奥田民生 @ FUJI ROCK FESTIVAL ’13 LIVE REPORT
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奥田民生
2013年7月27日(土) @ FUJI ROCK FESTIVAL ’13
13年ぶりに奥田民生(Vo/Gt)がフジロックに戻ってきた。
バンドメンバーは小原礼(Bs/Cho)、斎藤有太(Key/Cho)、湊雅史(Ds)という長年ツアーを共にしてきたお馴染みMTR&Y。
ステージ袖から並んで行進というコミカルな入場からホイッスルを吹く音でライブはスタート。若干、二日酔いなんじゃないかという疑惑を漂わせながらどこまでが予定調和でどこまでがノリでやっているのか解らない気だるさと余裕を滲ませつつ、 ”哀愁の金曜日”、”スルドクサイナラ”、”フロンティアのパイオニア”とマイペースに進んでいく。
ギターアンプの上には水と一緒ににサッポロの缶ビールなんか置いてあったりして彼らしいなぁ~なんて一瞬思ったけど、よくよく考えたら、これはその~、あの、あれか、宣伝か(笑)なんてね。
演奏とは全く関係ないけど、こういった部分もゆるいようできっちりしている彼の人柄なんだろうなぁ~・・・。なんて思わず考えてしまった。
途中のMCでは、「フジロックはだいぶ昔に出まして、13年ぶりですか。久しぶりにやって参りました。 その間にだいぶよぼってしまいましたが、またひとつ宜しくお願いします」
さらに「でもまだ先は長いんで頑張ってください」とお客さんを気遣いつつも、ふわふわした民生節を炸裂させていた。
ライブの方は、パフィーにプレゼントしたことでも知られる”マイカントリーロード”を4曲目に持ってきましたが、この辺りから空模様が怪しくなってくるのです。自他共に認める晴れ男、奥田民生!!!
のはずだったのですが、”海の中へ”演奏中に今回のフジロック最大級の大豪雨に見舞われてしまいました。 本人もMCで言ってましたが、民生さんがこういった野外ライブで雨に降られるのは本当に珍しいことなのです・・・。
恐るべしフジロック。しかも最強の豪雨・・・(苦笑)
それでもライブは変わらぬスタンスで進めていく。動揺することも臆することも力むこともない。終盤には”悩んで学んで”や”さすらい”といったシングルとしてリリースされているクラシックナンバーも披露。これはさすがの盛り上がりをみせ、ラストは”御免ライダー”で締めくくった。
わりとコアなファンは大満足、ライトユーザーには若干の物足りなさを残すセットリストだったのかな。でもまあ、演れば絶対盛り上がる曲をあえて外してくるあたりも彼らしいじゃないかと思いながらもやっぱりあの曲も聴きたかったなんて思っている方はすでに彼の世界に惹きこまれているのかもしれない。
時代と共に変化していく器用さよりも古びることのないイメージと共に人々の記憶に残り続ける。圧倒的知名度と人気を得てもナチュラルさとロマンティズムを失わないところが奥田民生の最大の魅力の1つではないだろうか。
余談ですがライブ終了後はオアシスエリアのラジオブースに登場し、「雨が降って良かったです。わりと晴れ男なのですがさすがに山は無理、年だから無理(笑)」と会場の笑いを誘い、名曲”野ばら”をアコースティックギター1本で奏で、鳴り止まぬサンダーという自然を感じつつ歌声を響かせていた。
photo by kenji nishida
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