CULTURE.ART.MUSIC.LOCAL.EGO = SCENE

THE SENSATIONS(OSAWA17、RED)インタビュー

[2020/12/30]

THE SENSATIONS(OSAWA17、RED)インタビュー

先日、新作フルアルバムをリリースしたばかりのスカパンクシーンの巨匠、LESS THAN JAKEとの日本限定スプリット7インチを12/30にリリースする、THE SENSATIONS。国境を超えた珠玉のスプリットをリリースするに至った経緯や、LESS THAN JAKEへの思い、さらには2008年の結成以降、スカパンクや50’s~60’sのフレーバーを織り交ぜながらパンク のテンションで鳴らした音楽を吐き出し、その存在感を各地で浸透させてきた彼らが、改めて2020年に得た感覚など。メンバーのOSAWA17(Vo.)とRED(Gt.)が今のバンドのテンションと共に語ってくれました。この先もさらに独自の歩みを見せてくれそうな頼もしい言葉と、まだ、まだまだバンドを最大限に楽しむ気持ちで溢れたサウンドにぜひ触れてみてほしい。

今回、LESS THAN JAKEとのスプリット盤がリリースされるということで、その経緯から聞いていきたいんですが、リリースはPARKING LOT SOUNDSからですね。


OSAWA17 PARKING LOT SOUNDSのアキラさんは元々DISK UNIONで働いていた時の先輩なんだよね。斜め前のデスクで一緒に働いていた当時から色々なことを教えてもらっていた存在。そこから巣立って「I HATE SMOKE RECORDS」を続けている間もずっとお世話になっていて。バンドでも度々面倒を見てもらってたんだけど、数年前にLESS THAN JAKEが来日した時にLTJとKEMURIの伊藤ふみおさんとの対談でインタビュアーをさせてもらったんだよね。その時に彼らに自分らのカセットテープを渡して、フロリダツアーを行ったり、当時LESS THAN JAKEのメンバーだったVinnieがやっているPaper +PlastickからLPをリリースしたり。そういった縁が今回の日本でのスプリットの話に繋がっていて感謝しかないですね。


RED 実際に話をもらった時にすごい話だと思ったし嬉しかったよね。だってLESS THAN JAKEっていったらSKAのバンドで言ったらすごいレジェンドじゃないですか。光栄です。


OSAWA17 おれらでいいのかな?って最初は思ったよ(笑)。スプリットって、同じような音像の2バンドが出しているものが世の中には多い部分もあると思うから、自分たちって今はホーンも入ってないし、スカコア・スカパンクからはもちろん影響を受けているけどそれを全面に出しているバンドっていうわけでもないから。


RED 自分たちはもちろんSKAは好きだし、それだけじゃなく他のジャンルも好きだし、色々なものを取り込んでやっているからSKAの純度みたいなものでいうとそこまで高くないのかもしれないと思っていて。でもSKAに対してもバンドに対しても本気でやっているつもりだから、同じジャンルのど真ん中じゃないとしても、「ぼくらはこういうバンドをやっているんだ!」ってLESS THAN JAKEに届ける機会をもらえたと思ってるし、それを快く受け入れてくれたレーベルと彼らの懐の深さに本当に感謝してるね。変にイメージを固めてスカパンクに寄せるのではなく、今のTHE SENSATIONSがやりたい音楽を詰め込めた気がしています。


OSAWA17 LESS THAN JAKEは国内だとKEMURIとSPROCKET WHEELが一緒にスプリットを出していると思うんだけど、他にも様々なスプリットが出ていて、例えばJ churchとかあのMEGADEATHともリリースしてるんだよね。彼らの音楽に対する懐の深さや好奇心、凝り固まってない感覚があるバンドなんだろうな。


そんなLESS THAN JAKEの思い出深い1枚はありますか?


OSAWA17 やっぱり個人的には「Pezcore」(1996)かな。確か大学生の頃にピクチャー盤を買いました!

