レコードフリマ 「両国レコード天国」 2016年3月19日(土)-20日(日) at 両国RRR ～REPORT～

両国と言えば、まず一番に連想されるのが情緒ある下町風景や両国国技館を中心とした相撲文化なのだけれども、実際はあまりこの土地に慣れ親しんでいるわけでは無くて、東京の中でも未開の地の一つ。そういう土地を歩くのは、イベントとを訪れるのとは別の楽しみの一つでもある。そんな両国駅周辺を歩くと、現代風の建物に囲まれるように古い民家やビルが地に根を張って建っているのが見えてきて、周りの新しいビルに支えられているかのように見えるこの根っこの深い建物達が、実はずっとずっと昔からこの街を支え続けているのだろうな、と思いながら辿り着いたのが隅田川を横断する「両国橋」。下町っていう景色を象徴するこの隅田川の手前を左に曲がると今回の「両国レコード天国」の会場でもあります「Ryogoku RRR」に到着です。休日にも関わらず人も疎らで、実に閑静なエリアにトリップしたので、会場となるビルに進入するのに若干不安になりつつ、階段を上がり、段々と音が上の方から近づき始め、3階の部屋のドアを開けると。。

今まで駅から歩いて来た街の雰囲気や景色からは想像も付かなかった世界！「想像も付かなかった世界」って、ちょっと大げさ？でも、その空間の空気感って、人数じゃないし場所のサイズじゃないし、部屋のデコレーションでもないし、そこにいる人達が発するバイブス次第で変わると思うのですよ。ただただ直感的に居心地の良い空気感を察知しました。それもそのはず、この「両国レコード天国」っていうのは、レコードフリマと題して、DJやレコードコレクターやレコード屋さんなどが自分達のレコードを持ち寄ってそれを販売するっていうイベントなのです。そしてその販売している人達も自らDJをしたり(むしろDJがレコードを販売している？)と、「レコード売りたければ自らプレイする」的なスタイルが、なんだか本来あるべく「音を伝え広げる」という音楽を楽しむ根本を象徴しているかのようでした。ちょうど「にっちょめ 」というDJがレコードを回していたのですが、歌謡曲からワールドミュージックからファンクから何から何までをミックスし幅広いジャンルをプレイ。各レコードの録音状況や環境や国が違っても、共通して深みと温かみのあるアナログサウンドを久しぶりに堪能しました。

そのDJがプレイするさまざまなジャンルの音が象徴するように、会場にはロックやパンク、ジャズ、ファンク、ワールドミュージックから昭和歌謡曲まで、他ジャンルにおいてレコードがずらり。箱の中のレコードを漁っては雑談し、つまみを片手にビールを飲み、またレコードを漁り気になったら視聴。というような、音楽を楽しむ自然体がそこにはありました。

クラブじゃないし、BARでもないし、ワークショップでもないし、ただのフリマではない。音好きが音を持ち寄り音を掛けて音を売るという、生活基盤で当たり前に存在する市場のような感じが、実はこの下町でもある両国に見事にマッチしていて、忘れかけていたアナログの良さと、そして本来そうであったであろう音楽に触れる術と楽しみを思い出す瞬間でした。音を大切に守り伝える人々の優しさと回り続けるアナログの温もりが心地良く響き渡る空間。彼らのお陰でレコードという音を伝えるツールが今後も無くならないのだろうと思いながら会場を後にしました。年に4~5回行っているそうなので、お酒でも飲みに行く感覚で次回是非！

ちなみに、個人的に3枚ほど購入させて頂きました！

レコードフリマ
「両国レコード天国」
2016年3月19日(土)-20日(日)

出店/
東京キララ社
ダウトミュージック
50歩100歩(高円寺)
オントエンリズムストア
エレクトレコード
珍盤亭商店
OneBoxRecordFair
Slovenly Recordings
ZigoKu Record
Yudemen Records
Tres Kuleros Records(マニラ)
TURNTABLE TOKYO

DJ
SkemeRichards (From U.S.A)
ArbieWon (From Manila)
中村保夫(和ラダイスガラージ)
珍盤亭娯楽師匠akaDJ WaterDamage
NOTOYA
にっちょめ
天敵(超黄)
マサキオンザマイク(ZGR)
Zafarista
Pigeondust

• 
  Facebook
• 
  Twitter