長嶋祐成 深海魚作品展『あやなし、海の闇』2021年8月9日(月)~9月10日(金)at 銀座 蔦屋書店トラベル書籍売り場
魚譜画家・長嶋祐成が描く、妖しくも美しい深海魚。作品展「あやなし、海の闇」を8月9日(月)から開催。
魚と水生生物を専門に描く、魚譜画家(ぎょふがか)として活躍する、石垣島在住の画家・長嶋祐成の原画展を開催します。 魚譜とは、描き手の観察を通して魚類の姿を描いたものです。
長嶋は、食用魚でも観賞魚でも、あるいは人の暮らしに直接かかわりのない魚でも、かれらの美しさや愛らしさ、格好良さ、気高さを、絵という形にして表現することを自身の画家としてのミッションとして掲げています。
今回、銀座 蔦屋書店では、「深海魚」をテーマに『たくさんのふしぎ 釣って 食べて 調べる 深海魚』や『小学館の図鑑NEO 深海生物』に掲載された原画のほか、本展のために描き下ろした新作をご用意しました。
ほとんど光が届かない深海で、環境に合せて独自の進化を遂げた、妖しくも美しい魚たちの姿を描いた作品を展示します。
長嶋祐成 深海魚作品展
『あやなし、海の闇』
【日程】
2021年8月9日(月)~9月10日(金)
【料金】
入場無料
【会場】
銀座 蔦屋書店 トラベル書籍売り場
【作品販売について】
作品の販売は、 オンラインのみとなっております。
2021年8月9日 15:00~販売開始いたします。
https://manage.store.tsite.jp/ginza/blog/art/21616-1456450804.html
夜の山道で手にした灯りを消すと、べったりと煙った闇に包まれます。
体の輪郭が溶けるように失われ、意識だけが虚空に取り残されて浮かんでいる。
そんな錯覚に陥りながら、虫の音や鳥の声がにわかに高まるのを感じます。
土の匂いに混じって流れてくる草いきれのなごりも、その濃さを増すようです。
平安時代の歌人は、暗夜に満ちる梅の香気を愛でて「春の夜の闇はあやなし」と詠みました。 たとえ闇が花の姿を覆い尽くしたとしても「あやなし」、意味がない。
香りは隠しようもなく際立つのだから、と称えたのです。
深海魚たちが生きる海においても、きっとそうだろうと想像します。
底知れぬ暗闇とすさまじい水圧の世界に身ひとつで漂うことができたならば、かれらが漏らす息遣いやかすかな光に私の意識は揺れ、強張り、惹かれ続けるに違いない。
あやなし、海の闇。
かれらが放つ生々しい存在感を掴みたいと思いながら描きました。
長嶋祐成(ながしま・ゆうせい)
1983年、大阪生まれ。 魚や水生生物を専門に描く画家。 大学では思想を専攻し、卒業後は服飾分野でクリエイティブを学ぶ。 デザイン会社でディレクターを務めた後、画家として独立。 著書に『きりみ』『THE FISH 魚と出会う図鑑』(ともに河出書房新社)。 定期的な個展の他、水族館・博物館の館内イラストや書籍の挿画等を手がけている。
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