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SKALAPPER(LEE、Sioco)インタビュー

[2021/01/20]

SKALAPPER(LEE、Sioco)インタビュー

北陸福井が誇るスカパンクバンドSKALAPPERが結成15周年記念盤となる「LOCAL SOUND EP」をPARKING LOT SOUNDSよりリリース!更にキラーなメロディーとホーンアンサンブルに磨きのかかった新曲3曲に、USレジェンドスカパンクバンドSlapstickの大名曲「The Park」も含んだ全4曲収録!憂鬱なコロナ禍を吹っ飛ばすSKALAPPER現体制での最高傑作EPが完成!

昨年は15周年という節目の年でしたが、コロナウイルスの影響で様々な活動が已む無くストップしてしまったものもあったと思います。
その中でSKALAPPER15周年GOODSを通じての地元ライブハウスサポートやSpotifyプレイリストリレーなどの活動を目にしていましたが、改めて2020年のバンドでの活動などを振り返っていかがですか?


LEE 2020年を振り返ると…、やっぱり大変な年でしたね。世界中の人が我慢を強いられた年だったし、僕らバンドの業界も必死で存続を模索した年だったと思います。

バンドとしては結成15周年ということでアルバムのリリースやそのツアーなども予定していましたが、2月頃から徐々に活動を制限され、3月下旬からはメンバーで集まってスタジオに入ることも出来なくなりました。5月下旬に毎年主催しているサーキット型のイベントもあったんですが、それも中止となり…、4月、5月はとにかくその後処理に翻弄されてるうちに終わった感じです。

正直、この中止のダメージはでかかったですね。その間、そのイベントで使わせもらう予定だったライブハウスと、自分たちがホームとしている福井CHOPへの支援活動をさせてもらいました。沢山の方にご協力いただき本当に頭が上がらない思いです。で、たしか6月下旬からまたメンバーでスタジオに入れるようになったんですが、コロナの感染状況の増減などで思うように集まれない期間が続き、8月下旬から今回のEPの準備にとりかかったと思います。秋以降もどういう状況になるか見通しが立てれなかったので、春の時点で曲として完成していたStill DreamingとHigh Time、そして既にREC済みだったColoring BookとThe Parkの計4曲でEPとしてリリースする事にしました。15周年の年にバンドとしての活動を形に出来て良かったですし、少しホッとしています。


Sioco SKALAPPER史上、1番ライブのできない年になったんじゃないかな...

コロナ禍で活動が制限される中でも、私たちに何ができるか考えた時、地元のライブハウスを応援したいってLEEさんの提案で、たくさんの人から支援をいただきました。こんな世の中になってしまっても、音楽やライブハウスが好きなひと達がたくさんいるって再認識できて本当に嬉しくて、このまま立ち止まるのは自分らしくないなって思いが強まった1年になりました。


今回の新曲3曲はこれまでのSKALAPPERスタイルは一貫しながらも、それぞれ異なった音色を感じさせるバラエティに富んだ内容ですね。この新曲達は以前からライブでプレイされていた曲ですか?


LEE Coloring Bookは一昨年から時々ライブでもやってましたが、ほかの曲は全くライブでやってないです。主催イベントで初披露できたらいいな…と思ってたんですが、それも叶わずだったので今回こうして聴いてもらえることになり、感無量です。


自粛期間もあったりする中で曲作りやレコーディング、制作過程において苦労したことや、こだわった部分などありますか?


LEE 今回の収録曲に関してはあんまり苦労した感じはなくて、自然と色んな部分が決まっていった印象です。でもホーンのメロディやアレンジはこだわって、毎回そうですが、シンプルかつ印象に残るメロディをより意識したと思います。RECも1日半であっさり終わったので物足りなく感じたくらいですね(笑)あと!制作しててものすごく楽しかったです。ライブもスタジオも思うように入れない中で、一心不乱に音楽作ってることがこんなに楽しいなんて!と思いましたね。制作できることが嬉しかったです。


SKALAPPER(LEE、Sioco)インタビュー


Sioco 今回の曲づくりはかなりいいテンポで組み上がったと思います。細かいホーンのフレーズがそのスタジオでパッと浮かんだり、曲の流れを掴んだハモリを入れられたり。前作のリリースの曲作りではこんなことなくて、成長を感じました(照) ただ、ちょっと苦労したと感じるのは、なかなかメンバーで集まってスタジオに入れなくて、曲を詰めれないことにもどかしくなったことかな? スタジオの2時間がいかに貴重かを実感しましたね。


この状況下でも比較的スムーズに進んでいったんですね!今作の曲を制作にするにあたり参考にしたバンド、よく聴いていたバンドなどありますか?


LEE 特に参考にしたバンドはないですが、昨年も変わらずよく聞いていたのはLESS THAN JAKEやGOLDFINGERとかだったのでモロその影響は受けてると思います。あと、新たに出会ったバンドでよく聴いたのはCall Me MalcolmやThe Inevitables、Skatune Networkとかですね。


Sioco 家にいることが多くなったので、周りのバンドマンがSNSにあげてる曲をちょこちょこチェックしてました!参考というか、これが好きだなって思ってよく聞いてたのはNot On TourとかDance Hall Crashers。女性voって本当にステキでいつか私も歌いたいなーって、ね、LEEさん!



