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FUJI ROCK FESTIVAL ’18 ~フジロック事前展望スペシャル~

[2018/06/04]

FUJI ROCK FESTIVAL ’18 ~フジロック事前展望スペシャル~

Profile of |FUJI ROCK FESTIVAL|

2018年もおよそ半分が経過し、夏の匂いが疼きはじめてきた。それはすなわち22年目を迎えたフジロックへの帰還が迫る。今年は何に魅了され、何に驚愕し、どうのような景色を見る事ができるのだろうか。

世界一クリーンなフェスといわれたフジロックも近年はゴミ捨てやマナーの低下が目立ち、自然や環境との共生という面で決して誇れる状況ではなくなりつつある。今年はそういった面でも危機感を持った姿勢、そして、年齢の積み重ねや日々の暮らしで生じた慣れや飽きという不燃物を浄化し、自然体でいながらも楽しむことに貪欲でいたいと思う。

ここでは毎年恒例、フジロック事前特集という事で、今年もA-FILESスタッフが、独断と偏見だけで、お薦めエリア、アーティストを紹介していきます!


『UNFAIRGROUND』アート×サーカス・パフォーマンス×ミュージック
今年限定の大人の移動遊園地。

各日、各ステージ、世界中から様々なアーティストがライナンップしているわけだが、まず最初に紹介したいのが、イギリスのビッグフェス、グラストンベリーからやってくる『UNFAIRGROUND』(アンフェアグランド)と銘打つ、アート、サーカス、ミュージックが融合した世界で唯一の大人の移動遊園地。

グラストンベリー・フェスティバルは、1970年から開催されている世界最大規模の野外フェスティバルなのだが、5.6年に一度、会場である農地の保護の為、開催が休止されるのだ。その休止となった今年、グラストンベリーの一大アトラクションがフジロックで堪能できるというのである。音楽もさることながら、インパクトのあるデコや個性あるグラフィティ、大型ウォールペイントやサーカスのパフォーマンスなんかもあるらしく、

『アナーキーなスピリットを根底にジプシーカルチャーとレイブカルチャーのカオティックな融合から生まれるアートがあなたの週末をもてなします。』

という殺し文句に期待しか見出せない。現実的にフジロックでは今年のみの限定誘致となるので、どのような事が巻き起こるのか、例年になく刺激をもたらしてくれるであろう会場の最奥エリアを見逃さないようにしたい。

UNFAIRGROUND



ステージ以外も楽しみ方は千差万別。

踊る、はしゃぐ、歩く、食べる、集う、遊ぶ、くつろぐ、まどろむ、戯れる…

会場内、楽しみ方は千差万別。各ステージでお目当てのライブを楽しむ王道とも言える楽しみ方はもちろん、ハイキング感覚で会場中を歩き、その中で聴こえてくる音と風に身をゆだねるも良し、キッズエリアやエコビレッジなどには親子で楽しめるコンテンツも豊富にある。大道芸や小さい規模ながら味のある良質なステージも独特な瞬間を堪能させてくれるし、美味しい食事に食い倒れるも良し、さらにフォトジェニックなデコレーションも各所に存在する。会場内は夜から深い時間になると自然の中でまた違う輝きを見せ、キャンドルや月の光の美しさの中で踊ったり、語り合う瞬間はまさにセッション。朝型、夜型、ぶっ通し型、体力や都合に合わせて、多岐に渡る非日常の世界を構築、そして満喫して欲しい。

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A-FILESスタッフが、独断と偏見で選んだ、お薦め & 気になる & 絶対観たいアーティスト15傑

今回ここでで紹介する以外にも、今年はボブ・ディランやケンドリック・ラマーといった音楽シーンにおいての新旧最重要人物が来日を果たす他、日本からもMISIA、エレファントカシマシ、ユニコーン、サカナクションなど百戦錬磨かつ、ほぼ誰しもが聴いたことのある、間違いなく盛り上がる馴染みの楽曲を合わせ持つ面々も顔を揃えた。国内外約200アーティスト、ロック、ヒップホップ、ワールドミュージックなど多種多様な音楽に身をゆだねる事ができる類まれなる瞬間の数々。もちろんすべてのアーティストを観ることは不可能だけど、世界中には色々なアーティストがいて、様々な音楽があるという事で、ここではA-FILESスタッフが独断と偏見で選んだお薦めアーティストをご覧ください。あくまで参考までに、気になるアーティストがいたら、さらにディグってもらって音楽ライフの引き出しに活力をもたらすことができたなら幸いです。

