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MASAYA (Guitarist) from THE CHERRY COKES MINORITY ISSUE

[2012/05/23]

MASAYA (Guitarist)  from THE CHERRY COKES MINORITY
ここ最近、増々一ギタリストとして個性と立ち居地を確立してきているThe Cherry Cokesのギターを担当する”MASAYA”。大人数でのバンド編成にも関わらず、そのステージ上で存在感を放つ彼の音楽に対する姿勢と、何よりもバンドに対する愛情とリスペクトをこのMinority Issueで感じて欲しい。ロング・インタビューをお楽しみ下さい!



MASAYA (Guitarist)  from THE CHERRY COKES

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MASAYA(Guitarist) from THE CHERRY COKES インタヴュー

—–まずはギターの話から早速したいのですが。ギター歴ってどれ位になるんですか?

曖昧なんですが中3だったかな!?いや、高校1年かな・・・?

—–というと今って幾つだっけ?

今は32歳なので・・・もう16~7年位になりますかね。

—–まーありきたりな質問なんですが。きっかけは?

きっかけは、元々兄貴が洋楽好きで。なんか兄貴のコレクションを盗み見るような感覚で(笑)CDなんかをちょいちょい漁って聞いてたんですね。当時は小学六年生頃までは邦楽ばかり聞いてたんですけど、洋楽を好きになってからは、生意気な洋楽被れ一直線みたいな感じで(笑)。

—–ジャンルでいうと?

兄貴が”CHEAP TRICK”とか好きで。あとは”TNT”とか”MEGADETH”みたいなメタルとか。

—–あ、なんか”CHEAP TRICK”っぽいかも。マサヤって(笑)

そう?(笑)。中学入って自分のお金が少し出来るようになって、兄貴と一緒にCD屋行って。「お前これ買え」と勧められたのがなぜか”Ozzy Osbourne”だったという(笑)。

—–(笑)

オジーを買わされそのまま”Randy Rhoads”っていうギタリストに出会い・・・みたいな。

—–その流れやばいね(笑)

でも、その時点ではまだギター弾こうと思ってなくて。良く同級生とかでグループから外れてるちょっとスカしたシャレたヤロウっていませんでした?(笑)

—–いるいるいる(笑)

そいつがギターをやり始めたんですよ。先に行ってる感じで。で、たまたまそいつの家に遊びに行ったら、”SEX PISTOLS”の”GOD SAVE THE QUEEN”を簡単だよって教えてくれたんですよ。それで、「なんだ、簡単じゃねーか」と。しかもカッケーみたいな(笑)。やってみようかなって思ってバイトして謎の黒いギターを買って・・・。
その後にまたお金を貯めてギブソンのレスポールを買って。というのもRandy Rhoadsが使ってたから。

—–え?あれそう?白い今も使ってるやつ?

そうなんです。今はライブのサブギターで使ってて。当時真っ白でピカピカだったんですけど、これはダセーなって思って。Randy Rhoadsのギターみたいに黄ばむ様に、煙草の煙を何度も吹き掛けて(笑)。「ランディーみたいになれ!ランディーみたいになれ!」って(笑)煙草の煙を近づけて放置・・・みたいな(笑)。

—–(笑)。すごいねそれ!レスポールの何?

レスポールスタジオってやつで、ランディーはレスポールカスタムっていう上級クラスのもので当時25~30万とかでさすがに手が出せなくて。レスポールスタジオはその半額位だったので、一生懸命お金を貯めて。

—–それっていつ?

高校1年の頃ですね。バイトしたりして。

—–最初にコピーした曲って何?

最初はオジーの”CRAZY TRAIN”!!デデデデデデデデ~って(笑)

—–でたっ!

それすらも弾けないから、ペチペチペチペチいわせながら(笑)。それで自分的には大満足なんですね(笑)。兄貴が彼女を家に連れてきて・・・ってなっても、くっそ下手なのに関係なくアンプ鳴らして家で弾いてて。リズム感も何もないっていう(笑)。今思えば騒音ですね(笑)。

MASAYA (Guitarist)  from THE CHERRY COKES

—–そうなんだ(笑)で、ギター始めたのが高校で?

