Steve Hillage(System 7) and 勝井祐二(ROVO)~PYRAMID GARDEN~ @ FUJI ROCK FESTIVAL ’14 LIVE REPORT
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Steve Hillage(System 7) and 勝井祐二(ROVO)~PYRAMID GARDEN~
2014年7月26日(土) @ FUJI ROCK FESTIVAL ’14
フジロックフェスティバルの多種多様なライブやステージの中でも最もお気に入りの空間の一つPYRAMID GARDEN。昨年はじめて体験して以来すっかり虜になってしまい、今年も自分のご褒美にとまたここ苗場の神秘的で果てしなく自由な村を訪れました。
苗場のホテルを左手に見てまっすぐ進むと現れる真っ暗なキャンプエリアへ。ここから割りと静かで暗い路が続くので、少し不安になりつつも光の方へ目を向けるとぼんやりと見えるPYRAMID GARDEN。まるで映画のワンシーンでありそうな千差万別の光。それは人工的に作られた輝きだったり、キャンドルによる灯りだったり、キャンプファイヤーの炎の煌めきであったり、それぞれが発する光が一つの瞬きとなって存在する。その瞬きを見た瞬間、今までの現実世界とはかけ離れた空間へと導かれていきます。なんとも不思議な体験。やはり人は光の方へ光の方へ吸い込まれ温かみを求めるのである。
同じ様に光に吸い込まれて辿り着いた人々が、各々の時間を好きな様に過ごす。メイン会場とは違って、ここで時間を気にする人はほとんどいないように思える。ある意味ドラッグの様な中毒性。癖になってしまったら抜け出せないし、抜け出したく無い程の心地良さ。ハンモックに揺られて少し目を閉じてステージから流れてくるゆったりとしたアンビエントと美しい旋律に耳を傾ける。初日に”Phoenix Rising”として母体のバンドでコラボを果たしたSystem 7とROVOがここPYRAMID GARDENではSteve Hillage(System 7) and 勝井祐二(ROVO)としての二人のコラボが実現。目を開けるとまさしくその二人がキャンドルに包まれたステージでギターとバイオリンを奏でる。なんて贅沢なのでしょう。僅かな光で影になった人々が微かに揺れているのが見えて、もう夢の中にいるのだと思った。絶妙なディレイやリバーブで音が空気中に広がっては消え、その残響に音が重なっていく。夜露でやや湿った草の上に寝そべって見ている人やステージに背を向けて火と向かい合ってる人。フードエリアでは仲間と談笑し、常設されているリクライニングチャアーを倒し天を眺入る人。共通して言えるのが、彼らが奏でる音が全員にしっかり行き届いていて、耳を傾けなくても自然と音が入ってくるそんな環境。全ての音がここで許されるわけではない。実際この空間をしっかりと理解した上で音を調和させていく。極々小さな音までへの細かい配慮を重ね合わせる二人はここの空間の先導師として完璧な演出を醸し出していました。やはりここの雰囲気、ここの人との距離感がたまらなく好きである。きっとまた来年も来るであろう。来年は昼の雰囲気も体験してみたいものです。
photo by kenji nishida
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