THE SENSATIONS(OSAWA17、RED)インタビュー

LESS THAN JAKE「Pezcore」


その頃って言うとI HATE SMOKE RECORDSを始めたり、以前やっていたUNITED SKATES時代の話じゃないですか?


OSAWA17 そうそう。ちょうどUNITED SKATESを始める頃だったのかな。その音源はDill Records(マイク・パークがやっているAsian Man Recordsの前身)っていうところから出ていて、SKANKIN' PICKLEをはじめとして、レーベルのカタログ音源を狂ったように片っ端から集めていた時期に、LESS THAN JAKEにぶち当たりましたね。かなりのファーストインパクトだったなー。


RED 自分ももちろん好きだったけど、弟が元々すごく好きだった印象があったのでさっき部屋を覗いてみたらぼくよりたくさんアルバム持ってました(笑)。代表的なアルバム「Hello Rockview」(1998)に入っている”Nervous in the Alley”の出だしが好きなんですよね。あとはツインボーカルの歌いまわしやかけあいが最高で、聴き直してたらそのまんまこんな曲を自分たちでもやりたいなと思ってしまったくらいに(笑)。最新のアルバムも結構シンプルなのにメロディーが引き立ってて、これまでの作品と同じく耳馴染みがすごい良かったです。



THE SENSATIONS(OSAWA17、RED)インタビュー


LESS THAN JAKEも大ベテランですが、THE SENSATIONSも活動が10年以上と長くなってきましたね。今回収録されるのも新曲ですがバンドの現状はどうですか?


OSAWA17 うーん、今がいちばん楽しいんじゃないかな。


RED そうだね。それに客観的に自分たちのことを見れるようになってきたし、今年は自粛もあったので改めてこれまでの曲を聴き直したりもしていて、そういう時間が増えた実感がありますね。


OSAWA17 今回収録された新曲はナガイくん(Dr.)がバンドに入ってくれてから初めての曲なんですけど、実は元になるアイデアは彼が出してくれていて。


RED キイチ(Ba.)やナガイくんにもぼくらにも元々好きな音楽・好きな感じの音が当たり前にあって、「自分もそういうの好きだな」っていう共通点をうまく見つけながらおもしろいものが作れたと思います。変に不得意なものをメンバーに投げかけて曲が完成しても、どこか不自然な部分が出てきてしまうかなとも思ったから。今回改めてバンドはひとりではできないし、みんなで作っているんだなってことを良い意味で実感できました。今のバンドの感じをうまく表現できたんじゃないかな。


確かに疾走感も感じるし、どこか突き抜けたような印象を新曲に感じました。あぁきっと今のモードはこういう感じなのかなって。単純にめちゃくちゃドキドキしましたね。



OSAWA17 10年以上このバンドをやってきて、それまでずっと心のどこかに今あるジャンルとか既存の形とかから逸脱したものを作り出したいなって気持ちがあったんですよ。ロックンロール、ソウル、スカコア、メロディック・・・もちろんそういうものは依然としてあるにはあるんだけど、「おれらにしか出せないような音を出したい!そういう曲を作りたい!」っていう気持ちが。だけど、今のメンバーになったタイミングで好きな音楽の話をみんなと改めてする時間が増えて、新しいうんぬんとかそういう考えは一旦捨てて、「単純に自分たちがいちばん好きなものをやってみない?」っていう考えになった。そうしたら、速くて、疾走感があって、スピード感があって、メロディーがあって・・・と、共通している部分を曲にできた。だから単に原点に戻った感じはありますね、シンプルに「こういう音楽が好きだからバンドやろうぜ!」っていうあの感じに(笑)。


RED だから2020年はコロナ禍のこともあってあんまりメンバーに会えない時間が続いたけど、こうやって考えてみるとその時間も無駄じゃなかったですね。


OSAWA17 毎週スタジオに入ってたら、そんな風に思わなかったかもしれないし、良い意味でリセットした気持ちになれました。アイデアを出し合って新曲を作ったり、スタジオで練習したり。「あ、これ超いいじゃん!やっちゃおうぜ!」、「おれらこういうのほんと好きだな~」なんて思いながら作ってたので超楽しかったです。