高校でギターを始めて、文化祭でバンドをやろう!と。
持って満足なただの弾けないギター好きが(笑)。で、高校が男子校だったんですけど、男子校って女子高からいっぱい来るんですよ、文化祭に。で、たぶんいやらしい目的もあったと思うんですよ。もてたい!みたいな(笑)。その割にやってる曲なんかはうけない曲とかで。選曲とか”MR.BIG”とかやってたし。MR.BIGなんてやったって一般の人なんて全然楽しくないでしょ?(笑)。タッピングが~とか全然楽しくない(笑)。

—–基本ハードロックとかメタルとか?

その当時はそうですね。当時”HELLOWEEN”とか”METALLICA”とかは俺の中では衝撃的でしたね、「なんじゃこれは?」的な。

—–雑誌でいう”BURRN!”世代ってやつだよね?

そうですそうです。ラジオとかもMasa-Ito(伊藤政則)さんの番組とかを聞きまくってましたね。Masa-Itoさんがオススメするマイナーなバンドとかが凄いツボで、必ず買ってましたし。次回のTHE CHERRY COKESの作品は是非聞いて欲しいなと。

—–ここでアピールしましょう(笑)。

お届けしたいです(笑)。

—–作品の話になったんだけど。今はレコーディング中で?軽くでいいから聞かせて貰えないかな?

今回は幅広いですね。攻撃的なのは前回以上に攻撃的かもしれないし・・・色々な要素があって面白いのは間違いないですね。ブ〇ックメタルとか・・・ね(笑)。

—–ほう。それは楽しみですね。詳しくはまた別の機会に(笑)。ちょっと話を戻しまして。その頃ってPUNKには出会ってなかったの?

元々”GOD SAVE THE QUEEN”で入ったので、”THE CLASH”とかも聴いてましたね。基本音楽好きだったのでジャンルは限定しなかったですね。兄貴がACID JAZZとかクラブ系を聴き出せばそれについてって一緒に聴くみたいな。

—–良い兄貴ですね。

その頃”Jamiroquai”とか出たてで”OASIS”もまだ1stが出た頃で爆発的には売れてない頃で。深夜にBEAT UKって番組がやってて。3時半とかに。幼な心に親が寝静まった頃に見たりしてたら”OASIS”とかのシングルがランクインしてて。当時は「このダルそうな人達、なんかカッコいいな」とか思って(笑)。中学の時は洒落っ気出してたから割とBRIT POPと呼ばれる”BLUR”とか”SUEDE”とか”THE STONE ROSES”とか聴いてましたね。中でもストーンローゼスの2ndアルバムとかはリアルタイムで痺れましたね。

—–結構UKも聴いてたんだね?

今思うと、当時はアメリカよりもヨーロッパの方が好きだったかも?しれないですね。”GAMMA RAY”とか”Ozzy Osbourne”とかもそうだし。と言いながらもLA METALのあっけらかんとしたのも好き(笑)。アメリカは”BON JOVI”は好きでも”KISS”とかはあまりハマらなかったですね。同じPOPさなら”RATT”聴く!みたいな感じでしたね。

—–KISSは良い曲たくさんあるけどドロ臭さはないかもね。

ですね。それであれば”Guns N’ Roses”の方が衝撃的でしたね。恰好も含め。

—–あまり邦楽は聴いてなかったのかな?

唯一聴いてたのは”小山田圭吾”さん位ですね。”CORNELIUS”とかは、世間的にはわからないけれど俺の世代には”※フリッパーズ・ギター”自体かなりマイノリティーな感じだったし。まわりの人が聞くようになってからはひねくれてたのか?聴かなくなってしまって・・・生意気なんですね(笑)

※ 小山田圭吾の前身バンド。小沢健二らと結成。

—–雑誌は何読んでたの?

音楽誌は”BURRN!”と”YOUNG GUITAR”と”PLAYER”と・・・後は”GUITAR MAGAZINE”かな。

—–コピーバンドを組んだのが高校の頃で、そのままオリジナルをやり始めたのが?THE CHERRY COKESが初?

