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FUN. @ FUJI ROCK FESTIVAL ’13 LIVE REPORT

[2013/08/10]

FUN. @ FUJI ROCK FESTIVAL ’13 LIVE REPORT

Profile of |FUJI ROCK FESTIVAL|


FUN.
2013年7月26日(金) @ FUJI ROCK FESTIVAL ’13

FUN. @ FUJI ROCK FESTIVAL ’13 LIVE REPORT

正直に言いましょうか。どうやらこのバンドに対してかなり低い評価をしていたようです。”We Are Young”や”Why Am I The One”や”Some Night”などのヒット曲が一時有線やラジオなどでヘビーローテーションされ彼らのメロディーを聴いた事が無い人はほとんどいないのでは?という位の多大なメディア露出。日本のアーティストによる変てこな日本語バージョンさえもヘビーローテーション。そもそも彼らの所属するレーベルがLess Than Jakeのドラマーにより立ち上げられたFueled by Ramenという元々YellowcardやJimmy Eat WorldやFall Out Boyなどを輩出し、近年ではGym Class HeroesやCobra StarshipやParamoreの様なややPOP路線のアーティストが所属。レーベルとしてはもちろん大成功を収め、その流れでこのFUN.もロックバンドと言うよりはポップスとして捉えてしまい、俗に言う売れ専ビルボードバンドとして認識していたわけですが。。。

今回このバンドの取材を決めたのは単純に彼らのメロディーが好きで曲を結構知っているから。書くか書かないかは置いておいて、初日のあの時間帯にグリーンのステージ後方で芝生に座りながらまったり聞けたらいいのかな程度に安易に思っていたわけですがね。

そして始まった彼らのステージの前半の冒頭の数曲も、少しポップで軽快で歌が上手だな~程度にボーっと座りながら観ていたわけですが。。。

この時点で『。。。ですが』という下りが3回。当然この後はどういう展開になるか分かりますね。

しかし彼らは違ったんです。ただのポップスバンドでは無かったんです。他の楽器がほとんど弾けないという生粋の立ちボーカルNate Ruessの一生懸命に伝えようと前へ前へ出ようとするパフォーマンスに段々と夢中になっている自分に気が付いた時にはもう既に、このバンドが持つPOPで軽快なはずなのにどっしりとした図太い演奏全体の虜になっていて、気が付いたら立ったまま体を動かしていました。それは僕だけではなく他のオーディエンスも同じだった様です。どんどんステージに惹き付けられてるのが見てて分かりましたから。

FUN. @ FUJI ROCK FESTIVAL ’13 LIVE REPORT

そして何が凄いって、やっぱりこのNateのボーカル力。音程もぶれないしハイトーンもしっかり出るし、音源で聴いたままのあの声が力強く空に響き渡っていて、最近まれにみない最強のピン立ちボーカルだって事をしっかりとこのGreen Stageの大きな舞台で証明してくれました。

名曲”We Are Young”ではみんなで大合唱(少し声が足りなかったかな?)。これを書きながら未だにちょっと鳥肌が立つ位素晴らしい歌声でした。最後の曲”Some Night”ではなんだか少しセンチメンタルな気持ちになって、気が付いたらサビの部分の”Woah oh oh ”で思いっきり声を張っている自分がいて、もしこれが夕暮れのGreen Stageであれば確実に涙していたでしょうね。

極上のメロディーと繊細かつ力強い歌声。日本には存在しないこういう層のアーティストがまだまだアメリカにはたくさんいて、単純に音源だけでは判断出来ないなって改めて思いました。POPだかROCKだか正直もうなんでも良いのですが、近い将来またこのフジのGreen Stageの夕暮れ時にもっともっとたくさんのオーディエンスと大合唱してる姿が僕にはしっかりと想像出来たわけで、きっとそれ以上の光景がボーカルのNateには映っていた事でありましょう。
そんな素敵なキラキラした眼をしてました。
本当に純粋に歌が好きなアーティストなんだろうな~。
そんな彼の目に映っていた光景をまた是非ともここで共有したいものです。
お見事なステージをありがとう。



text by kenichi kono
photo by kenji nishida

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