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Mike Muir (SUICIDAL TENDENCIES) – INTERVIEW (2012/04/02)

Mike Muir (SUICIDAL TENDENCIES) - INTERVIEW (2012/04/02)
昨年、震災の影響を受けての無念の来日キャンセル。あれから1年、満を持して念願の来日を果たしたSUICIDAL TENDENCIESのボーカリスト、Mike MuirにPUNKSPRINGの翌日、東京公演のLIVE前にお話を伺った。


Mike Muir (SUICIDAL TENDENCIES)

PROFILE OF |SUICIDAL TENDENCIES|

Mike Muir (SUICIDAL TENDENCIES) インタヴュー
2012.04.02 at SHIBUYA O-EAST

—–ツアーはどうですか?

いい感じだよ。パンクスプリングを終えたところだ。今回は家族を連れて来れたから良かったよ。本当は去年の5月に家族と一緒に来日するはずだったんだけど、震災の影響でフェスも中止になった。息子もものすごく残念がっててね…だからやっと来れて嬉しいよ。明日は家族で京都に行くんだ。桜がきれいだろうね。昨日もホテルの前を通ったら桜が咲いててさ、みんな立ち止まって写真を撮ってたよ。

—–最近までバイオハザードとツアーに出られてたそうですがいかがでしたか?

ヨーロッパでのツアーだったんだけど、良かったよ。俺たちが毎年ヘッドライナーをつとめる”Persistence Tour”っていうツアーで、6バンドでヨーロッパをまわったんだけど、カリフォルニア出身で今はオーストラリアに住んでる俺には寒さがこたえたね(笑)雪が降ったりさ、本当に凍えそうだったよ。でも全員いい感じに仲良くなって楽しかったよ。

—–かれこれ30年位プレイしてますよね。バンドをやっていく上で一番重要な事は何だと思いますか? 30年間一つのバンドをやり続ける秘訣は?

そうだね、デビューアルバムを1983年にリリースしたから、もうすぐ30年だね。デビューアルバムの前はバンドメンバーが30人位の時もあったんだ。自分のやっている事をしっかり把握する事、はっきりとしたビジョンを持つ事が大切だ。時間が経てばおかれるシチュエーションによって人のビジョンも信念も変わって、それぞれそれに順応していく。音楽を始める前、親父が俺が子供の頃から常に言ってたのは成功するためにはノーと言うのを恐れないという事。ノーと言ったらノーだと言う事を相手に分からせないといけない。どんなにだだをこねても親父がノーと言ったら覆せなかった。

ツアーに出ようとすると息子達が、「なんで僕たちをおいてくの?」って聞くんだけど、俺たちがやっていることの大切さ、ツアーの大切さを伝えるようにしている。家族がいてもいなくても、自分の置かれている現状が嫌で逃げ出すためにツアーに出る奴らもいるんだが、俺はツアーに出る時はいつだって愛する家族が恋しくなる。だから、本当に必要なものかどうかを決めてからイエスかノーを出す。必要じゃないと思ったら答えはノー。自分達が本当に必要であるとか、大きな意味を持っていると思わないとダメだ。その時の感情に流されるのもたまにはいいかもしれないけど。ドラマーのエリックみたいにさ。初来日したときは大興奮ではしゃいでたんだよ(笑)

やっぱり、今この瞬間だけじゃなくて、ちゃんとその先に待つ将来も見据えないといけない。目先の事だけじゃダメだ。だから話を戻すと、ノーと言う時ははっきりとノーと言う事と、今置かれているこの環境に感謝をすることが大切。物事のバランスも。あとは何をするにしても用意周到でないといけない。

—–INFECTIOUS GROOVESやソロでの活動も並行して行っている感じでしょうか?

サイコ・マイコの事はソロと呼んでるんだけど、これに関してはプロモーションもしないインタビューも受けない。ソロをやるっていうとだいたい自己満足に終わりがちだけど、俺はうまくバランスを取ってやってるつもり。プロモーションもしないから、知る人ぞ知るって感じで。俺が若い頃もそういうバンドがいて、どこにも音源は売ってないんだけど、友達が聴かせてくれて初めて知る、みたいな。激動の年月の合間に作っていいなと思った曲を長い事コンピューターの中にためててそれを最近のソロ音源に入れたんだ。通常だったらマーケティングをして、ツアーをしてってもうビジネスになっててそれの繰り返しで…って、そういう風にはしたくなかった。インフェクシャスに関してはちょっと違うんだけどね。一度に二つの場所には居られないからかなり大変。ギターは今じゃレディガガのバックバンドだし。俺のとこにまで「レディガガのライブのチケット貰えない?」なんて電話がしょっちゅうかかってくるんだぜ(笑)おかしいだろ。

Mike Muir (SUICIDAL TENDENCIES) - INTERVIEW (2012/04/02)

—–日本でも音楽性やファッションスタイルなどにおいてあなたに憧れ、影響を受けている人が大勢います。あなたにもそういった憧れの存在というのはいたのでしょうか?

