CD HATA × KOYAS × idealsolution『Synthesizer Gnosticism』Release Party (2019.12.01) @ 代官山Débris – REPORT
地球のとある国で新たな元号で迎える最初の師走。その喧騒からひととき抜け出すように訪れた秘密基地、代官山Débrisでの宇宙体験。
日本を代表するジャムバンドDachamboのシンセサイザー担当=CD HATAと、プロデューサー/アーティストのKOYASによる、東京を拠点に活動するエレクトロニック・デュオによるニューアルバム『Synthesizer Gnosticism』のリリースパーティーが2019/12/1(日) 代官山Débrisで行われた。ゲストDJにMAKI AKAGI (akg+/99FLAGS/KOMA)、Yoshitaka Shirakura (Konvektion / Conflux)、さらにVJのidealsolusionが映像、照明を駆使して作り出すビジュアルにより奇想的空間が創出された。
今作のコンセプトは地球から宇宙へーー時代と空間を超えた旅のBGM。
宇宙…。その存在をはじめて意識したのはいつだろうか? たった2文字のこの言葉が持つ、壮大かつ独創性にこの日関わったすべての者が、イマジネーションを膨らませ、高揚し、困惑し、混迷しながらも踊らされた。
空想も交えた漠然とした宇宙。掻き立てる想像は宇宙船、宇宙飛行士という具体性のあるものから、これまでに知り得た知識と情報で想像する宇宙空間、大気圏から月、太陽、星、ブラックホールからの帰還を示すかのように音楽が放物を描く。
そして、正解も不正解も答えという概念すらも存在しないスピリチュアルなうごめき。その場所もその一歩先も遥か彼方先も内も外も宇宙である。その存在は偶発的なのか計画的なのか。自由なようで最も不自由なのかもしれない。最も遠いようで最も身近な存在。そこに神はいるのか民はいるのか、花や草木は満ち足りているのか、想像を超える中でこの音は届いているのか。アクションもリアクションもなく閃きと呼吸は限りなく美化されているのかも知れない。
それでも何度も何度も宇宙とは?
という疑問に向き合い、拗らせながら考えることは、見えないものにも意識が研ぎ澄まされ、感受性が磨かれるとても有意義な企てだと思う。それは何かを得るとか、何かを掴むとかではないのかも知れない。例え苦悩や解決できない難題に突き当たろうとも解釈は自己解決、なんなら解決する必要すらないのである。この音楽はどこから来てどこに行くのか? とことんまでに圧倒的自己解釈で突き詰めた、己の宇宙を自らの五感と指先で操る形相はしなやかで美しい。
左右後方、色鮮やかに煌めく閃光はイルミネーションのように視覚を幻惑し、時間軸は果てから果てまで追いかけて、迫られて、明と暗の隙間のようなところから、静と動の狭間のような浮遊感を漂いながら、鉄くずが掻き集まり形成されたような聖なる鐘の音が響き渡る。それは音世界だからこそ実現できる放物感。物理や化学や生物では図れない音楽の中にある宇宙を見た気がする。
確かに存在する謎多きこの『宇宙』というテーマは抽象的な無限の制限だと思う。その中でこの日、各々が魅せた誰に制御されることもない感性は人間が持つ個性と魅力を浮き彫りに、音楽が発する魔力と物語を見事に着想していた。
『Synthesizer Gnosticism Release Party』
supported by COCALERO.Jp
【日程】
2019年12月1日 (日)
Open/Start : 18:00
【出演】
-LIVE-
CD HATA × KOYAS (psymatics)
-VJ-
idealsolusion
-DJ-
MAKI AKAGI (akg+/99FLAGS/KOMA)
Yoshitaka Shirakura (Konvektion / Conflux)
【会場】
代官山Débris
(東京都渋谷区代官山町11−12 B1)
https://debrispace.com/
CD HATA × KOYAS × idealsolution『Synthesizer Gnosticism』Release Party 【PHOTO REPORT】(全60枚)
https://pic.a-files.jp/cdhata-koyas20191201
リリース情報
CD HATAxKOYAS
『Synthesizer Gnosticism』
2019.11.29 Release
01 Harmonize the Frequencies
02 Sea of Modulation
03 Slip Through Space Debris
04 Cosmic Oscillation
05 Parallel Dimension
06 Attack Jaldabaoth
Cat No. PSYM-014
Format Digital
Release Date 2019.11.29
Artwork 〼meL-Hen
Recorded at Débris
Mix&Mastering KOYAS at KOYAS Studio
©&℗ 2019 psymatics ALL RIGHTS RESERVED
CD HATA x KOYAS x idealsolution – Harmonize the Frequencies (MV)
CD HATAxKOYAS
日本を代表するジャムバンドDachamboのシンセサイザー担当=CD HATAと、プロデューサー/アーティストのKOYASによる、東京を拠点に活動するエレクトロニック・デュオ。
彼らはジャムバンドならではの即興感覚を確かな技術で支える、行きあたりバッチリを信条とする。シンセサイザーやリズムマシン・エフェクターなどを楽器屋のように並べ、そのスタイルは現場に合わてアンビエントからテクノまでジャンルを横断する。
CD HATAは10代の頃からバンドマンであったが、Dachamboの他にテクノDJとしての顔も持つ。彼は各地でバンドのツアーやパーティーでのDJを精力的にこなしながら、レコーディングなども行い、止まることを知らない活動を続けている。
KOYASもバンドからDJカルチャーに入り、現在では作曲・エンジニアリング・レーベル運営など、定義不能なまでに幅広い活動をしている。彼は音楽制作ソフトウェア=Ableton Liveの認定トレーナーでもあり、「子育てと音楽の両立」など記事のライターや、音楽制作者向けのイベント制作や登壇など、音楽カルチャー全般の活動を行っている。
この2人が数々のプロジェクトで活動を共にしているうちに、自然とセッションユニットとして合流した。
現在では東京のAbletonユーザーグループ=Ableton Meetup Tokyoもオーガナイズしている。
彼らは2014年には人力ミックスCDのようにその場のフィーリングで作品を創り出したフルアルバム「Play Off the Cuff Vol.1」をリリースし、FUJI ROCK FESTIVALに出演。2018年8月には録音したセッションを再構築し、よりフロア仕様に進化させたEP「Machineries」をリリースした。2019年11月には、近未来の宇宙への冒険を描いた「Synthesizer Gnosticism」をリリース。
CD HATA
https://cdhata.wixsite.com/cdhata
KOYAS
https://koyaspro.com
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