そうですね。自分が本当にやりたいって思ったオリジナルはそうですね。高校卒業して大学と音楽の専門学校の2つを同時に行ったんですけど・・・というのも、高校が付属の高校だったので親がどうしても大学も行けって言って。俺はお金がもったいないし申し訳ないからから大学は辞退するって言ったんだけど、専門学校に行く条件で「大学も行くこと」と言われたので、大学は結局半年だけ行って・・・でも、やっぱりダメで辞めて。お金の面で親には苦労をかけてしまいました。それで音楽の専門学校には行ってたんですけど、バイトしてスロットばっかり打ってまして(笑)。

—–スロット好きなんだっけ?(笑)。

打ち狂ってましたね。今もそういうスロット音楽を作りたいです(笑)。俺なら「打ち手が熱くなる音をこう作る!」みたいな。キタキタキタキタ!みたいな(笑)。ひそかに作ってるんですけどね。その内応募しようかと思って。

—–応募しちゃうんだ(笑)。LFって元BUMBA STICKSのベースもスロット狂で音作ってるから僕ドラムで、マサヤがギターでLFがベースでなんかやろうか?(笑)。

それいいですね!後キーボードは欲しいですね。ウワモノがキラッキラした感じで(笑)。

—–結構ゲーム音楽とかも好きなの?

結構好き好き。植松伸夫さんとか伊藤賢治さんとか特に。

MASAYA (Guitarist)  from THE CHERRY COKES

—–うんうん。では、高校卒業してからTHE CHERRY COKESに出会うまでの経緯は?

それがね~。R&B系の女の子シンガーのバックで弾いてたりとか。チャラ~ンスチャスチャとかやってたり。女の子ロックボーカルのバックでやってたりとか。専門学生中ですけどね。回りの仲間とかは皆ロックバンドを組み始めて下北沢とかでライブをやり始めるのをみて・・・カッケーなと。俺もやりてーなと。でもなかなかメンバー集まらなくて。それでなんかのきっかけで”BLANKEY JET CITY”を聴いて・・・「やべー日本人でこんなカッコいいバンドいるんだ!」ってなって。そこからロカビリーとかサイコビリーとかアングラなのが好きになって。グレッチ買ったのはその影響ですね。

—–で、やっとTHE CHERRY COKESに出会う?

まだです(笑)。まだ悶々としてて、周りがどんどん活動してるのがうらやましくて。で、俺もDOLLのメンバー募集見たり、楽器屋のメンバー募集見たりして色んなバンドに加入で行ったりとか、練習見に行ったり。会いに行った数は軽く10~20は超えてますね。でも、どのバンドも皆一緒で。BLUE HEARTS好きって書いてあったらそのままBLUE HEARTSのコピーみたいなバンドだったり。ミッシェルガンだったら、そのまんまミッシェルガンみたいだったり面白くなくて。常にはみ出したくて、同じ事したくないっていうのがあって。それを踏まえた上でどうするの?みたいな。そのまま真似してもね・・・そのまんま似た様な歌詞並べてみたりとか、そういうのなんかくせーって思って。お前の言葉じゃねーし、みたいな(笑)。それで3年4年探してて・・・もういないなって思って。

—–周りはどんどん活動範囲を広げていくし?

そうそう。そのとき唯一救われたのが、”STRAY CATS”や”BATMOBILE”みたいなネオロカビリー/初期サイコビリーと言われるコピーバンドをやってたのが楽しかった。遊びだったんだけど、相手は俺の倍の年齢の40歳位のメンバーとかで、好きな様にやらせて貰えてて、それが息抜きになってましたね。ライブは数回だけしかしなかったんですけどね。それでも、やっぱり本気バンドがやりたくて募集かけても、ウッドベースが来たけどドラムが見つからないとか。しかもアングラな人達は拘りが強くて。ましてやサイコビリーとなると、これがサイコビリーだとか。これはサイコビリーじゃねーとか(笑)。

—–分かる分かる。

そういうのいらないから!みたいな(笑)。カッコ良ければそれでいいのにいちいち細かいなーって思って(笑)。凄く閉鎖的で。

—–逆に型にハマり過ぎてカッコ悪くなっちゃうパターンはあるよね?

