ennas 縁日祭 at IID 世田谷ものづくり学校～REPORT～

CULTURE.ART.MUSIC.LOCAL.EGO = SCENE

［2015/07/01］

「縁をつないで円となり、宴を成す」をテーマに行われているミックスカルチャーフェスティバル。
昨年当サイトでもレポートさせて頂いたennas〈学縁祭〉から1年、今年はennas〈縁日祭〉と銘打ち、夏祭りさながらの華やかな風情を醸し出しての開催となった。

会場は昨年同様で廃校となった学校の跡地 IID 世田谷ものづくり学校。ライブ、アートエキシビジョン、トークイベント、ワークショップといった昨年からの流れを同環境で引き継いだ部分もあり、その継続性が熟成となり賑やかな形相の中に調和と落ち着いた雰囲気といった側面も感じ取れた。

1階から3階までの教室、廊下を用いていくつかのコンテンツが企てられ、様々なクラフト作品やオリジナルブランドがずらっと並び、ワークショップも行われていた。そんな中、1Fフロアで一際異彩を放っていたのが、うえぞのかよさんのライブ漫画。原案、構成から書き上げるまでをその場で行うという事で、着実に進む物語の進行に鍛え抜かれたスキルと感性をみる事ができた。

2Fでは輪投げや福引きといったゲームアトラクションや飲食関連も充実していた。
グリーンカレー、マサラカレー、サンドイッチやスコーンなども揃っている。縁日でカレー？って思うかも知れませんが、誰が言ったか『カレーは正義』って言葉があるくらいですから、これは間違いないです！
という事で、ここでは結局グリーンカレーをチョイスしたのだが、さらっとコクがあって美味しかったです。さらにソフトクリームやスコーンも食べたかったのですが、もう一品はリンゴ飴を選択、これは縁日ならではですね！　いったい何年ぶりに食べたんだろうっていう位久々のリンゴ飴だったのですが芯まで美味しく完食させて頂きました。その他お酒はもちろんコーヒーで一息入れたり、足を伸ばしてくつろいだりと、そこにいるだけで居心地抜群の空間でございました。

そんな中、メインといえるライブの方ですが、アコースティックライブで穏やかな時間が流れる中で、若手芸人赤丸の勢いあるパフォーマンスや前田由紀(ex:whiteberry)の国民的名曲『夏祭り』などにより徐々に熱量が高まるなか、最後に登場した☆マーレーズ☆のポジティヴなレゲエサウンドで気持ちよく踊ることができた。途中、1Fで行われた動物オペレッタ楽団　野暮のライブも見ごたえのあるものでした。紙芝居やパペットを使っての童謡や歌謡曲をエンターテインメントに味わい深く披露。この後しばらくの間『黒ネコのタンゴ』が耳から離れなかったです（笑）

そして3Fの教室ではIppei Tamura氏のトークイベントが行われていた。自身が企画する野外フェス『FreeShelter』の話しをはじめ、キャンプinフェスティバルの概要や魅力、自身が日常取り組んでいる世界遺産『富士山』のガイドや「何か面白いことをしようぜ！」という柔軟な発想から町おこしの一貫としてはじまった、空いている物件やビルなどを有効活用して様々なイベントを企てる『商店街占拠』の話しなど地域活性化のためのヒントをふんだんに含んだバラエティーに富んだ情報や知識をいかんなく伝えてくれた。

全体を通して、訪れた人それぞれに新たなきっかけになるであろう良縁がもたらされたのではないでしょうか？！
あたたかみの中に個性と和が連り、談笑、出会い、ふれあいといった爽やかな光景がふんだんに見られ、視野の広がりを伴う「楽しさ」が溢れていた。ちなみに、ここでいう「楽しさ」とは、反発するのではなく共鳴する事、その中で自分の物差しを大事にすることで秘めた熱意がにじみ出て、充実感が助長する。その先にある「楽しさ」であると付け加えておこう。