUR SONG IS GOOD
【会場】
富士山麓 朝霧アリーナ・ふもとっぱら
【主催】
朝霧Jam実行委員会
【特別協力】
朝霧高原地域の皆様、笑顔と元気のおもてなし・朝霧JAMS’、朝霧Jam連絡会議
【企画・制作】
SMASH、HOT STUFF PROMOTIO
【URL】
・朝霧JAM オフィシャルサイト
http://asagirijam.jp
・Twitter
https://twitter.com/asagirijam
・Instagram
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・facebook
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朝霧JAM 2018 LIVE PHOTO
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