俺はその音楽を踏まえた上ではみ出したくて。でも全然メンバー見つからないから音楽辞めるかって、本気で諦めてて。それでたまたまDOLLのメンバー募集欄を見たら変な??記事を見つけて。パンク、ディキシー、アイリッシュ、スカ、ロカビリー、Oi、サイコビリーなどなどスゲー色々書いてあって(笑)なんか面白そうだなって思って電話した先がTHE CHERRY COKESだったわけですね。

—–意外と行動力あるよね?ちゃんと話せるの?(笑)

人見知りするけど好きなことに対しては行動力がありましたね(笑)でもあの時は緊張した。一人暮らしだから部屋で電話すればいいのになぜかトイレに行ったね(笑)。もしもしって(笑)。そしたらHIRO君が電話出て。

—–既にバンドはあったわけなんだね?THE CHERRY COKES自体は?

まだかなり初期ですけどありましたね。それで会いに行ったわけですね。そうしたらでっかい二人組が現れて。まーそれが、かっちゃん(KATSUO)とHIRO君(HIROMITSU)で。180オーバー位の二人が現れて(笑)。あれ?って。当時は?(も?笑)かなりギラギラしてたから。やべー!何か怖そう!ってなって。どんなバンドだ?って(笑)。

—–想像つくわ(笑)。

で、スタジオ見学に行ったら音楽性というか勢いがめちゃくちゃハンパなくて(笑)。

—–その時のメンバーは?

ドラムはヘルプでもっちだし。コーヤくんや当時のサックスの女性もいて。現SIPMOCのアコーディオンのよっちゃんとかはほぼ同時位に加入してて。それで面白かったのが、普通そういう時ってオーディションじゃないけど、とりあえずギター弾かせるでしょ?で、スタジオで「ギター何持ってるの?」って言われて。「グレッチ」って答えたら、「やばい!まじかよー!」ってHIRO君とかっちゃんが(笑)。当時あの若さでグレッチってあまりいないでしょ?だからか?印象が良かったのかな?(笑)。それでまた次のスタジオも見学に行ったら、今度はレコーディングが決まってると。7インチの。心の中で「ちょっと待って、俺一回もギター弾いてないけどいいの?」みたいな(笑)。グレッチでオッケー?みたいな・・・

—–かなりぶっ飛んでるね・・・

THE CHERRY COKESの魅力ってやっぱり破天荒さ。俺にはない魅力を凄く感じて。俺に無い物を持ってるバンドだから逆に俺が生きるかな?って思って。ビビビって来ましたね。

—–滅茶苦茶だね(笑)

その滅茶苦茶さに惚れましたね。

—–あれはと言う間に加入のレコーディングみたいな。

当時サポートのギターの人がいたんですけど、その人が既にバッキングを入れてたので、じゃーマサヤはリードって言われて。7インチなんですけど今思えば滅茶苦茶(笑)。そんなにいれなくていいのにって位。

—–リード取りまくり?(笑)

そうそう(笑)。歌がどうこうとか関係なくね。自分の好きなフレーズとにかく詰め込んだみたいな(笑)。

—–それっていつ頃の話?

2000~2001年とかですかね?

—–俺らって出会ってる?

まだですね~多分。

—–新宿コードでさ、一緒にやったの覚えてる?ファッション系のイベントで。あれが多分初接触だよね?

覚えてます覚えてます!kenken君がハイソックス履いてて(笑)。ハイソックスっていうのは何?みたいな(笑)。かなり衝撃的でしたね。俺、西海岸って通ったのってそっちじゃないじゃないですか?だから、これも西海岸なんだ!なるほどーって思って(笑)。俺たちってカルチャー好きじゃないですか?音楽とカルチャー、ファッションの傾向だったり精神的な部分だったり。で、俺初めて見ましたもん。ハイソックスー!って(笑)。

—–あの当時は、ほとんど日本では履いてる人いなかったかも。膝までの長さだったし。

レベル高過ぎでしょ(笑)。浮いてたもん。完全に。

—–確かに(笑)。ちょー浮きまくってた(笑)。ディッキーズをぶった切って、ボールチェーンにVANS履いてまではいたんだけど、ハイソックスみたいな(笑)。

斬新だったな~~(笑)。今では普通に居ますけど、あの当時は奇抜な部類でしたよね(笑)。

—–アホだったよね(笑)。それで話戻すけど(笑)。そのコードの頃は、加入して少し経った頃?