そして、良いな、フジロック行きたいな、行こうかな、どうしようかなって思ったあなたには、「迷ったら行け」という言葉を送りたい。


N.E.R.D

まずは、初日のヘッドライナー、N.E.R.D
十数年前はネプチューンズが…なんて説明が話の種だったのだが、昨今はファレルの知名度がグループの知名度を上回っているんじゃないかって程の存在感を出しているわけですが、それ故に再始動を果たしたN.E.R.Dがどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか期待と高揚が入り混じる。ヒップホップの定義自体も軽くぶっ壊してきたような彼らがステージで上でどのようなミラクルを起こすのか?セットリストも含め要注目。


FISHBONE

コンスタントに来日公演は行っているもののフジロックへの出演は8年ぶりとなるFISHBONE(フィッシュボーン)。
常に全快でそのパフォーマンスに外れなし。ミクスチャーなのか、スカパンクなのか?そんなカテゴライズ自体が意味をなさない事を彼らが証明したと言っても過言ではない。勢いとメロウと哀愁と。アクティブに貫くステージは必見。


THE TESKEY BROTHERS

オーストラリア・メルボルン出身のTHE TESKEY BROTHERS(ザ・テスキー・ブラザーズ )。昨年彗星のごとく現れ各地のフェスを席巻中。個人的な印象では昨今オーストラリアでは20代の若きバンドがブルージーな要素などルーツを際だたせつつ、良質な音を奏でているケースを多々見受ける。このTHE TESKEY BROTHERSに関しても例外ではなく、オールドスクールなモータウンのサウンドを軸に持ちつつ、ソウル、ブルース、さらにはサザンロックのような土臭さも滲ませている。


GREENSKY BLUEGRASS

アメリカミシガン州出身の5人組ブルーグラス、カントリーバンド、GREENSKY BLUEGRASS(グリーンスカイ・ブルーグラス)が遂に初来日を果たす。スコッチ・アイリッシュからの流れを受け継ぐ、伝統的なアコースティックミュージック、ブルーグラスから、さらに昇華させた彼らのサウンドは、ジャズやロック、さらには即興演奏を多用するスタイルで多くの者を魅了する。グレイトフル・デッドやフィッシュ等のジャムバンドのファン達にも愛され、そのアンサンブルはもちろんの事、文学的な歌詞も鋭く至極。


ESNE BELTZA

ストリート音楽とバスクの伝統音楽をクロスオーバーさせたREBEL MUSICバンド、ESNE BELTZA(エスネ・ベルーサ)。2009年のフジロックでは多くの者がベストアクトと声を上げた実力派にして圧倒的に惹きつけるパフォーマンスを魅せる。バスクの伝統楽器トリキティシャによる異彩とも言えるサウンドで独特の雰囲気を醸し出し、ロック、スカ、レゲエ、ヒップホップ、ラテン、クンビア、ファンク、ソウル、さらにはドラムンベースまでもが混在する。


HOTHOUSE FLOWERS

アイルランドダブリン出身のロック・バンド、HOTHOUSE FLOWERS(ホットハウス・フラワーズ)。10数年ぶりにニューアルバムをリリースし、フジロックには2001年以来となる出演が決定。U2のボノに見出されたその才能は、純粋にライヴ・バンドとしての評価も高い。時にメロディアスに、時に開放的に、時に壮大に、R&B、ゴスペル、カントリー、フォーク、そして、アイリッシュ・トラッドなどのルーツ・ミュージックをブレンドしたスケールの大きなサウンドを聴かせてくれる。


Ovall

Shingo Suzuki(ベース)、mabanua(ドラム)、関口シンゴ(ギター)によるバンドプロジェクト、Ovall(オーバル)。
origami PRODUCTIONS所属。近年はメンバー個々での活動やツアーミュージシャンとしての活躍が際立っていた中で2017年に活動再開を発表すると、瞬く間にシーンの中心に躍り出た。その包み込むような良質なサウンドは清々しさと、程よいドープさが渦巻き、癖になるループと叙情的グルーヴで、ジャパニーズ・ジャズシーンに新たな風を吹き込んでいる。


INTERACTIVO

現代キューバ音楽の異端にして、音楽の素晴らしさの核心に迫る、INTERACTIVO(インタラクティーヴォ)。ピアノ、ボーカル、そして作曲家のロベルト・カルカセスが率いるキューバの様々なミュージシャンが集まったコラボ・バンド。メンバーが決められておらず、コンダクターを中心に、キューバの最前を行くミュージシャンをはじめ、世界中の優れたミュージシャンが個々のスケジュールやニーズによって入れ替わるアンサンブル方式を採用する革新的なプロジェクト。ジャズ・サルサ・ヒップホップなどキューバ音楽が持つ特異性を保ちつつ、個々のミュージシャンの個性が反映される。


