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~全国SHOP訪問~ 『りょく』(東京・下北沢)

[2016/01/22]

~全国SHOP訪問~ 『りょく』(東京・下北沢)


生活とカルチャーが交差する街”下北沢”にお店を構えて15年。シルバーアクセサリーをはじめお店オリジナルアイテムや激選された作家のアイテムを取り扱い、下北沢文化を発信し続ける”りょく”のオーナー”宗広亮平”にお話を伺いました。

洋と和とが調和するお店の雰囲気は軽くお酒も飲めて心地が良かったです。


宗広亮平(りょく) Interview

—–いつこの”りょく”をオープンしたんですか?

2000年の10月なので、もう15年になりますね。そもそもここら辺のもっと奥の辺りでオープンして、2011年の10月に今の場所に移ってきました。

—–そもそもなぜアクセサリーショップを?

地元が金沢で、高校の頃から音楽とかやってて、結構バンドの先輩とか周りが音楽やりながら古着屋やったり雑貨屋やったり面白い事をやってるような流れがあって。それで、『なんとなく店やりたいなー』って思ってたんだけど、そんなこんなでメキシコに行って帰って来た友達が、タスコって街で銀を作ってる工場の人と出会って、『面白い日本人が集まってなんか作ってる』って。

—–なんか濃そうですな(笑)。

そうそう(笑)。そのうちその友達とかがメキシコから買い付けや作ったもので卸を始めたから、それを持って日本中のアクセサリー屋を周ったりしてたんです。

—–うん?それは売る為に?

売る為に。それで色々なお店とか仕組みを知る内に、『面白い世界だな』って思い始めて。

—–当時ってどんなアクセサリーが出回ってたんですか?

バイカーとかロックなテイストのシルバーアクセサリーがほとんどでしたね。『アクセサリーにしても、お店の見せ方にしても、なんかもっとナチュラルな感じとか変わったの出来ないかな』って。

—–確かに当時ゴツイ感じのシルバーが多かったですね。個人的にもシルバーは好きだったんですか?

いや、あんまりアクセサリー大好きとかカッコイイとか思って始めたわけじゃなくて(笑)、『みんなの場所が出来たら面白いよね。』って流れでたまたまアクセサリーが面白そうだなって。

—–なぜ下北沢?

下北沢でずっと遊んでて、ここなら当時知ってる奴もたくさんいたし、下北沢だったら出来るかもねっていうノリでした。

—–最初は自分で製作は?

その頃はデザインのみで、まだほとんど自分では作っていなくて、基本メキシコで作ってもらった物とか、ドサっと送られて来た物からピックしたり、ちょうどその頃メキシコの連中も日本向けのブランドなんかを始めたりしてたから、それを販売したりとか、日本を周ってる時に出会ったブランドとか作家さんのアイテムを置いたり。

—–でもいきなり売れるもの?

その頃はお店で扱ってるのも諸にシルバーアクセサリーで、ちょうどブームが終わる前位だったから、まーまー売れるかなっていう感じで。卸もしてたから、その辺の人達に協力して貰ったり、広告出して貰ったりしながら徐々に徐々に。しかもその頃銀の値段が凄く安い頃で。今の3分の1とかだったんですよ。

—–そんな時代確かにありましたね。

安く仕入れて高く売れる時代だったから、凄く良い時代ではあったよね。

—–なんか下北沢にお店出す人って、結構勢いで出す人が多いような(笑)。

うん(笑)。まだ25歳と26歳の頃で確かに勢いはありましたね(笑)。今この年齢でってなったら難しいかもしれないけど、『とりあえずなんとかなるでしょ』って思ってたから(笑)。

—–ちゃんとこの店計画してやってるのかな?(笑)って街を歩いててたまに思いますね。そこがまた下北らしいというか(笑)。

計画性は全く無い(笑)。なんとかなるでしょっていう見切り発車ではあった(笑)。
でも何より、沢山の仲間や友人、先輩、近所の人達(笑)まで出会った皆さんのおかげで出来てる。感謝!

—–最初は委託等でアイテムを置いて、オリジナルをやり始めたきっかけは?

ただ、単純に買い付けして販売やってても面白くないし、こうやって場所が出来たから色々な面白い事が出来た事は出来たんですけど、なんか、『そうじゃないんだよな』っていう気持ちも芽生え始めたりして。それで元々モノを作るのやデザイン好きだったし、お店を始める前の頃も自分で作ったりはしてたのね。店をオープンしてからもお店の前でTシャツを染めて売ったりとかもしてて。2年位してからかな?店の雰囲気も変わってきて、RYOKUオリジナルを製作して半分位店に置くようにして、メキシコの買い付けとかもちょっと減らして。

—–アクセサリー制作は完全独学?