割と初期の頃ですね。

—–その初期の頃のTHE CHERRY COKESの音楽性はどんな感じだったの?

もうちょっとSKA PUNKとかで。”VOODOO GLOW SKULLS”とか、マイナーな感じで裏打ち曲とか。

—–で、段々IRISH色が強くなっていったのはいつ頃?

7インチに入れた、”NOT BEEN ALONE”って曲で。あれはHIRO君の中の構想があって。飛び道具的な感じじゃないけどやってみて、それで手応えを得たんだと思う。で、元々聴いてたサイコビリーに付随してラスティックな”TOKYO SKUNX”とか好きだったから”The Pogues”なんかもなんとなく馴染みはあったし、そこから俺もアイルランドとか世界の音楽を聴き漁って。例えば”The Dubliners”とか”The Chieftains”とか。それこそスパニッシュだろうがロシア民謡だろうがなんでも聴いてた。黒人音楽もしかり。基本ギタリストってオタクでしょ?とにかくなんでも聴き漁ってね。18才頃とかも黒人音楽の歴史を遡って最終的にJAZZまでいっちゃったくらいだし。

—–もうそこまでいっちゃうとわけ分からないし、一周しちゃいそうだよね。

AZZギタリストになりたい!なんて言ってる時(専門学生初期)もあった。18歳位の頃。ディストーションなんていらねーっつって(笑)。洒落たフレーズ弾いて。

—–結構、これは一番聴きたい質問なんだけど。前回のアルバム”SEVEN”で一気にマサヤのギターが変わったじゃない?今まではギターの印象は薄かったんだけど、あのアルバムから一気にギターが前に出てきたけど。あれは何か意図的な部分があったの?

うーん。単純にこの編成でのギターの活かし方を知らなかったのかな。頭の中で構想はずっとあったんだけど。サウンドの構想は2ndの頃位からあって。1stより2ndのドラム、ベース、ギターの方がハードなんですよ。だからだいぶ前から構想はあったんだけど、ただその方法論を知らなかったという。俺たちって常にセルフプロデュースで手探りだったから。

—–笛だったりサックスだったりウワモノが多いもんね。

そう、だからギターを出すのにも限界があるのかな?みたいな。どこまで出していいんだろ?みたいな。アコーディオンともかぶることが多いから前まではギターは控えめだったかも。

—–全体的に万遍無い感じで、バランス良く聴きやすいんだけどアクが無いというか。

そうそう、パンチがあるかというと。無い。みたいな。

—–で、前作で一気に来ましたね~~?僕もツイッターで、マサヤがキターーーー!って呟いたら結構ファンの子とかも反応してくれて(笑)。マサヤさんヤバいっす!みたいな。

ははは(笑)。

—–あれは何なの?(笑)というか、どういう心境の変化?それが一番聴きたくて。

元々はウチのバンドってなんかやると、いーじゃーん!ってなるのね。普通のバンドは多分それはやり過ぎ!みたいになってカテゴライズしがちでしょ?でもウチは自由なんだよね。例えばの話、モッチが、ドコドコドコ~~とかってやるでしょ?で、HIRO君と俺が、それいいじゃん!って言って、じゃー俺も!ってドゥドゥドゥ~~ンってやるでしょ?そしたら、どんどんドラムとベースとギターが盛り上がってきちゃうの(笑)。誰かがカッコいいオカズやバッキングをやるとそれに合わせて、「じゃー俺も16分音符で音詰めよう!」みたいに皆でエキサイトしてっちゃって(笑)。

—–子供かっ(笑)。

そう(笑)。前からそういうのはスタジオであったんだけど、それが前作でやっと自分達のイメージしてる事とやり方と経験と全部が合致した感じかな。あ~この編成でもこうすれば全然出せる!みたいな。

—–ギターが出てきて、なんかバンドっていう感じがやっとしてきたというか。ライブでもやっぱりギターが以前より出てきてるし。前作以降のマサヤのライブは本気でカッコいいと思う。常にライブ中気になるっていうか。