RED 曲が完成した時、思わずみんなおしっこ漏れそうでした(笑)。それにいざ完成してみたらちゃんとTHE SENSATIONSの音楽だなって思えたしね。


THE SENSATIONS(OSAWA17、RED)インタビュー


ハハハ、それ最高ですね。ちなみにそういう時間も経てきて、歌っていることも変化してきてますか?今回の2曲のタイトルは「Stiil」と「Greedy」。それぞれ「まだ、よりいっそう」「貪欲」なんて意味にもとれますが。


OSAWA17 歌詞の話は難しいですねー。そうだな、自分たちもそれなりに歳を重ねてきたので、残された時間みたいなものを考えてみることも実はあって(笑)。昔に比べたら、好き勝手やれる時間はみんなそれぞれの事情があって少なくなってきたなと思うし、だけどその中でも変わらずにやれることはどんどんやっていきたいし、まだまだずっと遊んでいたいなって気持ちなんですよ。焦りみたいなものもどこかあるのかもしれないし、昔ほどは「もっと有名になってもっとみんなに知ってほしい」みたいな気持ち?野望?も薄れてるのかもしれないけど・・・


RED バカバカバカ。おれはいつだってまだフジロックに出たいよ!


一同(笑)


OSAWA17 それは全然いいと思うけど(笑)、そういうことには犠牲にするものもたくさん出てくるじゃん。だからそういう気持ちはもちろんあるけど、「なにより楽しくやりたい」「バンドは最高」ってことの方が今は大事に思うし、歌詞にもどこか滲み出てきているのかもしれないですね。


RED 重ねての話になっちゃうけど、自分もいい年になってしまったのもあるのか、今本当にやりたいことをやろうって改めて純粋に思えるようになったんですよね。変な話、昔のメンバーでできることと今のメンバーで作り出せることってたぶん違う。でも今までのことは気にせず、シンプルに気持ちと感覚に従って今のメンバーと楽しくやりたいことを突き詰めていけそうだなって今回思いましたね。OSAWAが歌って自分がギターを弾けばそれはそれでTHE SENSATIONSにはなるんだろうけど、今の4人で楽しく作ったらそれがどんなものでもTHE SENSATIONSの音になるんだなって今回実感できたので、やりたいことをここから「また」始めていける感覚ですね。


ありがとうございます。OSAWAさん、長年の相方がこう締めてくれていますが・・・?


OSAWA17 まっっっったくの同意見です!!!!ハハハハハ(笑)。いや本当に今はそういう気持ち。まだまだやりたいですね。


Interviewed & photo by 4x5chin (KYO-TEKI)

リリース情報

LESS THAN JAKE × THE SENSATIONS
『PARKING LOT RENDEzVOUS Vol.4』
2020.12.30 Release

-収録曲-
A-SIDE LESS THAN JAKE / DEAR ME
AA-SIDE THE SENSATIONS / 1. Still 2. Greedy

cat no. : PLS-014
定価 : 1,500円(本体価格)+税
仕様: 限定7インチシングル
レーベル:Parking Lot Sounds
http://pls.tokyo/


LESS THAN JAKE × THE SENSATIONS『PARKING LOT RENDEzVOUS Vol.4』


LESS THAN JAKE

LESS THAN JAKE

THE SENSATIONS

THE SENSATIONS


I Hate Smoke Records x Stay Tough Records共同日米コンピレーション
「International Incident vol.2」

US 10バンド/ JP 9バンドの計19組が参加!US版ではカセットとしても発売!

Info / Stay Tough Records / https://staytoughrecords.bandcamp.com/
SOUL MINE MEGA MART/ http://soulmine.jp/?pid=155748413

「International Incident vol.2」「International Incident vol.2」



Posted in ALL ENTRY, INTERVIEW, LESS THAN JAKE, RECOMMEND, THE SENSATIONS |