周りで彫金をしてる友達もいたりして教えて貰いながらの独学ですね。今ちゃんと学校とか通ってる人達に比べたら全然分かってない(笑)。10何年やってるけど、『これでいいのかな?』って思いながら作ってますし(笑)。

—–でも過程はどうであれ、結果的に型にはまらない作品が作れてるのでオッケーでは?(笑)

ですね。この道具を使ってとか色々あるんだとは思うけど、そこは逆にファジーに作ってますね。

—–今はシルバー以外にも多く扱ってるんですか?

今もお店ではシルバーは多いけど、例えば金属と天然石とか、異素材を組み合わせて作る作家さんも多く取り扱ってるし、あとはオーダーメイドも多いから結婚指輪とかプレゼント物でプラチナとかゴールドも作るし。アクセサリーに限らず何でも。

—–どんな客層なんですか?

幅は広いですね。10代20代の若い世代の子達も来るし、50代60代の人達も結構来る。でも一番多いのは俺の年代で、自分が20代の頃は、その頃の20代が多かったし、30代になったらなったで30代みたいな感じで。

—–お店が発信してるテイストとセンスに合わせてお客さんも付いてくるんでしょうね。

自分が気が付かない内にお店も変わっていってるのかもしれないっていうのはありますね。

—–この下北沢の一番街の面白さは?魅力というか?

移転する前はもっと奥の方だったので、ゆっくりした環境でそれはそれで良かったんだけど、あまりにも一般のお客さんが来ない(笑)。それはそれで好きで良さはあったし、結構製作に力を入れてたりイベントやったり出店に行ったりしてたけど、移転と同時にお店作りっていう事をもう1度意識し始めて。ここはここで人通りもあるんだけど、下北沢の中では割とゆっくりとしていると思うし、個人的には下北沢の中では一番好きな地域ですね。

—–お店も結構独特なお店が多いですよね。

でも下北沢って家賃がそこそこ高いから、もう少し安かったらもっと面白い店がまた増えてくるとは思いますけどね。

—–ビジネス過ぎず遊びベースのお店が増えたら、もっと世界から注目されそうな。でもさっきも歩いてて気が付いたんですけど、お店の変わるサイクルが早いですよね。

確かに早いですね。10年位前までの下北沢は市場があったり、生活密着型なエリアがあったり、個人店があったり、BARがあったり、夜は飲んでる奴がいて、昼間はゆっくり散歩してる奴がいたりしてて凄く良い雰囲気ではあったんですけどね。面白いお店も沢山あったし。これから街の工事も始まるし、下北沢も一番街もどうなっていくのかな?っていうのは凄くありますね。

—–ここの通りは残して欲しいですよね。ちなみに下北沢には結構アクセサリー屋さんは多い?

結構多い。そんなに大きな街じゃないけどありますね。シルバーブームだった10年前とかはもっとたくさんお店があって。色々なブランド置くお店とか、シルバーが人気あった頃はシルバーアクセサリーだけ取り扱うお店とかもあったし。でも今はもっと自分達で作りながら営業してるお店とか、もっとブライダルとかジュエリー色の強いレディース物とか。

—–今後どんな風に展開するつもりですか?

これが難しいところでね(笑)。2転3転してるので(笑)。
下北沢から移転しようとしてた時も何回もあったし(笑)。

—–でも元々あまり周りに無理に合わせていくようなスタイルではないですよね?

うん。でもこのままやっててもしょうがないのかなとは思ってるんですけど、今はお店の事は全部一人でやってて、外に出る時はお店を閉めてる状態なので。お店に立つ可愛いバイトちゃんでも雇って(笑)、俺は物作りと営業みたいな感じとか、また時々はイベントしたり出店行ったり出来たらなとかは考えてますね。アーティストのノベリティーを作ったりとかもしてるし、もう少し時間があればそういう事も上手いことやっていけるのかなとか。アクセサリーに限らず色々やりたい。

—–海外展開は?

まだしてなくて、でもしたい願望はありますね。この間タイに行った時に出会ったタイ人の作家が、今時日本で売れないだろうっていうようなゴツくてかっこいいアクセサリーを作ってて。そいつが、『日本で勝負したい』って言ってたからその内一緒に絡みたいとかは思ってますね。面白い事が出来ればなって。

—–RYOKUって和のテイストとアジアな感じと西洋なか感じが上手く混ざってて独自のセンス感があるので、海外でも全然いけそうですね。

最初はもっと和テイスト寄りで作ってたんですけど基本ミクスチャーな感じなので(笑)。

—–どうこれから変化していくか楽しみではありますね。今日はありがとうございました!

ありがとうございました!


りょく

東京都世田谷区北沢2-35-9大竹ビル1階
TEL/FAX 03-5738-1565

http://www.ryoku.net (下北沢りょく)
http://www.ryoku.biz (りょくweb shop)


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Interviewed by Kenichi Kono


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