気持ちだけはあったんだけどね(笑)。

—–昔のイメージはヒロミツがやっぱり凄く目立つベーシストだし、センターのカツヲと上手(かみて)の方に目がいっちゃうんだけど。今は、センターにカツヲがいて、両サイドが2人活きの良いのがいて(笑)。見ててワクワクする。

極端に違うしね。俺とHIRO君だと。

—–それを昨年の震災直後のライブの新代田FEVERで感じて。わ!凄いって思って。RADIOTSのYOSHIYAさんと楽屋で思わず顔見合っちゃったもん。マサヤ今日やばかったよねーって(笑)。

それは嬉しいですね。そう考えると、今ピピッと思ったんですけど。自分のバンドのメンバーに凄い影響受けてるんだと思いますね。良い事言おうとしてるわけじゃないんですけど(笑)。自分がどうなりたいかってイメージとか理想のギタリスト像とかももちろんあるんだけど。フロントの2人を例に挙げるなら、HIRO君がこうだから俺はこっち行くぜ、みたいな部分でそれが凄く影響になってたり、カッコいいフレーズとか聴いて、やべーカッコいいなー俺もじゃーこうしようーとか。貪欲になるし。かっちゃんの煽りとかパフォーマンスを見て、俺には出来ないしかっこいいなーって思って、じゃー俺は逆にこうしようとか。ここで抜こうかな?とか。やる事やって、抜く時抜いて・・・俺らしくてそれもいいじゃん?みたいな。

—–凄いね。ちゃんと考えてるね~。

立ち位置考えてますよ(笑)。思うけど、上手(かみて)とセンターがあれだけの存在感だと下手(しもて)タイヘンヨ?(笑)

—–確かに(笑)。

その存在感と同等に張るんだったら、同じ要素で競っちゃダメなんだよね。

—–しかも、その隙間がマサヤに合ってるっぽいよね。

うん。凄く楽。

—–存在感が一気に出てきたから、THE CHERRY COKESの楽しみ方が一気に変わった。目が離せない!みたいな。ヒロミツには悪いけど、最近下手(しもて)で見るの好きだもん(笑)。早く寝っ転がらないかな?みたいな(笑)。

最近あんまり寝っ転がってないから(笑)。

—–ステージ大きいと直ぐ寝っ転がっちゃうから(笑)。いつ寝っ転がるかなーって思いながら見てる。

寝っ転がると、なんかドラマに出てくる刑事みたいだねって言われる。長いコート着て、刑事が弾を避けてるみたいな(笑)。ライブなのになんだか良く分からないよね(笑)。

—–(笑)。じゃー今は一番調子がいいのでは?

まーそうですね。ありがたいことに、やりたいようにやらせてもらえてますね。

—–そうだよね。逆にマサヤがこうなったお蔭で、スズちゃんとかミツオの見え方がまた全然変わって来てバランスが最強に良い。

そうですね。ここ何年間でLIVE SHOWをどう作るかっていうのが皆の意識にあって。全部が全部出ればいいわけじゃないし。女性メンバーもいるわけだから、女性が前に出たりとか、ベースが出る、ギターが出るの抜き差しっていうのを意識してますね。演劇じゃないけど、そういう見せ方を考えてるかも。でも、打ち合わせとかしたら寒いと思うから打ち合わせとか無しでどう見せるか?みたいな。

—–打ち合わせしちゃったら、ただのSHOWになっちゃうしね。でも、元々ライブで鍛え上げられたバンドだから、SHOW要素があっても全然違和感ないと思う。目配せで、下手(しもて)行くよ?とかってやっぱりカッコ悪いと思うし。そこはライブで培った感覚だしね。それをTHE CHERRY COKESはしっかり持ってるからどんな事やっても今後はリアルな気がする。

それは嬉しいですね。

MASAYA (Guitarist)  from THE CHERRY COKES

—–ずっとさーインタビューしたくて(笑)。THE CHERRY COKESだったらまずはマサヤに聴きたいって思ってて。

いや~嬉しい~ね~。ありがたいですね。俺も、他のバンドのギターを見るのも好きで。例えばソロ聴いてても、チョーキング聴けば分かるじゃないですか?あ、この人ブルース知ってるな~とか。だからタイバンのギタリストとかでフィーリングが合う人と出会うと嬉しくて。

—–最近いた?

