BASSEKOU KOUYATE & NGONI BA @ FUJI ROCK FESTIVAL ’13 LIVE REPORT
Profile of |FUJI ROCK FESTIVAL|
BASSEKOU KOUYATE & NGONI BA
2013年7月27日(土) @ FUJI ROCK FESTIVAL ’13
2日目のメインのBjorkも終わり夜遊び取材のBOYZ NOISEで大満足し疲れがピークな頃、実はもう一つ取材申請しているのを忘れていまして、その事にホテルに戻り気が付いたわけです。昨年たどり着く事の出来なかった”PYRAMID GARDEN” というキャンプサイト利用者限定のエリアが実はメインエリアとは真逆にありまして、キャンドルアーティストのCandle JUNEプロデュースによるスペースとしてひっそりと存在するわけです。昨年も取材に失敗しているしなんとしてでも辿り着こうと、疲れた体にムチを打って向かったわけです。
そんなに大きくない空間に、照明という器具の変わりにキャンドルが立てられ、端の方では火を囲みお酒を片手に静かに人々が雑談。たくさんのキャンドルに囲まれたのがステージ。人口100人にも満たないであろうこの村は癒しの空間安息の地としてひっそりと存在していたわけです。
想像を絶する奇跡的で神秘的な光景に僕もカメラマンも幻か、はたまた夢の中の村に辿り着いたかの様に恍惚となり、少しでも行くのを躊躇った自分がなんだか恥ずかしく思いつつ、むしろ頑張って来た自分へのご褒美にも思えて、ただただキャンドルに囲まれたステージを魔法にかかった様に見つめていると今回のお目当て”BASSEKOU KOUYATE & NGONI BA”の演奏が始まった。
アフリカはマリ出身のアーティスト”BASSEKOU KOUYATE”が率いるのが彼のバンド”NGONI BA”。アフリカ特有の太鼓や民族楽器を用いたリズミカルでファンキーで時に静かでムーディーな演奏をバックに女性シンガーがこれまた神掛かった美しい声で歌い上げる。野生的なリズムと歌から発せられる空気の震えがステージを囲むキャンドルの灯を揺らし、彼らの情熱を帯びた純粋で汚れの無い音に、ある村人はじっとステージを見つめ、ある村人は音に身を任せ踊り、ある村人はお酒を片手に動き回る。小さな太鼓の乱れ打ちに少し涼しかった村の温度は更に上昇し、今まで観た事もない光景と聴いた事も無い音に、ただただ体も心も吸い込まれていくのでした。
失礼な話、正直何一つ期待していなかっただけにこのPYRAMID GARDENでは想像以上の癒しの時間と空間を体験させて頂きました。このタイミングとこのシチュエーションとこの音と全てが完璧過ぎて、そしてこのフジロックフェスティバルの奥の深さに感嘆すると共に、このBASSEKOU KOUYATE & NGONI BAが今回の裏ベストアクトだったと確信しています。ベストアクトというよりはベストモメントと言うべきであろうか。最高の数時間でした。もちろんここで癒され元気になった我々はこの後、朝までフジの夜を堪能。もしかしたらこのPYRAMID GARDENは存在しなかったのかもしれないっていう位なんだかぼやけていて、移動遊園地という物を体験したらきっとこんな感じなんだろうなって思いながら朝を迎えました。冒険の癒しに是非この村を探し出してみてください。また違ったフジロックフェスティバルの一面が見れる事をお約束します。
photo by kenji nishida
Posted in ALL ENTRY, FUJI ROCK FESTIVAL, REPORT, 西田 憲司 |