THE POGUES @ FUJI ROCK FESTIVAL ’14 LIVE REPORT
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THE POGUES
2014年7月27日(日) @ FUJI ROCK FESTIVAL ’14
トラディッショナルなアイリッシュ音楽とパンクやロックなどを融合したスタイルを確立させたバンドとして、様々なアーティストに多大な影響を与えてきた”THE POGUES”。一度は解散したものの再結成し2005年にはフジロックでも彼らのステージを見る事が出来た。しかし先月ボーカルの”Shane MacGowan”が再度解散を促す発言をした事で、日本で彼らを見るのはこれで最後か?という噂が広まるも、どちらにしても見たいバンドの一つである事には変わりないわけで、僕の中ではクロージングアクトと言うなの大トリとして望んだわけです。そんな情報はもちろんオーディエンスにも伝わってるわけで、今年最後のGREEN STAGEの土を踏み締めにビール片手にたくさんの人々が集結。実際想像したよりは少ないかな?っていう印象ではありましたが、この時間帯は居残りフジロッカーズの宴なので、純度100パーセントの濃いオーディエンスでいつものGREENとはまたちょっと違った雰囲気が漂っていました。
定刻になっても全く姿を現さないメンバー達。。メンバーがバックステージで飲み過ぎてる?このまま現れないのでは無いか(笑)という不安もよぎり始めた頃メンバーがさっそうと登場。しかもShaneは咥えタバコ!いかにも彼ららしいシンプルな登場の仕方に、拍手と歓声が沸く。彼らの中ではライブハウスであろうと、大きいステージあろうと何も変わらないのであろう。飲みたいお酒は飲み、吸いたいタバコは吸う。ステージを神聖視すると言うよりは、ライフスタイルの一部としてそこに立つ。そんな雰囲気が最高にロックなんです。そして一曲目の”Sunny side of the Street”の軽快なリズムと同時に踊りだすフジロッカーズ達。暴れるというよりは、楽しく跳ねて騒ぎ、スペースのある後方ではみんなで円になって踊って回る。スカでも無い、パンクでも無いケルティック音楽が継承された彼ら特有の音楽要素が染みこんだ音は、演奏のクオリティーとか音の少しのずれとか、増してや呂律が回っていなくて何を言ってて何を歌ってるか分からなくても、そんな事は一切関係なくて、もう彼らがステージに立つ事そのものが皆をハッピーな気分にし、笑顔にさせるのだと思う。
3曲目の”Streams Of Whiskey”が終わってオーディエンスに向かってピースサインを出したり、引き上げるステージ袖を間違えたり、曲中に咳き込んだり、ステージ上を一歩一歩ゆったり歩くお茶目なShane。その度に歓声が沸き笑いが起こる彼らならではのお約束ライブはなかなか他のバンドでは見れないだろうし、そもそも目も耳も肥えたフジロッカーズに受け入れられないであろうと思う。その姿がもう見られないって。。近くで見ていた知人のイギリス人の男性は、その事もあってか涙ぐんでライブを観ていたのが凄く印象的でした。それだけの功績と歴史とドラマを持ったバンドTHE POGUESの最後の曲は”Sally MacLennane”。結果的にこれが最後の最後。アンコールを熱望しその場を離れない人達、アンコールに備えてビールを買いに行く人々が見守る中彼らのSHOWとフジロックのメインステージアクトの全行程は終わりとなりました。このアンコールはまた次の日本公演がある事を信じて、Shaneの酔った勢いでの発言だったと(笑)信じて、再度彼らのステージを見れる日までのお楽しみとしてとっておきましょう。
photo by kenji nishida
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