HAKAIHAYABUSAのWAKKUNとかはフィーリングが合うね~。

—–あー!WAKKUNは、結構オタクだし滅茶苦茶上手い。パンクからフラメンコからスパニッシュからなんでも弾けるよね。合うんだ?

合うのよ。九州ツアーで一緒に回った時に、まだWAKKUNとかと面識あまりなかったんだけど。ウォーミングアップで弾いてたフレーズがポールギルバート?ヌーノ?だったりして。聞き耳立ててたら、「あ、今のはヌーノの影響かな?」とか分かるわけね(笑)。好きだから。

—–ある意味気持ち悪いね(笑)。

気持ち悪いでしょ?(笑)。それから話しかけて。THE CHERRY COKESのマサヤですって自己紹介して(笑)。で、話聴いてみたら、話が合う。そこから仲良くなって。だからねーチョーキング一発で分かるのよ(笑)。

—–またお互いやってるバンドがそういう音楽ベースじゃないじゃない?それがなんか凄く面白いよね。HAKAIHAYABUSAはいわゆるレゲエロックだし、THE CHERRY COKESは、簡単に言えばアイリッシュで。でも、そのまんまな事をやってないっていう部分ではギタリスト的には凄く美味しいよね?

そう、美味しいの。ギタリスト次第でなんとでもなるというか。例えば、パワーコードだけ弾いてジャジャーてドカーンってやったら海外のバンドみたいになる。でも俺はそれじゃー物足りないし、同じことはしたくないからって思ってTHE CHERRY COKESなんだよね。もっと日本人特有の細かいニュアンスが欲しい。日本人ならではのロックしてー!みたいな。

—–ロックしてるんだよね~最近のTHE CHERRY COKESは。

だから最近ライブ中はアンサンブルのことを考えすぎないようにしてて。ギターは音外してもいいかな?みたいな。緊張感あればいいかな?みたいな。全てがキッチリカッチリ予定調和みたいなのはダセーって思っちゃうタイプだから。海外のアーティストってキター!キター!っていうのはあるけど、ハプニング的な不協和音とかってないでしょ?プログレとかじゃ無い限り(笑)。俺はそれを常にライブでは毎回違うニュアンスで出していきたいなって思ってる。

—–しかも堂々と外してればカッコいいよね。

そうそう!なにか?って。これがカッコいいのに、みたいな。

—–でも、まさかWAKKUNの名前が出てくるとは思わなかった。ちゃんと見てるんだね?だって、HAKAIHAYABUSAだけ見てたら、一見チャラくてユルい印象だろうし(笑)。

一見チャラいよね(笑)。でもちゃんと見てますよ。

—–ちょうど最近WAKKUN凄いな~って思ってたから、さすがそこはギタリスト同士アンテナ張りあってていいですね。

それ重要ですね。そのアンテナっていうの張ってないと面白くないですよね。

—–結局アンテナを通じて自分の引き出しを見せ合うわけで。そこで共鳴して初めて。あ、受信した!みたいな(笑)。

そうそう。おお~アンテナ5本立った!みたいな。

—–二人の対談とか面白いかもね。

ギターオタクトークになっちゃうけど(笑)。でもさっきもkenken君も言ってたけど、別に二人ともギターロックバンドにいるわけじゃないっていうのがなんか良いよね。

—–そうなんだよね。そこがくすぐるんだよね。探求したくなっちゃうというか。

ちょいちょい出てくるじゃないですか?HAKAIHAYABUSAでも、ッチャッチャって裏打ちしてたと思ったら、いきなり同じジャンルの海外アーティストもやらない様な超ギタリストなフレーズが出てきて(笑)。凄く勉強になるなって思う。

—–バンドって言う色があったら、その中でどう遊ぶかって言うのが最高の遊びで、もし飛び越えちゃってもそれがバンドで成立すれば全然いいわけで。

そうですね。だから今は凄く光栄な立ち位置で好きな様にやらせて貰ってるので凄く有難い事だなって思いますね。

—–今のこの世代ってギターヒーローっていないじゃない?昔でいうHOTEIさんとかHIDEさんとか。もしかしたらマサヤもそういう要素があるかも?