前作4thアルバム「90 MILE」ではNo Use For A Nameの大名曲「Let Me Down」を、今作はSlapstick「The Park」のカヴァーが収録されましたね!その他にこれまでSKALAPPERでカヴァーをした楽曲などはありますか?


LEE Slapstickは自分へSKA PUNKの衝動を与えてくれたバンドの一つで、ずっとカバーしたいと思っていて、でもそれと同時になんか自分の中で勝手にハードルを設けていたんです…「いや、まだ早いだろ」って。でもメンバーでカバー曲候補の多数決をとって、一番多かったので思い切ってやりました。自分の中でも「もうそろそろいいかな」って思えるようになってたんだと思います。なぜ早くやらなかったんだろうと思うくらい楽しかったです(笑)

これまでカバーした曲で音源にしてるのは、1stアルバムに収録されてる、The Toastersの"2Tone Army"とトリビュートに参加した、THE GELUGUGU先輩の"TEENNAGE ACTION"、名古屋のRECORDSHOP ZOOの特典に収録したNOFXの"Buggley Eyes"ですね。あと、音源にはなってないけどライブで披露したことがあるのは、POTSHOTの"RADIO"、Bob Marleyの"ONE LOVE"、SKA FREAKSの"Made up your dream"、vagarious vagabondageの"Rainbow"とか割と色々やってます。


今作タイトルの「LOCAL SOUND」というワードはSKALAPPER主催のイベントタイトルにも使用されていますが、このワードに込めた想いを改めて教えてください!


LEE 僕らが活動している北陸の福井という場所はライブハウスやCDショップ、楽器屋なんかが少なく、バンドを結成して活動を続ける環境としては結構ハードルが高いと思うんです。CDショップに関しては、一昨年に県内最後のお店が閉店してしまい、ついにゼロになってしまったり...。

でもその反面、しぶとく活動し、いろんな音楽を鳴らしているバンドもいて、結構面白いシーンだぞと思ってて、「ココのバンドや音楽に目を向けてみてよ!」という思いでハコでの主催イベントにこのワードを採用しました。あと、僕らが全国各地のローカルで活動してるバンドもヤバいバンドがいっぱいて、福井に大集結してお祭りをやろうってことで5年前から「LOCAL SOUND CALLING」っていうフェスを始めました。今年はコロナの影響でそのフェスが中止になってしまったので、その代わりの発信として今回のEPに採用したって流れです。


SKALAPPER(LEE、Sioco)インタビュー


15周年を迎えたSKALAPPERですが、改めて活動を振り返ってみていかがですか?
特に印象に残っているライブや出来事などありますか?


LEE とにかく日本全国で沢山ライブさせてもらって、作品もフルアルバム4枚、EP1枚をリリースし、オムニバス10枚にも参加させてもらい、充実した活動が出来ました。なかでもKEMURI/POTSHOT/LESS THAN JAKE/MAD CADDIESなどバンドを始める前から聴いていて、どストレートに影響を受けていたバンドとの対バンはやっぱり特別な思いでしたね。バンド続けてきて良かった~!と純粋に思いましたし、確実に活動の弾みになったと思います。あと、その対バンで僕らと出会ってくれたお客さんが今も僕らを応援してくれてたりして、音楽やバンド活動の醍醐味を日々感じた15年間でした。


Sioco 一番衝撃だったのは東京スカジャンボリーです!たしか加入して数ヶ月くらいの出来事だったんですけど、スカパラの曲中にホーンのソロ回しがあるので、SKALAPPERから誰か1人出て欲しいと言われ私が出ました。が、ガチガチに緊張しすぎて今思い出しても恥ずかしい記憶…もっかいやり直したい...

その後は立て続けにメンバーが脱退しちゃって、今のメンバーとして落ち着いたんですけど、個人的にはそこからSKALAPPER第二章が始まったと思ってます。なかでも4枚目のフルアルバムのリリースツアーは毎週全国各地を駆け回って、色んな人に出会えて、たくさん友達もできたなあ。そう言った人たちに支えられて私たちは15年も活動できたんだなって思います。


まだ予断を許さない状況ではありますが、リリース後の活動で企んでいることはありますか?


LEE 正直、日々状況が変化しすぎてて、確定的なものを出せないというもどかしさはありますが、とにかく今回のEPのレコ発開催は実現したいです。それと「長らく会えてない各地のお客さんやライブハウスの皆さん、そして仲間に会いに行く」コレですかね。もうすぐ最後にライブしてから1年になるのでいい加減発狂しそうです。


Sioco いつまでこの状況が続くのかわかりません。ただ、2020年出来なかったこと、行くことが叶わなかった場所に行く、会えなかった人たちに会いに行く。今年はそんな年にしたいです。


Interviewed & Text by 大澤ヒロキ

リリース情報

SKALAPPER『LOCAL SOUND EP』


SKALAPPER
『LOCAL SOUND EP』
2021.01.20 Release

-収録曲-
01.Still Dreaming
02.High Time
03.Coloring Book
04.The Park

Label : PARKING LOT SOUNDS
cat no. : PLS-015
barcode : 4997184128063
定価 : 1,182円(本体価格)+税
仕様: CD EP
info:http://pls.tokyo


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