MARIKO ENOMOTO SOLO EXHIBITION「もりのなか・In the Woods」2021年11月29日(月) ~12月6日(月) at 渋谷 elephant STUDIO 1,2F
画家・榎本マリコ 個展「もりのなか・In the Woods」開催
書籍やCDジャケット、演劇のビジュアルなどでアートワークを手がけてきた榎本マリコは、植物や動物が顔を覆うポートレート作品を発表し、国内外で人気を博しています。 本展「もりのなか・In the Woods」では、これまで匿名の人物を描いてきた榎本が、初めて実の娘たちをモデルに森をイメージして描いた新シリーズを発表いたします。 また、本展よりWATOWA GALLERYの所属アーティストとなり、画家として精力的に活動を広げていくこととなります。 新たなステージへと歩みを進める榎本マリコの新作の数々を、ぜひご覧ください。
MARIKO ENOMOTO SOLO EXHIBITION「もりのなか・In the Woods」
【日程】
2021年11月29日(月) ~12月6日(月)
【料金】
来場観覧料 500円(税込)~ / 下記URLからの事前予約制
https://artsticker.app/share/events/947
*12月2日(木)は観覧無料
*自身で金額を決定するドネーションシステム。
詳細はWATOWA GALLERYイベントページご参照ください。
【会場】
elephant STUDIO 1,2F
(東京都渋谷区渋谷2-7-4)
http://www.watowa.jp/news
【主催】
WATOWA GALLERY
【イベントページ】
http://www.watowa.jp/news/2021/11/marikoenomoto-inthewoods.html
本展覧会「もりのなか・In the Woods」では、これまで主にイラストレーションや装画の分野で活動してきた榎本がアーティストとして制作した作品のなかから、森をテーマにした新シリーズと、榎本の代名詞とも言えるポートレートに幅広いモチーフを組み合わせた作品群を展示いたします。
榎本の作品は、植物や生物が目や鼻を覆い隠すように配されたポートレートに特徴づけられますが、それだけに留まらず、顔のなかに風景が広がっているように見えるものや、上半身が植物ですっかり覆われてしまっているような作品など、顔の見えない人物を軸に多様に展開されています。 榎本が影響を受けたというエリザベス・ペイトンやリュック・タイマンスといった新具象派的な描写に加えて、人物の顔面から異世界が広がる幻惑的な世界観からはルネ・マグリットやサルバドール・ダリといったシュルレアリスムのエッセンスも感じられます。 榎本の近作は、絵画におけるこれらのジャンルを横断しながら、イラストレーションを芸術に接続し昇華させる試みといえるでしょう。
これまで匿名の人物を中心に描いてきた榎本ですが、本展覧会「もりのなか・In the Woods」では、はじめてモデルを配した作品を描き下ろしました。 そして今回、榎本がモデルとして描いたのは彼女の娘たちです。 これまで榎本が描いてきた、顔が植物に隠された人物像では、突き放した雰囲気がひとつの魅力だったと言えるでしょう。 しかし今回、榎本は、最も近くで日々温度を確かめ合う娘を描くことで絵画に温かさを吹き込きました。
本展覧会のテーマでもある森は、都会の忙しない日常から逃れるシェルターやある種のユートピアとして人々に癒しを与える存在でもありますが、一方で、迷い込むとそこから脱することができない檻にもなりうる閉塞した環境です。 いわば、人知を超えた独自のシステムを持つ、制御不能な恐ろしい生命体とも言えます。 また、森では異なる時間軸を持つ動植物が共存しています。 300年前からそこにある巨木や、人間よりも短い時間で一生を終える動物、そして数時間で死骸となる微生物、その空隙をゆっくりと流れていく水など、多様な生を持つ有機体が集合することで成り立っているものでもあります。 さらに、東京などの大都市において乱立するビル群もまた森になぞらえることができ、森としての都市はわたしたちの日々の暮らしにも密着したものとなっています。 このように、現代において森というモチーフは様々な隠喩を含みうるものです。 娘をモデルに起用することで個別的で具体的な温度を帯びた顔のないポートレートと、森のこのような多面的な性質との出会いは、彼女の作品に対してより広く、そして深い解釈を開くものとなるでしょう。
WATOWA GALLERY
WATOWA GALLERY ワトワギャラリー
WATOWA GALLERYは、現在の日本のストリートカルチャーやファッション、あるいは独創的かつ先進的なテクノロジーやジャパニーズフィロソフィーを取り入れた新しい感性を持つ若手の作家を中心に、アート・コミュニケーションの場を提供するアートプロジェクトプロデュース集団です。 アートがファッションのように親しみやすいカルチャーとなり、ひとりひとりのライフスタイルに溶け込む社会を拓くため、新しい感覚のエキシビションや、アートプロジェクトのプロデュース・演出を行い、アートに触れるタッチポイントを拡大します。
現在も国内外で評価されている主要なアートムーブメントの多くは、ミュージアムの外で、そして多様なジャンルのアーティストと支援者との交流によって生まれています。 わたしたちは特定のアートスペースを持たず、あらゆる空間をギャラリーと捉え、アートをミュージアムからコミュニティへ、都市へ、住空間へ開放し、ミュージアムの外からさまざまな分野のプロフェッショナルと横断的なアートプロジェクトを発信します。 さらに、日本の若手アーティストの活躍と日本の若手コレクターの参入をサポートし、アーティストと支援者の交流を促進します。
WATOWA GALLERYを媒介とした新しいコミュニケーションやコミュニティによって、次の時代のアートシーンを創造し、市場の活性化を目指します。
榎本 マリコ Mariko Enomoto
1982年生まれ、東京都在住。 日本画家であった曽祖父の影響もあり、幼い頃から自然と絵のある環境で育つ。 ファッションを学んだのち独学で絵を描き始める。 個展やグループ展で、植物や動物などに顔を覆われた人物のアクリル画を中心に発表する 他、近年では書籍の装画、演劇のビジュアル、CDジャケットなど様々なジャンルのアートワークを担当し、チョ・ナムジュの小説『82年生まれ、キム・ジヨン』(筑摩書房)、川上未映子の連載小説「黄色い家」(読売新聞)の挿絵などを手がけている。
HP. http://www.mrkenmt.com/index.html
IG. https://www.instagram.com/mrkenmt_tmk/
ここ数ヶ月、森をイメージした絵を描いています。 森は私の暮らす日常とはかけ離れた存在ですが、ただそこにあると想像するだけでニュートラルな自分に立ち戻るスイッチのような存在であると感じたからです。 閉ざされて、底知れぬ恐怖や厳しさがありながら全ての生命を許容し循環、淘汰させる森は、まるで変容し続ける世界のようでもあって、私はものすごく小さいけれど否が応でも世界の一部であるということを思い出させてくれるのです。 (なぜならただ存在するだけで、これほどまでに様々な事象に翻弄させられているのですから。 )
またこれまでは匿名のモデル達を描いてきましたが、今回はより温度の感じられる作品を描きたいと強く思い娘達の姿を描きました。 繁茂する名も知らない草花や虫達を私の小さな娘達の姿に重ね、異なる時間軸や未知なる世界を、あらゆるものの智慧を借りながら未来へ進んでいく子供達の恐れながらも生を紡いでいく姿をイメージしました。
榎本マリコ
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