それはちょっと言い過ぎじゃないですか?(笑)。

—–言い過ぎかな?(笑)。

(笑)俺らが好きなドラマーとかギタリストとかって、何かしら見ただけでピンとくるでしょ?でも、最近そういう感じって減ってきたじゃないすか。

—–そう。なんか恰好からビシっとしてないかもしれないよね?言ってしまえばギタリストで緑の頭でっていうスタイルだけで僕はお腹一杯っていうか(笑)。だからマサヤにはもっともっと出て欲しいなーって思うし。メディアももっと注目するべきだし。それによって若い子達がギターってカッコいいって思ってくれたら最高だよね。

最近の若いリスナーとかに、あ!ギターって色んな可能性があるんだ!ってそういう風に思ってくれたら最高にうれしいですね。ただギターをかき鳴らしてカッコ良かったグランジブーム以降、今はまぁ、メタルはまた戻って来てるけど、ネルシャツ着てギター掻き鳴らして、ってもちろん悪くはないんだけど、ギタリストってそれだけではない。

—–それだけでカッコ良く見せれるギタリストはなかなかいないよね。余程人生背負ってる系とかじゃないと。

ローリングストーンズ位になると、白玉一発、ジャカジャーンだけでもカッコいいんだよね。でも、皆がそうじゃないからね。

—–あれ。もうこんな時間(笑)。いつもの倍位話してるかも(笑)。友達との雑談かって(笑)。そろそろ締めますかね。
結局の所、今後はどうなっていきたい?

う~ん。これが結構難しくて。自分らしいギタリストでいたい面がもちろん一番なんですけど、偉そうな意味ではなくて、広い意味での音楽家としてもありたい。というのも、このバンドは楽器が多いからオーケストレーションみたいなもので、ギターだけじゃなくて声の使い方や色んな楽器のバランスやおいしい部分を学べるから、アレンジャーやプロデューサー的なことも学べるんですよね。だから曲を作ったりアレンジしたりプロデュースしたり、もっともっと幅広く音楽に関わっていけるようになりたいですね。

—–なんか全部自分でコントロール出来る、バンドじゃなくてソロ的なのも絶対面白いかもね?

先輩とかに最近言われますね。お前やった方が良いよって。

—–完全自分発信っていうのを聴いてみたいかも。

意外とギター無いとかかも。

—–そうそう。そういう発想は聴いてみたい!

ギタリストでギターなし!みたいな。そのパターンはありかも。ギタリストではいたいけど、それだけでカテゴライズされたくないっていうか。

—–まーアーティストなんだろうね。パフォーマーでもあり

音を作る人でもあり、プレイヤーでもあり。

—–バンドの今後の予定は?

5/27に恵比寿LIQUIDROOMで自主企画”RASCAL VALLEY 2012″があって。

—–これはバンドがたくさん出るんだよね?

そうですね。それと、7月4日にアルバム発売予定っていう感じですね。

—–かなり楽しみですね。そういえばヒロミツが当サイトの番組PET DE WANに出てくれたけど、なんか飼ってないの?

いやー飼ってない飼ってない。ギターが最愛のペットみたいなもんですから(ドヤ顔)。()をドヤ顔にしておいてください(笑)。

—–いやー素敵な締め!ありがとうございます!(笑)

Interview by kenichi kono

THE CHERRY COKE$ special program “RASCAL VALLEY 2012”

THE CHERRY COKE$ special program “RASCAL VALLEY 2012”

Profile of |THE CHERRY COKE$|

2012/05/27[SUN] 恵比寿LIQUIDROOM
『THE CHERRY COKE$ special program “RASCAL VALLEY 2012”』

-LIVE-
THE CHERRY COKE$
・イナズマ戦隊
HEY-SMITH
・FAT PROP
OVER ARM THROW
・ROTTENGRAFFTY

■TICKET INFO
ぴあ(P:166-847) 0570-02-9999
ローソン(L:74057) 0570-084-005
e+ http://eplus.jp/
一般発売:4/14(土)~
主催:MAD TV ARTISTS
制作: A.T FIELD
協力:CREATIVEMAN

■TOTAL INFO
INFO 03-3462-6969 (CREATIVEMAN)


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