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-特集- STOMPIN’ BIRD live report and interview

[2012/06/20]

-特集- STOMPIN' BIRD live report and interview

PROFILE OF |STOMPIN’ BIRD|

逗子発。バンド活動暦18年のスリーピースバンド”STOMPIN’ BIRD”。

この18年間彼らがシーンや、流行や、周りの環境に流されてブレた瞬間を一度も見た事がない。常にマイペースで、常に地に足を付け、浮く事も沈む事も無くD.I.Y精神でシーンに君臨し続ける彼らの活動こそが、周りのアーティストから絶大的な指示を受け、常にファンの心を掴んで来たのではないだろうか。

一つだけ何かが進化してるとすれば、それは彼らのライブ力。18年経った今でもこれだけのライブ・クオリティーと衰えるどころか更にパワーアップし続ける彼らのライブは正に圧巻。そのワンマンの模様と、ライブ後日にギター・ボーカル”TOM”からお話を聞くことが出来ましたので是非ご覧下さい。生きる力と書いて”STOMPIN’ BIRD”。彼らの魅力に迫ります。

-特集- STOMPIN' BIRD live report and interview

場所は下北沢シェルター。都内のライブハウスの中では老舗中の老舗。200名入ったら身動き出来ない位のサイズにも関わらず、今でもここのライブハウスを通って大きく羽ばたいたバンドも必ずといって良い程このライブハウスに戻って来る位アーティストから憧れられ、支持率が高いライブハウスなのであります。
そして当日はSOLD OUT!
『ここをSOLD OUTにするのに18年かかりました』

MC中にベースのYASUが言ったように、18年目にして初の下北沢シェルターワンマン・ソールドアウト。もしかしたらもう少し大きな余裕のある箱でもソールドアウトは可能だったかもしれないが、さすが”跳ねる鳥”。常に地に足を付けての決して”飛ばない”活動がこの場所を選んだんだという事を改めて実感する事が出来た。

更に会場を見渡すと、ここ最近圧倒的に女の子が多いこのシーンに反して、男子というよりも元気の良い”野郎”と言うべきか、7割は男子が占めていた様な気がする。そして年齢層は、メンバーの子供位の年齢といってもおかしくない位(失礼かな…)の若い世代から、同世代まで。18年間の間にしっかりと客層もファン層も一周したんだなという事を、ファンが着ているTシャツがしっかり証明している。遠い昔に見た事があるデザイン物から、最近のデザインの物まで、後ろから見ていてストンピン・バードのTシャツ博物館に来た様で微笑ましく思っていると、会場でかかっていた曲のボリュームが一気に上がり、おなじみSEの”Where our heart is by Randy”が流れた!いよいよ始まる。この曲を聴くといつも心が踊るのだ。

全員黒いTシャツで登場し、そのまま2年前に発売された6th albumの一曲目”Hurry Up”からワンマンはスタート。正直個人的に慣れていない新し目の曲でホットした。我を忘れてライブレポートを放ったらかしにして、今にもそのMOSH PITに突入して行ってしまいそうな位会場が激しく動いて、真後ろのビデオCREWに当たり我に返った。凄いパワー!立て続けに新し目の曲を演奏する辺りが18年経った今でも、堂々と活動してるバンドの自信が伺える。

そして昨年リリースされた”RAIDOTS”とのスプリット曲”We Don’t Care”の後、セカンドアルバムから”Dance Your Life”。このイントロのリフでいつもゾクゾクっとくるが、今日は特別にいつも以上に鳥肌が立った。まだたった6曲しかやっていないのに、既に汗だく。手にも汗を握っているし、やはり好きなバンドはレポートを書かずに自由に見る方が良いと改めて実感。と同時にかつて、このバンドをPUNK好きのアメリカ人の友人と見た時に、彼がこのバンドは”BEAUTIFUL”だって言っていたのを思い出した。3人のバランスがとにかく素晴しいらしい。そう言われてからこのバンドの見方が少し変わったのを今でも覚えている。Vocal & GuitarのTOMが奏でるロックンロールでファンキーでトリッキーなギターと歌と、ど真ん中一直線にリズムを刻むBass & VocalのYASUとパワフルで情熱的なビートを叩き出すDrum & ChorusのHOLYとのバランスが最高に美くしいからこそ、その上で何をやってもあり的な美学が成立するんだなって、勝手にそう解釈している。PUNK BANDを見て美しいってなかなか無い事だから個人的に結構気にいっている。芸術的なPUNKっていうのだろうか。

