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Calm presents K.F. – NEW EP “Dawn EP” Release

[2012/05/22]
Calm presents K.F.  – NEW EP “Dawn EP”

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アナログ盤への強いこだわり by Calm

時代がどうなろうとも、いまだにアナログ盤への強いこだわりを持っている。家で聴く音楽も、DJのときもほとんどをアナログ盤でプレイしている。そんな自分がアナログ盤をリリースしなければ話にならない。

利益など顧みず、今回もアナログをカットします。
今回チャレンジしたのはハーフスピードカッティングという技術。
アメリカのMobile Fidelity Sound Labというレーベルの専売特許となっている手法で、オリジナルのアナログマスターテープから半分のスピードで再生された音を半分のスピードでカッティングする技術。(詳しくは彼らの技術の説明を探してください。)このレーベルからリカットされるアナログ盤と発売当時のオリジナル盤を聴き比べるととてつもなく大きな違いを感じる。Pink Floyd “Dark Side of the Moon”のワイド感や、Led Zeppelin “2”でのまるでスタジオで聴いてるかのような臨場感は、オリジナル盤では体験することが出来なかった素晴らしさだ。ハーフスピードカッティングの利点としてはワイドレンジ、そして左右の分離感、そして濃密な程の密度感等がある。それはスタジオでミックスダウンされたときの音とほぼ同じ音が聴こえるということだ。

アナログ盤はCD等に比べて、盤になってみないと最終的な音がわからないと言われるほどマスタリングやカッティングが難しい世界だ。カッティングエンジニアは仕上がる音を予想して音作りをしていく。だからこそ技術と耳を要求される。そんなハーフスピードカッティングを自らの理論で実践するヨーロッパでただ一人のエンジニアを紹介してもらった。それがメトロポリスのマイルスさん。

出来上がってきたアセテート盤を聴いて思ったことはずばり「家で最終ミックスした音と全く同じ音がする」ということだった。今までは楽器のバランスやレンジ感の違い、密度感が薄くなっていたり、高域がきつくなっていたり、また逆に薄くなっていたりと、オリジナルのマスター通りのカッティングに上がってくることはなかった。アナログのカッティングとはそういうものだと思っていたからこそ今回のカッティングは驚きだし、改めてハーフスピードカッティングの素晴らしさを感じとることができた。本人以外はオリジナルがいったいどういった音だったのかを聴き比べすることができないから、この話がどこまで伝わるかはわからないが、とにかく自分のキャリアの中で一番納得がいくカッティングになっていることは間違いない。レコード会社や、ときにはアーティスト本人でさえ軽視しがちであるCDのマスタリング、アナログのカッティングの重要性を改めて思い知らされ、とても良い勉強になりました。

今後の音作りのハードルが益々上がりましたが、目指すべき目標を持てたことに感謝します。
次は前よりもっと良く、更に良くをこれからも実践していきます。


Calm presents K.F. – NEW EP “Dawn EP”

12 inch Analog EP “Dawn EP”
(2012年5月31日 Release / Label: Music Conception)

収録曲
A : Keep on Drivin’
AA : Fly Like A Bird – Come Fly With Me?
品番:MUCO12-029
価格:¥1,800(税込)

試聴リンク先
http://bit.ly/JuepMU


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