いやね、さっきもちょうど話してたんだけど、親父の若い頃の写真を見たら、カーキパンツにペンドルトンのシャツ着て、車は50’sのChevyでさ、何とも言えない位カッコイイんだよなあ。映画から飛び出してきたみたいなんだよ。その当時の人たちは別にそんな事意識してる訳もなく、それが当然だっただろうけどさ。リアルで信憑性があってさ、もうワーオって感じなんだ。歳を取れば取るほどその良さが分かるっていうか。俺の親父はオークランドで育ったんだけど、裕福でも何でもなくて、ディッキーズはかっこいいって言う理由じゃなくてディスカウントストアで5ドルだから買ってた(笑)金持ちが貧乏人のスタイルに新しいラベルを付けて再利用するのがファッションだろ。作業着がハイファッションになるんだぜ。俺たちにとっては普段着なんだけどな。

セックスピストルズが言ってたんだ、どういう格好をするかが問題じゃないって。KISSとかみてもあれはコスチュームだろ。クールじゃないから、クールな誰かになりきらないといけないって言う使命感と言うか。そのセックスピストルズの言葉を借りれば、常に自分自身であればいいと思うね。だから若い頃からこのスタイル。3歳の頃からカーキパンツにボタンアップのシャツのスタイルは変わらない。それほどまでにスタイルが変わらないやつなんてなかなかいないだろ(笑)俺たちのスタイルはコスチュームでもユニフォームでもなくて、これがありのままのリアルな姿なんだ。俺たちのメッセージは音楽が伝えてくれる、ファッションやスタイルが伝えるんじゃない。

—–あなたからみて現在のストリートシーンはどのうように見えてますか?80年代、90年代とはやはり違うものでしょうか?

面白いよね。俺たちはずーっと変わりないし、suicidalは映画のColorsが出る前もsuicidalだったし。スケートシーンに関してもそう。俺の兄貴はプロのスケーターで、その当時はピチピッチのショーツにネオンカラーのものを着てたんだけど、そのあとz-boysが出てきてTシャツにカットオフのショーツが流行って、それでリーバイスのジーンズに移行してって感じで。
で、ヨーロッパに行った時、「なんでスケートバンドみたいな格好してるんだ?」って聞かれたんだよな。スケートボーダーじゃないのにスケート雑誌に載るのは俺が初めてだった。そこから、スケーター達がボタンアップシャツにツバの上がったキャップをかぶるってスタイルを真似し始めたんだ。だから、俺たちを知らない奴らが俺たちの事をみると「何でスケーターみたいな格好してるんだ?」ってなる訳だ。その後、アクセル・ローズが出てくるだろ、フットボールのユニフォームを着た(笑)俺たちなんて昔っから着てるだろ?俺たちの事を知らない奴らは、自分の知ってる何かと結びつける傾向にあるから、結局こういう現象が起きるんだ。俺たちは何年経っても変わらない。昔の写真を引っ張って出してきてもね。誰かのために変わるなんてあり得ないし。

—–Dogtownの伝説は日本でも色々語られています。(兄)のジムとは頻繁に会いますか?

そうだね。兄貴は俺より5歳上だから、子供の頃はついてまわってたよ。スケボーのコンテストとか展示会とか行って、その世代のプロスケーター達に紹介してもらっていい経験をしたよ。ただ一つだけ心残りだったのは今と違ってカメラがなかった事。その当時カメラを持ってたら相当金持ちになってたよ(笑)ペンネーム使っていい写真を撮りまくって世に出すんだよ。今でこそ携帯にもカメラはついてるから気軽に写真は撮れるけど。最近友達と話してたんだけど、あの当時カメラを持ってたら死ぬか投獄されるかのどっちかに終わってただろうって。見ちゃ行けないものまで撮られる可能性がかなり高いからね(笑)だから今活躍してるその当時のカメラマン達は親が金持ちだったか、自分で壊れかけのカメラを使って撮影してたかのどちらかだろうね。それでカメラの限界を知った上で写真を撮ってた。だからこそすごいフォトグラファーになれるんだ。金持ちだったら、レンズを変えたらいいものが撮れるって頭だけど、そうじゃない奴らは限られた範囲の中で最大限に才能を発揮するんだ。今じゃ本当に手軽に写真やビデオが撮れるし、目的もYouTubeにあげるからだったりするけど、昔は心からそのすばらしい瞬間を写真に収めたいっていう純粋な気持ちをみんな持ってた。周りの反応どうこうじゃなくて、自分のため、自分が欲してるからだったんだ。今は何をするにしても、カメラを意識してなければいけない。だからやりたい事よりも先にそっちが気になったりする事になったりもするんだよ。

—–6月にメタリカ主催のフェスティバルに出演しますね。
メタリカには現在ロバート・トゥルージロも在籍していますし親交は深いんですか?

