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ELVIS COSTELLO AND THE IMPOSTERS@FUJI ROCK FESTIVAL ’12 LIVE REPORT

[2012/08/28]

ELVIS COSTELLO AND THE IMPOSTERS@FUJI ROCK FESTIVAL ’12 LIVE REPORT

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ELVIS COSTELLO AND THE IMPOSTERS@FUJI ROCK FESTIVAL ’12

ELVIS COSTELLO AND THE IMPOSTERS
2012年7月29日(日) @ FUJI ROCK FESTIVAL ’12

エルヴィス・コステロ 偉大なる真実。
時にパンクというものが単なるファッションではないという事を証明し、時にルーツへの尊敬と幅広い音楽性、オリジナリティ溢れる世界観でいくつもの快作を世に送り出してきた。過去にはポール・マッカートニー、バート・バカラック、ニックロウなどといったアーティストとのコラボレーションの他、ザ・ポーグスやスペシャルズといったバンドのプロデューサーとしても充実した存在感を示してきた。
彼の説明や功績を書いていくとあまりにも多種、多才すぎて収まりがつかなくなってしまうのでこの辺にしておくが、とにかく絶対忘れてはならない重要人物なのである。

今回のフジロックはGREEN STAGEの最終ヘッドライナーとなるRADIOHEADの前というタイムテーブル。この辺りの時間になるとRADIOHEAD待ちともいえる人たちも実際多くいただろうし、チケットはソールドアウトし会場内はフジロック史上最高の動員数を記録しているという情報がお客さんの間にも徐々に拡がりはじめていた影響があったのかは解からないがGREEN STAGEから人が動かない。ものすごい渋滞と後方まで続く人の波が果てしなかった・・・。

そんな事はお構いなしとばかりに威風堂々と御大コステロ登場。
リズミカルで軽快なドラムのタム回しから挨拶替わりのLipstick VogueでライブはスタートしRadio, RadioやWatching the Detectives、Pump It Upをはじめ全体通して1977年の1stアルバム『My Aim Is True』1978年発表の2ndアルバム『 This Year’s Model』といった初期の作品からの楽曲が多く見られたのも往年のファンは嬉しかったのではないだろうか。しかし35年も前の曲でも全然色褪せないものですね~。

ELVIS COSTELLO AND THE IMPOSTERS@FUJI ROCK FESTIVAL ’12

中盤以降はしっとりとした雰囲気も漂わせ、ライヴ中のMCは皆無に等しい中で曲の中でメンバー紹介をしてしまったり、ザ・フーやビートルズの楽曲の1フレーズを演奏の途中に入れてくる芸術家気質と遊びごころを兼ねた演出も見所、聴き所満載であった。コステロとそれを支えるこの良質なバンドだからこそあそこまで嫌味なくこういった芸当ができてしまう。

ロックやパンク的な匂いももちろんあるのだが、R&Bやソウルの影響も色濃くブルーズ、カントリーといった要素も併せ持っている。リリックにはシニカルな風合いや怒りといった感情的な部分も多々あるが、彼のルーツにある多くのアイリッシュサウンドが持つ楽しさ、ビートルズを彷彿させるような美しいメロディーがなによりコステロの真骨頂だろう。

ラストは1977年のデビューシングル Less Than ZeroにビートルズのTwist And Shout を組み入れたアレンジも披露し会場中を魅了した。

デビューから35年。
大衆音楽と逆行しながらも自ら大きな潮流を生み出してきたひとつの大いなる真実。
渋みが増した58歳、彼の充実が多方面に与える影響はまだまだ計り知れない。


Report by KISHIMOTO

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