CUBANA FIESTA

上記で紹介したインタラクティーヴォのメンバーが伝統的キューバ音楽を演奏するスペシャルバーション。キューバ屈指のミュージシャン達が集い、エネルギーに満ちた、CUBANA FIESTA(キュバーナ・フィエスタ)は、カリブ海特有のリズムをベースにロック、ジャズ、サルサといった踊れる要素と太陽のような熱さ、温かさは、鼓動を浮きだたせ、有無を言わさぬ楽しさをもたらせてくれる。


KACEY MUSGRAVES

アメリカテキサス州ゴールデン出身。ナッシュビルを拠点に活動するシンガー・ソングライター、KACEY MUSGRAVES(ケイシー・マスグレイヴス)。透き通る歌声と耳馴染みの良いメロウなサウンドは普遍的な心地よさを与えてくれる。2013年にはグラミー賞のベスト・カントリー・アルバムを受賞するなど、名実共に世界の歌姫の一人と言っても過言ではない。フォーク要素も持ち合わせている中でもきらめく爽やかさと、穏やかなポップチュ-ンは、晴天の中で風を感じながら堪能したい。


JOY-POPS

村越“HARRY”弘明と土屋公平のユニットJOY-POPS(ジョイポップス)。2000年に解散したThe Street Sliders(ストリート・スライダース)のデビュー35周年企画として18年ぶりに実現したツートップの揃い踏み。なんだかんだ、HARRYと蘭丸が同じステージに立っているという事実に感涙する事だろう。80年代初頭にデビュー以降、ブルースをルーツとしたロックンロールを地で奏で、バンド・ブームを牽引しながらもブームに流されない、どこか異端で孤高の存在感を示してきた。JOY-POPSとして今年行っている全国ツアーは軒並みSOLD OUTを記録。フジロックでも往年のスライダーズナンバーが披露されることだろう。

JOY-POPS

JOY-POPS


RANCHO APARTE

南米コロンビアより、ラテン・アフロ・コロンビアンバンド、RANCHO APARTE(ランチョ・アパルテ)。年齢的な若さを感じさせないほどに、ワールドミュージックを自らのフィールドで昇華させ、あらゆる層に受け入れられるスタイルを築いている。アフリカン・ルーツを滲ませながらも、元来持ち合わせていたであろう、ラテンやカリビアンの要素にクラリネット、サックス、トンボラ、スネア、シンバル、そして骨太なメインヴォーカルが鳴り響く。


HVOB

オーストリア・ウィーンを拠点に世界的に注目を集めているエレクトロ・ポップ・グループ、HVOB。コンポーザーのPaul Wallnerと、女性キーボード・ボーカルのAnna Muellerに今回はドラマーのFrank Schachingerを加えた体制で、ミニマルミュージックの中に深みと断片的な情景を浮かび上がらせる。卓越したビートコントロールとその世界観で陶酔と歓喜を促し、トリップ&イリュージョンに誘うだろう。


THE AVALANCHES

大胆に繋ぐスタイルでオーストラリアから世界を熱狂させる、THE AVALANCHES(アヴァランチーズ)がDJセットで登場。昨年に続くフジロック出演となるわけだが、より一層期待値が高まり続ける中で、今回はどのような空間を創り出すのか注目したい。音を発掘することへの情熱と無数に魅せるサンプリングの妙技。型破りな音楽異端者と言われ、その独創的世界観は常にインパクトを残し続ける全てのミュージックラバー必見のステージ。


鼓童

佐渡を拠点とした太鼓芸能集団 鼓童。太鼓を中心とした伝統的な音楽芸能に無限の可能性を見いだし、現代への再創造を試みる。1981年、ベルリン芸術祭でデビュー以降、50の国と地域で6,000回を越える公演を行っている。また様々なアーティストとの共演や、国際的な公演活動、ワークショップなどを繰り広げ、各地で文化交流を展開している。


Text by KISHIMOTO

FUJI ROCK FESTIVAL ’18

-日程-
2018年 7月27日(金)28日(土)29日(日)

-会場-
新潟県 湯沢町 苗場スキー場

-時間-
9:00開場 11:00開演 23:00終演予定

【一般発売】
1日券 ¥20,000
2日券 ¥36,000
3日通し券 ¥45,000

※ 中学生以下は保護者同伴に限り入場無料

オフィシャルサイト
http://www.fujirockfestival.com


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