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書籍『私のふるさと』2019年9月24日(火)刊行。

[2019/09/19]

書籍『私のふるさと』


原発事故により故郷を失った一人の私人が詩に託した痛切な思い、共鳴し寄り添う様に描き添えられた水墨画が胸に迫る手記「私のふるさと」

原発事故は苛烈なまでに公平に、ふるさと福島から、あらゆるものを消し去った。

豊かな山河も、穏やかな生活も、楽しい、悲しい、愛しい、苦しい、しかしかけがえのない記憶が刻印された家々も……
そして、なにものにもかえることのできない、一人ひとりの身体が息づいていた「ふくしま」は、「フクシマ」というひとつの記号になってしまった。

ふるさとは失われた。

……この痛切な悲しみと怒りの言葉と写真に、福島在住の水墨画家が、思い出をたどりながら美しい絵を添えた。

本書は失われた故郷への慟哭の書であるとともに、原発事故の悲惨を訴える告発の書であり、さらに未来への希望を託した祈りの書である。


『私のふるさと』
著者:齋藤イネ(ことば)、朝倉悠三(画)
仕様:B5変形 40ページ 
定価:本体 1500円+税
ISBN:978-4908827570
編集:みらいパブリッシング
出版社: ポエムピース
https://amzn.to/2ApErBv


《この度の編集にあたって》
◆原発事故はまだ終わっていません。いまだ避難を余儀なくされている方々は4万人にのぼり、原発事故そのものも収拾されていません。本書は原発事故により避難を余儀なくされた著者による悲痛なメッセージをもとに創られました。本書を通して、より多くの方々にこの現実を直視していただき、「原発」について、それぞれの「問い」を立てていただきたいと願っております。
◆原発事故が奪ったものは、生きる礎である「ふるさと」です。原発再稼働に向けて、避難路の確保が喧伝されていますが、生命の物理的安全にもまして、心の礎となる、ふるさとの問題が置き去りにされています。
◆その礎を失った一人の女性が、痛切な思いを詩に託しました。そしてこの思いに共感した著名な水墨画家が絵を添えました。著者は無名ですが、その言葉は身体の奥底から紡ぎだされ、私たちの心の奥底に、確かに届きます。現代日本を代表する水墨画家・朝倉悠三氏の絵は、思いをつなぎとめるために性急に、非常に速い筆致で失われたふるさとの記憶を描き上げました。
◆広島の原爆記念碑の碑文には、「安らかに眠ってください。過ちは繰り返しませぬから」という悲痛な誓いが刻まれています。原発が再び拡散しようとしている今、この誓いも踏みにじられようとしています。本書はこの誓いを置き去りにしてはいけないことを全身全霊で、激しく、痛切に訴えます。株式会社みらいパブリッシングは、今回ポエムピース株式会社にて上梓される本書の訴えに、全面的に協力します。


齋藤イネ(ことば)

昭和23年、母の故郷の福島県大玉村で生まれ、東京都で育つ。1才半で母を、10才の時に父を亡くす。
28才の時に東京を離れ、家族5人で相馬郡鹿島町(現南相馬市)へ新しい「ふるさと」を求めて移り住む。四季折々の自然に囲まれ穏やかで豊かな日々を送るが、2011年3月11日の東日本大震災と原発事故によって避難を余儀なくされる。2013年夏、有名女優たちによる朗読『「夏の雲は忘れない」ヒロシマ・ナガサキ 1945』の舞台で、語り継ぐべきことを真摯に語り継ぐ姿に感銘し、自身も「ふるさとを失う悲しみ」を伝えるべきだと決意し、筆を執る。


朝倉悠三(画)

1940年生まれ 福島県南相馬市在住・元高校美術教諭、全日本水墨画記念展大賞はじめ数多くの受賞歴を誇り、相馬市、南相馬市、浪江町などでは公共施設にパブリックアートを展開。2011年5月より福島民放にて『震災絵日記』を連載。2019年に同社より上梓。全日本水墨画会会員。日本デザイン学会会員。


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