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もちろんその美しいと称されたバンドが、美しいままなワケがない。楽器を持ったまま客席に突っ込むのは当たり前だし、ステージ上はいつもグチャグチャだし、そして何にしろ客席の野郎共の暴れっぷりがハンパじゃない。YASUがMCで『今日は周りの奴に迷惑かけるよって言え!』と言ったように、フロアーは迷惑をかけまくるKIDSのエナジーで溢れかえり、しかし倒れた仲間をしっかり支え合うマナーも知っている。そんな信頼関係のある野郎共だからこそ、メンバーも好き勝手にやれるんだなって思うとバンドの持つ一種の物凄いパワーと統率力を感じた。

TOMの『中弛みした場合は寝てていいから』という冗談のMCを真に受けるKIDSは一人もいないまま、新旧の曲を織り交ぜつつ、個人的にいつもグッと来てしまう”Colors”やTOMのイントロギターが甘酸っぱい”Spring Has Come”、ファーストアルバムの一曲目”Rockin’ Show”やPVにもなっている”Cheers”などを立て続けに演奏し、33曲目の”Brandnew World”で本編終了。33曲ほぼ全力疾走、中弛みするポイントなど一つも見当たらないあっという間の本編。

当然客席からもアンコールの声が鳴りやまない中dustboxからJoJiがベースで飛び入り参加し”High & Low”。ライブ中仲間が仲間のバンドを袖で見届けて客席にダイブしたりっていうのは日常茶飯事。この日も、FUCK YOU HEROESからANDREW氏や、THE CHERRY COKES/RADIOTSのHIROMITSUや、dustboxからSUGA、RADIOTSからYOSHIYA氏、NUBOのメンバーらで彼らのライブを見守り、支える。バンド側ももちろん安心しつつも、常に良いライブを見せたいが為にそこに安心だけの甘えは絶対に存在しない。そんな彼らの駆け引きが確実にライブを良くしている事は確かである。このバンドは素晴らしい仲間に支えられてるなと改めて実感。そのまま初期曲”S.N.K”で1度目のアンコールが終わる。

もちろんこのまま終わらせるわけにはいかない。会場自体は既に終わりのSEが流れ、客電がついているにも関わらず、誰一人会場を離れようとせずにアンコール。一体どれ位時間が経ったであろうか?物凄く長いようにも感じたし、短かった気もする。もう駄目かなって思った時。

きたっ!袖にいる”その人”をライブ中に見て誰もが思ったはず。ダブルアンコールの一曲目がRADIOTSとのスプリットの曲”Radio Stomp Drive”にYOSHIYA氏が加わり”Yoshiya Stomp Drive”となっての特別バージョン。このお方が会場にいるのに、ステージに登場しなかったら帰るにも帰れまい。言うまでも無く会場は沸点以上に爆発し、最後は彼らの代表曲”Ready to Rock”で締め。最後にこの曲をやる辺りが、まだまだ全然ロックするぜ宣言とも受け取れてなんだかニヤリとしてしまいました。

YASUが常に言っていた『生きる力と書いてSTOMPIN’ BIRD』。

まさしく、彼らを美しいと称したのは、演奏のクオリティー、3人のチームワーク、本能のみで表現する姿勢、そして何よりもバンド運営、演奏全てを含むスリーピースが出来る最大限の力を発揮しようとする”力”なのかなと、大袈裟に言えばそういう事なのだと感じました。正直STOMPIN’ BIRDみたいなバンドに過剰な褒め言葉は必要ないし、それ以上に似合わないというのが本音ではありますが、18年間の内の2回目のワンマン位少し本音で、素で思った意見を文章にしてみるのも良いのではないでしょうか?明日への生きる力をたくさん頂いて会場を後にする事が出来ました。ありがとうございました!

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セットリスト
1. Hurry Up
2. Gimmie The Facts
3. Your Right
4. Punk Rock Guy
5. We Don’t Care
6. Dance Your Life
7. The Hate Song
8. Holy Place
9. Ready to Rock
10. Leave Me Now
11. Wreckin’ Wreckin’
12. Why
13. Seaside Town
14. Know
15. Rumor
16. Mixer
17. Fake Slap
18. Weekend Story
19. Tell Me
20. Now or Never
21. No Reason
22. Break The Basis
23. Colors
24. Route 134
25. 2Phuck
26. I Love Me
27. Golden Leaves
28. Spring Has Come
29. Rockin’ Show
30. Cheers
31. Brave Song
32. The Last Song
33. Brandnew World

en1)
High & Low (w/Joji from dustbox)
S.N.K

en2)
Radio Stomp Drive (w/Yoshiya from RADIOTS)
Ready to Rock


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