そうだね。みんなよくその件については聞いてくるんだよね。最後に会ったのはいつ?とかさ。でも、奴はサンフランシスコに住んでて、フランス人女性と結婚してサンフランシスコにいない時はフランスで生活をしてるし、俺は最近はずっとオーストラリアに住んでるからここ6,7年で会ったのはほんの数回だよ。だからといって疎遠な訳でもない。親しくてもそれよりも会う頻度が低い友達もいるし。みんな確執があるんじゃないかって勘ぐろうとするんだけど、そんな事はなくてロバートは本当にいい奴だし、メタリカで奴が元気にやってる事を嬉しく思うよ。

—–その他で何か決まっている予定はありますか?

4月末から5月頭にかけてブラジルに行って、6月にはカリフォルニアに戻って10ほどライブをして、メタリカのフェスだろ、7月頭から8月頭にかけてヨーロッパで、8月半ばはカナダでフェスに幾つか出て、9月頃にはアルバムも出したい。ちょっと詰め過ぎた気もするけどな。

Mike Muir (SUICIDAL TENDENCIES) - INTERVIEW (2012/04/02)

—–その他、最近音楽以外で興味を持っている事って何かありますか?

俺は音楽が自分の人生全てになってほしくない。自分にとって大きな意味を持つ音楽も知ってるけど、反対に全く意味を持たない音楽がある事も知ってる。「音楽は人生のサウンドトラックだ」って言うよな。確かにそうではあるんだけど、人生自体がそんなにエキサイティングじゃなくなったとも言えるよね(笑)みんなパソコンにかじりついてさ、ビデオゲームが人生だったり。だからもうサウンドトラックなんて存在しないんだ。店に行けば音楽が流れてて、エレベーターに乗っても音楽が流れてる。全ては勝手に耳に入ってくるもの。本来ならそれがまず耳に入ってきて、心に届いて、立ち止まって「この音楽は何だ?」ってなるべきなんだ。何クリックかすれば何百万もの曲が検索できるし、じゃあ何で一曲だけ選ぶんだ?また他の機会に聴けばいいじゃないかって話になってくる。一度聞いてワオ!ってなって、そっからまた10回20回って聴いていくうちにイエー!ってなるのが音楽のいいところだと思う。だからと言って俺の人生をまるっきり占めてる訳でもない。三人も子供がいれば特にだよね。だから今俺にとって音楽って言えば、一番下の子供に歌ってやる、「フルーツサラダ、おいしいね、おいしいね!」なんて調子の曲のことをいうんだよ(笑)家族とはできるだけ一緒に時間を過ごすようにしているんだ。その方が物事全てうまく行くしさ。

—–今回PUNKSPRING出演にあたりサイト上にコメントがアップされましたが、日本語でコメントするというのはあなたのアイディアなのですか? 日本語は難しかったですか?

あああ、あれ!友達に見せたらさ、すげえ驚いてるんだよ、「すげえな、お前日本語できるのかよ!」って(笑)「お前日本語分からないだろ?」って突っ込んどいたけど!本当に分かってたら何言ってるか絶対分からないだろ(爆笑)
クルーのSushiが手伝ってくれたんだ。俺のワイフも日本語を習おうとしてるから、言う事を紙に書いてくれてそれを頑張って読んだんだよ。簡単じゃなかったね。アメリカ人にとっちゃ、すげーってなるだろうけどね。Sushiが俺の事乗せるもんだから、どんどんイカつい感じになってってさ(笑)

—–最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

「最後」ってなりたくないね。最後っていうと別れみたいだろ。日本に戻ってきたかったから、今俺はここにいる。俺が子供の頃、旅行と言えばアメリカ国内で州から州位のものだった。子供の頃からオーストラリアと日本に行くのが夢だったんだ。何でその2カ国かは分からないけど、とにかく行きたかった。それで1993年にバンドでオーストラリアと日本にツアーで行けたんだ。夢が一気に叶った気分だったよ。

今でも日本に初めて来た時の事は覚えてる。ホテルから一歩踏み出したら周りの景色が全く同じで迷子だ(笑)ランドマーク的なものを覚えようとするんだけどダメでさ、ノーーーー!って感じで(爆笑) アメリカ人も見かけて…多分米軍の奴らだと思うんだけど、肩肘張ってんだよ。頼むから同類と思わないでくれーなんて思ったり。本当に色々違いすぎて戸惑いまくったね。だからその後オーストラリアに着いたらそりゃあもう安心したよね。でも、何回か来るうちに色々なギャップも埋まり始めてさ。友達もできたりして、だんだん居心地が良くなって。毎回来るたびに楽しくてね、もっともっと来たいなと思うよ。また早く戻ってきたいよ。家族とでも、友達でも、InfectiousでもSuicidalでも何でもいいんだけどとにかく早く戻ってきたいね。だから、最後の「締め」はなしだ。むしろ、俺的には「次はなんだ?どんなサプライズが待ってるんだ?」の方がいい(笑)

Interview by Shoko Saito
photo by AZUMA Tatsuya

SUICIDAL TENDENCIES Special IInterview & Live Report
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